転生後推しが俺の執事になっていました

チヒロ

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二十五

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「まあ後二日は僕が執事をするよ!そこにいる大人達は主のフェロモンのせいで大変そうだし」

大人二人は反論したくてもできない様子だ。

本月何回目めかの執事会議がまた始まった。


「二日が過ぎればさすがに収まっているだろうし」

「…ところでヨークはどうもないのか?」
不思議に思ったらしいリギアが訊ねる。

何の話かなとヨークはいい話をそらそうとする。

「おい、お前…話をそらすなよ!」

「え?何がですか?」
ヨークはとぼけた様子でリギアを見る。

「……だからお前…どうもないのかよ!……あ…主のフェロモンを嗅いでも…」

「リギアさん自分で言っておいて気づきませんか?」

何がだよ…!とリギアは怒る。

「だから欲情してしまう理由ですよ!フェロモンだけじゃなくて親密度が影響していることもあると」

ああとリギアは納得する。

「だってリギアさん主にケーキを振る舞うわ、フォークをを持つ手を握るわ、頭を撫でるわ

…そりゃあ主も好きになるでしょう!親密度は一方が高くなればもう一方も高くなるものですって

あなた自分でやっておいてその過ちに気づいてないんですか?」

ヨークの口調からは年上を敬う心が感じられない。

しまったという表情でリギアはヨークを見る。



ヨークはしんみりとした表情で話し始める。



「……………主と僕は友達にはなれるかもしれない……でもそれ以上を望むことは……できない……みんなみたいに…恋の駆け引きみたいなのは僕には…できない」

珍しく言葉を詰まらせて話す様子に場が静まり返った。

「駆け引きって言い方はないだろ」

場の空気を読みいつもの調子でリギアは反論してみる。


「……僕だって……………なんでもない!」

残念ながらモードに入っているヨークにはリギアの話が聞こえていないようだ。


「私には羨ましいです。」

え?と可愛らしい声でヨークはユグナを見る。

「ヨークさんの誠実さが。…きっと凪様にも届いていますよ」

にこっとユグナはヨークに微笑む。


「確かにお前…ふざけているようでそういうところあるよな。芯は誠実というか真面目すぎるというか…」

照れくさそうにリギアはヨークを褒める。

「そういうところが誰かさんにそっくりです」

ユグナはリギアをまじまじとみて微笑む。

なんだよ全くとリギアがつぶやいたところで執事会議が終了した。
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