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2章 街で幸せに

11 二度目の街と……

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2章開始です!
 感想、誤字報告等よろしくお願いします_(..)_


~~~~~~~


 ウィリアム様と一緒に働き始めて2週間が経ちました。
 ウィリアム様はとしてすっかり街に馴染み、街の人と仲良くなりました。
 今も最近よく来店されるようになった女性のお客さんと話をされています。

 ─── ウィリアム様は私を『慕っている』と言ってくれましたが、その返事はまだ出来ていません、、

 ……ウィリアム様は整ったお顔立ちだからか、女性たちに凄い人気なのです、、
 よく分かりませんが、あまり良い気分ではないです……。
 
 今も──

「リーナ、そのような顔をしてどうした?」

 そう、ウィリアム様はたった2週間ですっかり馴染んでしまったんのです。威厳は消せていないのですが。
 それでも私に対して砕けた態度で接してくださることが多くなったように感じます。
 ……『そのような顔』とは?

「いえ、何でもありません」

「はは、本当か?」

「し、仕事してください!」

 さっきまで、女の子達と楽しそうに話してたのに……!
 最近、ウィリアム様が私以外の女性と話しているのを見るとモヤモヤします、、ウィリアム様も仕事をされているだけですのに……。
 私はどうしたのでしょうか……?


* * *


「さ、今日はこれで終わりだね!」

「はい、お疲れ様でした」

 なんやかんやありましたが、今日のお仕事も終了しました。

「リーナもお疲れ、、この後だが、私と一緒に街に出掛けないか?2人で」

 ウィリアム様と街に?
 そういえば、街には一回しか出掛けたことがありませんでしたが……。
 もちろん、また行きたいとは思っています。前回は常連客の皆様にお声がけいただいたのに、見回るだけになってしまいましたし。

「いいじゃないか。リーナ、アンタもたまには息抜きしておいで」

 マチルダさんに言われてしまっては断れませんよね?

「はい、ご一緒させてください」

「リーナ、一緒に楽しもう!」

「そう、ですね」

 ……ウィリアム様、性格まで変わりましたかね?


* * *


 久しぶりに街に来ましたが、前回と同じように賑わっています。

「リーナ、あの店に寄ってみないか?」

「!行きたいです」

 ウィリアム様の視線の先にあったのは、アクセサリーを売っているお店でした。
 カトル公爵家を出てから、アクセサリーの類いを付けていませんでしたが、私も女ですので興味はあります。

「あら、リーナさんにウィルさんお揃いで!……デートですか?」

「あぁ……そんなところかな」

「ウ、ウィル、、何を言っているのですか!?」

 ウィリアム様から、人前では“”と呼ぶように言われていますが、未だに慣れません……。もしかして私、順応力が低いのでしょうか?

 声を掛けてくださった方のいるお店の従業員は、ほとんどの方がマチルダさんの食堂に来たことのある方なのですが、、
 デ、デートだなんて……!
 それに、ウィリアム様は何で否定しないんですか!?
 いくら私に、、こ、告白をしていても……! 

「リーナ、、違うのか?」

「うぅ……」

 私も嫌いではないのですが、ウィリアム様に対する感情が〝恋〟なのか〝尊敬〟なのか〝友情〟なのか……自分でもよく分からないんです……。

「えっ……まだ付き合っていなかったんですか?」

「残念ながら彼女から返事が貰えなくてね」

「えぇ!? リーナさん、他の女の人に取られちゃいますよ?」

「そうは言いましても……」

 よく分からないんですもの、、

「……まぁ、気長に待つさ」

 申し訳ないです、、ウィリアム様はこんな私に真っ直ぐな好意を寄せてくれていますのに……。

「あっ! リーナ、これはどうだ?」

 ウィリアム様が指を差していたのはクローバーの髪飾りでした。白い花と緑の葉のバランスがよくて可愛らしいです。あっ、葉の中には四つ葉の形をしたものもあるみたいです!

「まぁ、可愛いですね!」

「おっ、リーナさんに似合いそうですね! 買われますか?」

 う~ん、どうしましょう……?

「もちろん買おう」

「えっ、ウィル!?」

「君にプレゼントさせてくれないか?」

「……ありがとうございます」

 ウィリアム様は買った髪飾りをさっそく付けてくださいました。
 嬉しいですが、恥ずかしいです、、ウィリアム様の笑顔が眩しいですね……。
 私の顔が赤くなっていないといいのですが。
 確か、クローバーの花言葉は……っっ! う、ウィリアム様は花言葉などご存知ないでしょうし!

「あぁ、よく似合ってる」

「そ、そんな……」


「──またのお越しをお待ちしてます!」

「あぁ、ありがとう」

「ありがとうございました」

「(早く付き合っちゃえばいいのに……)」

 ?……今、何か言われた気がしたのですが、、


* * *

 
 アクセサリーの買ったあともウィリアム様と様々なお店に行きました。一緒に本を見たり、カフェで休憩したり、、とても楽しかったですが、もう日が傾いています。そろそろ帰らなければなりませんね。

「……ウィルが行きたい所はないのですか?」

 今日行ったのはアクセサリーのお店、可愛いカフェに雑貨屋さん、本屋さん、、私が好むような場所にばかりです。

「ん? ……私が行きたい場所は君が喜んでくれる場所だからな」

 なっっっ!
 私が俯いてしまったのも、仕方がないと思います………!

「リーナ、どうした?」

「な、何でもないですっ!」

 絶対に分かって言ってますよね!?
 私の顔真っ赤になっていると思いますっ………!

「ウィルは────」


「よぉ、お嬢ちゃん久しぶりぃ~」

「おぅ、会いたかったぜぇ、嬢ちゃん」

「前は邪魔されたが、今はそのヒョロっとした男しかいないもんなぁ?」

 !!……前回、街に来た時に絡んできた怪しい方々ですね、、私はもう会いたくありませんでした……。
 今回はウィリアム様もいますが、皇子だった方に戦闘なんて無理でしょうし……。

「……この者たちは知り合いか?」

「いえ、、以前街に来た時にも声を掛けてきた方々です」

「リーナに?、、そうか……お引き取り願えるか?」

「あぁん? 誰だ、お前ぇ」

「男に用はねぇんだ! そのお綺麗な顔を潰されたくなかったら消えた方がいいぜぇ?」
 
「バイバ~イ」

 私は勉強は得意でしたが、武術は嗜む程度しか出来ませんし、、
 
 ───周りに人は……?
 
 必死になって辺りを見回していると、ウィリアム様が私を背中に庇ってくれました。

「大丈夫だ。リーナは私が守るから」

 そんな、、無理はして欲しくありません……。
 ウィリアム様が怪我をするのは嫌です……!

「あの、ウィル……無理しないでくださいっ!」

「大丈夫だ、、私を誰だと思っている?」

 ………元第二皇子、ウィリアム殿下ですよね?
 剣術や他の武術がどの程度なのかは知りませんが、学園に通っていた頃は私と同じように勉強ばかりしていたはずです。

「……あの、武術はどれ程?」

「まぁ、安心して見ていてくれ」

 ウィリアム様は3人の動向に注意を払いながら近づいて行きますが……大丈夫でしょうか?

「はっ! 俺らに歯向かうってのか!?」

「彼女の前で恥かくぜ?」

「逃げりゃあいいのにねぇ」

 あぁっっ!
 3人も拳を鳴らしながらウィリアム様に近づいていきますっ………!
 さっきまであんなに人がいたのに、何で周りに人がいないんですか!?




~~~~~~~~

 読んでくださりありがとうございます!

 白いクローバーの花言葉は“幸運”や“私を思って”、
四つ葉のクローバーは“私のものになって”などがあります。
 まぁ、たくさんありますので“約束”や“復讐”なんて意味もありますが……。ウィリアム君が花言葉を知っていたかどうかは後程。





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