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1章 出会い
2 イリスと本と乱入者
しおりを挟む「それじゃあ、あとは子供同士で遊んでいらっしゃい」
母様はそういって、フィアナ様と一緒に別の部屋へ行きました。
「兄様、イリス様、お庭で遊ぶのはどうですか?」
解放感のある庭で一緒に遊べば、イリス様の緊張も解けると思います。
「ラストルお兄さま、オパールも一緒に遊びたいです」
「あっ、もちろんだよ。オパール」
イリス様と早くお話がしたいと気が急いて、オパールのことを忘れてしまっていました。
そこに兄様の声がかかります。
「じゃあ、行こうか」
「ハイ!」
「はい!カイルお兄さま!」
「は、はい……」
やはり、イリス様は何かに怯えています。
緊張ではないように思えるのです……
話ながら歩いていたら、すぐに庭に着きました。
イリス様も少し慣れたのか、先程までよりは自然に会話に参加できています。
庭に出るとイリス様の綺麗な黒髪が光を受けて輝いていました。
「イリス様は普段どのようなことをしているのですか?」
兄様が言っていたことを参考に話します。
「わ、私は普段、読書をすることが多いです。」
「そうなのですか! 僕も結構、本を読みます。 どんな本を読まれますか?」
「哲学書などです……」
「ずいぶん、難しい本を詠まれるのですね」
7歳ということですが、随分大人びています。
「本か~ 私は学園の教科書か図鑑しか読みませんね~」
「オパールはおひめさまの絵本が好きです」
カイル兄様とオパールも楽しそうに話します。
カイル兄様はシャイン王国の王立学園の2年生で、普段は学園で勉強しています。
シャイン王国の貴族は13歳になったら王立学園に入学し、貴族のありかたや礼儀作法、周辺国語、算術などを学ばなければなりません。
カイル兄様は本をあまり読みませんが、教科書を本当によく読み込むので、成績は優秀です。
あとは植物が好きで、植物に関する知識は学者並みです……
「イリスさま、てつがくしょってなんですか?」
「そ、そうですね、 人生・世界、事物の根源のあり方などを理性によって求めようとする学問、《哲学》の本でしょうか?」
「イリスさま、すごいです!」
「……っ、ありがとうございます!」
なぜでしょう、イリス様は泣きそうになりながらお礼を言っています。
______________
しばらく話していると、エントランスの方が騒がしくなってきました。何でしょうか?
声がこちらに近づいてきます。
───レイラ様、お待ちください
───まず、お母様の所に
「ふんっ、こっちにイリスとレイ伯爵家の方々がいるのでしょう?」
レイラ様とは、誰でしょうか?
イリス様の方をみると、真っ青な顔で震えていました。
「イ、イリス様? どうなさったのですか?」
僕はイリス様に駆け寄ります。
「レイラ様とは、イリス様の姉君でしたよね?」
兄様の声が聞こえました。
「イリス様の姉君?」
じゃあ何で、イリス様はこんなに震えているのでしょう?
考えているうちに騒ぎが庭まできてしまいました。
我が家のメイドの後ろにいるプラチナブロンドに桃色の瞳の少女がレイラ様でしょうか?
メイドの顔には困惑がみられます。
「あぁイリス、そこにいたのね!」
僕の隣でイリス様が震えました。
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