君の悲劇を終わらせる〜廻る世界で再び出会う〜

夜野ヒカリ

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5章 反撃の序章

43 アルとの話

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「───驚かせてしまったみたいだな」

「本当、勘弁してよ………!」

「悪かったって。……イリス嬢も申し訳ない」

「い、いえ」

 イル、アルは王太子殿下だけど遠慮しなくていいと思う………。

「それで、アルはどうしたの?」

「あぁ、今後のことをラストルとレイ伯爵と3人で話し合いたいと思ってな」

「じゃあ、これから父様の執務室に?」

「いや、さっき執務室を訪ねたら、ラストルとイリス嬢にどうしたいか確認してほしいと言われた」

「そうなの? ちょうど、イルと話してたんだ! ね?」

「えぇ」 

「それで、出来れば1年以内に全部を解決したいなって………。 アルには負担になっちゃうと思うけど、、」

「私に対しての心配については大丈夫だ! 〈聖〉属性魔術は魔力の消費がかなり少ないみたいでな」

「ありがとう」
「ありがとうございます」

 それにしても、不思議だよね?
 他者が使った魔術の解術に治癒、、、たくさんの魔力を使いそうなのに、アルの周りの魔力はほとんど減らない………。

「貴族については城での夜会で、学園の者については学園内での集まりの時に解術すればいいだろう?」

「うん!」

「どちらも1度の魔術行使でその場にいる全員を解術出来ると思う」

「───えっ、 1度で!?」

「……… 問題あるか?」

 いや、問題っていうか………ある意味問題だけど、そんなに広範囲での魔術行使なんて可能なのか?
 前世ではどの属性でも、魔術が使用可能なのは半径10メートル程度だったのに………。

「………アルバート殿下、そのような広範囲での魔術の行使は可能なのですか?」

「出来ると思う。というか、出来た!」

「「……………」」

 イルと僕は絶句だよ。
 二人揃って呆然としちゃった……。

「で、出来たって?」

「あぁ、どのくらいの範囲で魔術の行使が可能か試していたら、半径100メートルくらいで使えたんだ!」

「そ、そう………」

 僕はこの世界での魔術の異常性を父様とグレンでも知ってたから、まだ耐性があったけど………イルは僕の話の中でしか知らなかったから相当驚いてるね。

「………無理に答えなくてもいいが、二人はどうして存在が認識されていなかった魔術に詳しいんだ? イリス嬢も魔術を使えるんだろう? それも、〈空間〉属性の魔術を………」

 僕とイルは顔を見合わせる。
 僕は元々、アルにも、母様やオパールにも前世について話すつもりはなかった。
 ………イルも、話す気はない、かな?

「───ごめんね、言えないんだ……」

「申し訳ありません」

「いや、何か深い事情があるだろうことは分かっている。………踏み込んでしまって悪かった」

 眉を下げているアルを見ると、申し訳ない気分になるけど、、本当に必要に迫られたら話すことになると思う。

「それで、レイラ嬢の魔術の解術だが、早ければ半年以内に終えられるはずだ」

「そんなに早く!?」

「あぁ、学園については休暇明けの始業式でまとめて解術出来るし、貴族の者たちも3ヶ月後には建国記念のパーティーが国王主催で開かれるからな」

 そっか、国王主催の夜会やパーティーの出席は貴族の義務だから、シャイン王国中の貴族が集まるのか………!

「………半年というのは、レイラ様に対する処遇の決定までですか?」

「あぁ、それもあるが、民の中にもレイラ嬢の魔術にかかっている者がいてな、、父上が集めた情報を元に、その者たちがいる地域での解術に回る」

「負担をかけちゃってごめんね」

「大丈夫だ。元々、視察の予定もあったから、それも兼ねているんだ」

 さすが未来の国王………。
 学生の頃から政治に携わっているのか………。

「そういえば、少し前にレイラ嬢が来ていたようだが………大丈夫だったか?」

「僕は大丈夫だよ」

「私も大丈夫です」

「ならよかった」

 アルも優しいよね?
 友人であっても、一臣下に過ぎない僕たちをこんなに気に掛けてくれるなんてさ。

「───殿下とラスは仲がよろしいのですね」

「あぁ、学園で仲良くなってな、、ラストルは女子生徒から人気だからよく助けているんだ!」

「まぁ、女子生徒に……!? ……………ラス?」

 イルから急に冷気が………!
 あれ? このこと、話したことなかったっけ??
 ってゆうかアル! なんでそんな事言うんだ………!

「イル! 勝手に集まってきちゃうんだ! それに、勉強を教える程度だよ!?」

「………そうなのですか?」

「はははっ! もちろんだ。ラストルは心に決めた女性ひとがいるのか、どんなに美しい化粧をした女性にも何も思わないようでな!」

「ア、アル!」

 なんで余計なことまで言っちゃうの!?
 ……………イルも僕も顔が赤くなっちゃって、いたたまれない感じになっちゃった。

「そもそも、ラストルはクラスメイトたちの名前を全然覚えていないだろう?」

 ───確かに、名前を覚えているのって、アルとトーマスとカミラ様とサリー嬢と………あれ? それだけか?
 クラスには40人くらいの人がいるのに、少な過ぎないか!?

「ほらな?」

「ふふっ」

 …………もう少し、クラスの人たちと仲良くなろう。









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