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第十三話 二人だけの時間(R15)

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王子は抱きついたまま俺の耳元でささやく。

「愛してる」

俺も声を震わせながら王子に答える。

「愛しています」

…恥ずかしい…

「…わっ……」

思わず声が出てしまった。

王子は微笑み俺の肩と膝裏を抱き上げる。

……王子の顔が……近い……

心臓が激しく音を立てる。

王子の筋肉がぐっと盛り上がる。

……このまま腕に抱かれていたい…

好きな人に抱かれていたい…

……白いはずの手からは想像できないほどの筋肉

王子の顔に目を移し微笑む。王子が微笑み返してくれる。

……幸せだ

(王子は俺を抱えたままどこに行くんだろう?)

何も言わないまま王子はあるところで俺を降ろしてくれた。

(お風呂…?!)

「……もう一生ないかもしれない…二人だけの幸せを噛み締めよう…」

そう言うと王子は服を脱ぎ始めた。
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