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第4話 糞女神
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やっと死ねた。もう痛みはない、解放された。あの兵士は私を苦しみから解放してくれたのだ。確かに意識が途切れたのだ、きっと死んだに違いない。そしてここは死後の世界という奴だろう、やけに明るいのが気になるが。
「もう大丈夫、これで※※※※※※」
……おかしい、あの女の声がする。
「※※※※※※※※※※」
やっぱりあの声だ。そこで完全に覚醒した。
湯にいる。湯気や体を包むお湯の感触が分かる。椿は広い湯船に浸かっていた。傍らには何やら光る柱があった。目を凝らすと、人のように見えなくもない。これか? これが声の主だろうか。
「※※※? ※※※※※※※」
間違いなく、教会のような場所からずっと続く声の主のようだ。放っておこうと思ったが、何やらこちらを見つめている気がするので声をかけてみた。
「申し訳ないのですが、何を仰っているのか解かりません、うるせーよハゲ」
「※※※! ※※※※※※※……」
光る柱を<言葉を話すもの>と認識した時点で、それが人の形を取った。まるでテンプレのようなローマ神話的な女神様が現れる。薄着が色っぽい。自分が話しかけたことに安堵したのか、表情が和らいだのが分かった。
解らないとは伝えた。が、あちらも椿の言葉が分からないのではないか? この女神っぽい女性はお構いなしに話し続けている。話すたびに、怒ったり、しょんぼりしたり、と百面相を見せてくれる。取り敢えず放っておいて、椿は周囲の状況を確認した。
これまたローマ調の神殿のような場所にいた。パルテノン神殿の外枠だけ真似たような感じだ。周囲は海のようだが水平線の彼方に陸地は見当たらない。まるで天守の最上階のように、パノラマに空が広がる空間を湯船が占めていた。女神の他には、似たような格好の美形が何人か居る。皆、視線を伏せて表情は伺いしれない。中性的な顔立ちから、天使なのかなと思わなくもない。日本人の想像力の範疇に収まっているあたり、この世界(?)とやらを作った中の人は地球に居るのかもしれない。
「※※※※※※?」
女神はまだ、何かを語っているが取り敢えず無視しておく。
椿は自分の右腕が繋がっていることに気づいた。体を見下ろすと、金髪の王子に斬り下げられた傷も塞がっている。しかし、腹から足にかけて、酷い事になっていた。某無免許医師のような継ぎ接ぎだ。流石に自分の皮膚の色と変わりはないが。よく見ると、左腕や肩にも爪で付けられたように平行に走る傷跡が無数にあった。
なんせ、林に捨てられたのだ、獣に食われたのかもしれない。熊でも居たのだろうか、傷跡から腹を裂いて拡げられて食われたのだろうと想像をする。ますます、あの兵士に感謝しなければ。なんせ、致命傷でも死ねなかったのだ。あのまま放置されていたら、文字通り生きたまま獣に食われた可能性がある。
落ち着くと、色々と疑問が湧いてきた。
この女は、見たまんま女神なのだろうか?
なぜ自分をこの場に回収したのだろうか?
いや、どうやって回収したんだ?
できるなら、斬りつけられる前にしてくれたらよかったんだが。
アレはやっぱり勇者やら聖女やらを召喚するモノだったのだろうか。
言葉が分かれば、今まさにそのことを説明しているかもしれない女が、この疑問を解決してくれただろうに。
「だから、何を言っているか分からないって!」
その時だった、見覚えのある白い光が湯船の底から溢れてきた。
「※※※! ※※※※※※※!!!」
女神が慌てているところを見ると、意図するものではないらしい。天使たちが駆け寄ってきて、手にしたものを渡そうとしている。受け取る間もなく、立ちくらみのような感覚とともに視界が変わる。
また召喚なのか?
あぁ……、そう言えば今、裸じゃないか……
「もう大丈夫、これで※※※※※※」
……おかしい、あの女の声がする。
「※※※※※※※※※※」
やっぱりあの声だ。そこで完全に覚醒した。
湯にいる。湯気や体を包むお湯の感触が分かる。椿は広い湯船に浸かっていた。傍らには何やら光る柱があった。目を凝らすと、人のように見えなくもない。これか? これが声の主だろうか。
「※※※? ※※※※※※※」
間違いなく、教会のような場所からずっと続く声の主のようだ。放っておこうと思ったが、何やらこちらを見つめている気がするので声をかけてみた。
「申し訳ないのですが、何を仰っているのか解かりません、うるせーよハゲ」
「※※※! ※※※※※※※……」
光る柱を<言葉を話すもの>と認識した時点で、それが人の形を取った。まるでテンプレのようなローマ神話的な女神様が現れる。薄着が色っぽい。自分が話しかけたことに安堵したのか、表情が和らいだのが分かった。
解らないとは伝えた。が、あちらも椿の言葉が分からないのではないか? この女神っぽい女性はお構いなしに話し続けている。話すたびに、怒ったり、しょんぼりしたり、と百面相を見せてくれる。取り敢えず放っておいて、椿は周囲の状況を確認した。
これまたローマ調の神殿のような場所にいた。パルテノン神殿の外枠だけ真似たような感じだ。周囲は海のようだが水平線の彼方に陸地は見当たらない。まるで天守の最上階のように、パノラマに空が広がる空間を湯船が占めていた。女神の他には、似たような格好の美形が何人か居る。皆、視線を伏せて表情は伺いしれない。中性的な顔立ちから、天使なのかなと思わなくもない。日本人の想像力の範疇に収まっているあたり、この世界(?)とやらを作った中の人は地球に居るのかもしれない。
「※※※※※※?」
女神はまだ、何かを語っているが取り敢えず無視しておく。
椿は自分の右腕が繋がっていることに気づいた。体を見下ろすと、金髪の王子に斬り下げられた傷も塞がっている。しかし、腹から足にかけて、酷い事になっていた。某無免許医師のような継ぎ接ぎだ。流石に自分の皮膚の色と変わりはないが。よく見ると、左腕や肩にも爪で付けられたように平行に走る傷跡が無数にあった。
なんせ、林に捨てられたのだ、獣に食われたのかもしれない。熊でも居たのだろうか、傷跡から腹を裂いて拡げられて食われたのだろうと想像をする。ますます、あの兵士に感謝しなければ。なんせ、致命傷でも死ねなかったのだ。あのまま放置されていたら、文字通り生きたまま獣に食われた可能性がある。
落ち着くと、色々と疑問が湧いてきた。
この女は、見たまんま女神なのだろうか?
なぜ自分をこの場に回収したのだろうか?
いや、どうやって回収したんだ?
できるなら、斬りつけられる前にしてくれたらよかったんだが。
アレはやっぱり勇者やら聖女やらを召喚するモノだったのだろうか。
言葉が分かれば、今まさにそのことを説明しているかもしれない女が、この疑問を解決してくれただろうに。
「だから、何を言っているか分からないって!」
その時だった、見覚えのある白い光が湯船の底から溢れてきた。
「※※※! ※※※※※※※!!!」
女神が慌てているところを見ると、意図するものではないらしい。天使たちが駆け寄ってきて、手にしたものを渡そうとしている。受け取る間もなく、立ちくらみのような感覚とともに視界が変わる。
また召喚なのか?
あぁ……、そう言えば今、裸じゃないか……
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