君の悲劇を終わらせる〜廻る世界で再び出会う〜

夜野ヒカリ

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XX 僕と彼女の過去 XX

15 甦る記憶③

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 の僕は〝科学〟という技術が発達した世界を生きていた。

 その世界には、見上げるほど高い建物が建ち並び、空を飛んでの移動手段などがあった。
 教育もしっかりしていて、たくさんの学校があり、子供は必ず7歳から9年間の教育を受けることができた。
 その9年が終わってもさらに進んだことを学ぶために上の学校に進学する人が多い。

 彼女とは同い年の幼馴染で、3歳から、18歳の春までずっと一緒にいた。

 16歳の頃に僕から彼女に告白をして付き合っていた。

 19歳になる年の春、僕たちはそれぞれの道に進むために別の学校へと進んだ。

 別の学校に進んでも、僕たちの関係は切れることなく続いていたが、僕たちが成人して数年、社会に出てしばらくすると、彼女からの連絡が途絶えた。
 
 僕たちは離れた土地に住んでいて、普段は仕事があるために最後にあったのは半年前だ。

 僕は心配になって、自分の連休を使って彼女の家を訪ねた。
 彼女は家にいなかったので、彼女が仕事をしているという職場に行った。

 受付の人に聞くと彼女は仕事中らしかった。
 僕は待った。彼女が仕事を終えて、建物から出てくるのを。

 


 …………………………おかしい、待ち始めて10時間以上経ったのに人が一人も出てこない。
 いや、正確に言うと20代前半の人が、だ。


 ────────さらに3時間が経った日付をまたいだ頃、やっと彼女が出てきた。

 僕は、駆けよって彼女を確認した。

「大丈夫か? いつもこんな遅くまで仕事をしているのか?」と、尋ねた。

 僕を見て、驚きを浮かべた彼女の目元には大きな隈ができていた。
彼女に「何でいるの?」と聞かれたがそれどころじゃなかった。

 愛する彼女がやつれ、疲れきった表情で仕事を終えて出てきたのだ。深夜に。



 ─────彼女の話では、彼女が勤めている職場では新人への押し付けが行われていて、新人は皆彼女と同じ状況だったのだという。

 特に、彼女の直属の上司である女性はそれが酷く、仕事の押し付けに責任の擦り付け、仕事が少しでも遅れた時は暴力を振るったりと、やりたい放題だったらしい。

 その仕事を辞められないのかと聞いたが、上司の圧力が強く、自分が辞めることで他の新人の子達への風当たりが強くなるのも心配で辞めるに辞められないとこたえていた。

 彼女は「大丈夫だから、帰って? 迷惑かけてごめんね」と言っていたが、少しも迷惑だなんて思わなかったし、単純に彼女が心配だった。

 彼女をその状態のままにして帰りたくなかった。
 帰ってはいけない気がした。

 それでも僕は、彼女を彼女の家に送ったあと、「無理はするな」とだけ言って帰ってしまった。


 ──────そうしたことに後悔することになるとも知らずに………………



 僕は彼女が心配で、毎日「無理はするな、何かあったら相談しろ」というメッセージを送ったが、彼女から、返事がくることはなかった。

 僕の方の仕事も忙しくなってしまい、彼女に会いに行くこともできない、、もどかしかった。



 ───────会いに行ってから1ヶ月後、彼女から連絡がきた。

 しかし、そこにあった内容は絶対にあってはならないものだった。


 連絡が届いた次の瞬間、頭の中にが浮かび上がり、それと同時に彼女がこの世界から去ってしまったことを悟った。

 このも思い出したのは、彼女がいなくなってからだった。


 彼女からの連絡は最後のメッセージだった。
《小さい頃から一緒にいてくれてありがとう。もう、疲れちゃった………。迷惑かけてごめんね、バイバイ。》
 彼女が送ってきた内容だ。


 僕はその場で崩れ落ちた。側にいた人が心配して寄ってくるが、どうでもよかった。


 黙って立ち上がり、高い建物に昇ると、そこから飛び降りた。

 彼女のいない世界なんて意味がないから。
 彼女のいない世界で生きていくのは辛いから。
 死ねば、彼女に会えるから。

 そう、自分に言い訳をして現実から逃げたのだ。





-------------




 その前にも、その前にも僕は彼女と出会い、守れずに死なせてしまった。

 中には、僕と彼女との結婚式で彼女が殺されたこともある。

 今思えば、〝科学の進んだ世界〟にいた彼女の上司の女はいつも、彼女を殺す女と だろう。
 
 そしてあの女、この世界でのレイラ様はどの世界でもを持っていて、に執着している。



 今回は彼女を守る!
 今まで辛い生を繰り返してきた分、僕が幸せにして上げるんだ。


〝ラストル〟は、これまでのと違い、手遅れになる前に記憶を取り戻したのだから。

 の強い思いによってこうして記憶を取り戻したのだから。


 この繰り返す悲劇を〝ラストル〟と〝イリス〟で終わらせる!!



 ─────そう考えているうちに僕は自分の意識が浮上していくのを感じた。


-----------


「うっ…………………」

「ラストル! 起きたか!? 痛い所はないか!?」

 小さく声を上げて起き上がると、ライル父様の声がした。

 ここは───僕の部屋のベッドみたいだ。
 外はすっかり暗くなってしまっている。

 どうやら、父様に心配をかけてしまったようだ。
 突然倒れちゃったんだもんな……………………

「大丈夫です、父様。それよりお話したいことが………」

「…………あぁ、わかった。すぐにで大丈夫なのか?」

「はい、大丈夫です」

「グレンもいて大丈夫か?」

 部屋の隅を見ると、グレンが佇んでいた。
 僕は黙って頷き、を話し始める

 父様には話しておくべきだろう。
 僕一人で彼女を守れたらいいが、この世界のは侯爵令嬢だから、伯爵家の次男にすぎない僕では、力不足だ。



「実は─────────────」






~~~~~~~~~~~~~~


 読んでいただきありがとうございます("⌒∇⌒")
 
 これで、前世編は終了です!!
 
 暗い話になってしまいましたが、
 お付き合いくださりありがとうございました!


 



 

 
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