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6章 全ての始まりと終わり
59 愚女
しおりを挟む(サリー視点)
もう、何で思い通りにいかないのよ。
ラストル様もせっかく私が仲良くしてあげようとしてるのに、あんな地味で年下の子に構ってるなんて!
「そもそも、何でラストル様を刺したんですか!? ラストル様が死んじゃったら私が手伝ってる意味がなくなっちゃうじゃないですか! 」
「ラストルを刺そうとしたのではありませんわ!」
「言い訳じゃないですか! ともかく、私に感謝してくださいね」
「………わかってますわ」
まったく、ラストル様が大切にしている婚約者さんの姉で、その妹を不幸にしたいっていうからもっと使えると思ったのに……。
あぁ、ラストル様は無事かしら?
なんであんな子を庇ったんだろう、、
私の目的はただ一つ!
ラストル様のお嫁さんになること!
初めてラストル様を見た時はこの世にこんなカッコいい人がいるのかって感動したわ。 ラストル様みたいにカッコいい人は私みたいな可愛い女の子と結婚するべきなのよ! あんな地味な子じゃなくて!!
ご家族の方もみんなすごかったな~。
………お母さんは感じ悪かったけど、、私に対してあんな言い方するなんて。もしかして嫁いびり? ああいう姑ってヤだわ!
「それより、私がレイラさんを助けた理由わかってますよね?」
「もちろんですわ。今度こそあの子を消してやりますわ!」
「お願いしますよ?」
私がレイラさんを牢から出してあげた理由は、邪魔者を消してもらうため。
自分でやってもいいけど、あんな子でもラストル様は大切にしているみたいだし、私が嫌われちゃうかもしれないでしょ?
それよりも、、
「グスン、ラストル様が死んじゃってたらどうしてくれるんですか!?」
「ラストルがあの程度で死ぬわけありませんわ。とってもしぶといんですもの」
「本当ですね?」
「あたりまえですわ!」
「………それで、どこに向かってるんですか?」
「外に出るのですから、城壁に決まってますわ!」
レイラさんを牢屋から助けてあげたあと、バレないようにお城から出られた。
兵隊さんはみんな私のに騙されちやった。
少し面白かったわ!
牢屋に見張りで残っていた兵士達も私の方を見てボーっとしちゃって。私に見惚れちゃったのね!
それと、今もだけど、お城の中でも不思議なくらい人に会わなかったの。 不思議だわ。きっと、私が可愛いから神様が味方してくれてるんだわ!
「そろそろ出口ですけど、わたくしも限界ですわ。見つかりやすくなってしまうから外に出たら今まで以上に注意なさい」
「限界って何がですか? ただ歩いてるだけなのに疲れたんですか?」
だとしたら弱すぎるわ。
それに、まるで自分の力で兵隊さんの目を誤魔化してるみたいな言い方して………。 ホント、私に感謝した方がいいわ!
でも、結構疲れて来たわね………。
私が来る時に乗ってきたお父様の馬車には先に帰ってもらっちゃったし、、『レイ伯爵家が送ってくれる』って言った怪しまずに先に帰ってくれたわ!
ふぅ、やっと城壁の側まで来られたのね。
もう、レイラさんったら! 可愛い私がいるから大丈夫なのに変に気を遣っちゃって!
「………魔力が尽きましたわね」
「何ですか? ぼそぼそ喋らないでください!」
「静かにした方がいいですわ」
「大丈夫ですよ!」
「………どうなっても知りませんわ」
それで、どうやって城壁を越えるのかしら?
城門には兵士がいるし………。
「わたくしの手を取りなさい」
「えっ?なんでですか?」
「そうしないと出られませんわよ?」
もう、しょうがないわね。
「えっ? えぇ!?」
「静かにと言っていますわ!」
だって、仕方ないじゃない。
レイラさんの手を取ったら、レイラさんがそのまま城壁にぶつかっていくんだもん。
当然私もぶつかるって思ったら城壁を通り抜けちゃって……。
「どういうことですか!?」
「知りませんわ」
「えぇ~~! 教えてくださいよ!」
「 ──── さて、僕と一緒に来てもらえる?」
「もう、誰ですか? 今、忙しいんですけど!………って、ラストル様!?」
城壁の前にいる私とレイラさんの背後に近寄って来たのはまさかのラストル様!
無事でよかったわ!
「ラストル様~、ご無事でよかったです~!」
「………心配してくれてありがとう? それで、来てもらえる?」
「もっちろんです! レイラさんも行きますよ!」
さっき刺されたばかりなのに、もう私の元へ来てくれるなんて! きっと、私の方があの地味な婚約者さんよりもいいって気が付いてくれたのね!
「レイラ……もいいよね?」
「………こうなっては仕方ありませんわ。今回ほわたくしの負けですわね。でも、次は!」
「申し訳ないけど、次はないよ?」
「なっっ」
「ムゥ~ 二人で何を話してるんですか!?」
もう、よく分からないことを二人だけで話しちゃって! ラストル様も新しい婚約者になる私に対して酷いわ。
「………そうだね、それじゃあ行こうか」
「は~い!」
―――――――――――――
「 ───ちょっと、何するんですか!?」
お城に戻ったら、たくさんの兵士さんに囲まれて私だけ拘束されてしまった。
「虚偽の報告に罪人逃走の手引き、、立派な罪だと思うけど?」
「ラストル様ったら酷いです! 罪って言うのなら、レイラさんはどうなんですか!?」
「この人には直接確認しなければならないことがあってね、、皆さん、ミスト男爵令嬢をお願いします!」
「はっ、陛下より命を受けております!」
何でこうなるのよ~
あぁでも、お城の兵士さんを従わせるなんてカッコいいわ。 伯爵家の次男なのにここまで優遇されているなんて! 王様とも仲が良いみたいだし!
確かに、少しいけないことをしちゃったのかな?
きっと、周りの目を欺くためには仕方ないのね………。
えぇ、分かりました、ラストル様! 貴方が迎えに来るのを信じて待ってますね!
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