美しく優秀な次女がいるのなら、私は必要ありませんよね? 〜家を捨てた私は本当の姿に戻り、追いかけてきた皇子と街で暮らす〜

夜野ヒカリ

文字の大きさ
13 / 57
2章 街で幸せに

13 彼女との街歩き(ウィリアム視点)

しおりを挟む

 前2話の別視点なので、今日は2つ投稿します!


~~~~~~~~~


(ウィリアム視点)


 今日は仕事の後でリーナ嬢を誘って街に行くことにした。
 マチルダ殿の食堂で手伝いを初めて2週間が経ち、大分街に馴染めたと思う。リーナ嬢との距離も少しずつ縮まっているように感じるしな。それに───


「リーナ、しかめっ面をしてどうした?」

 最近のリーナ嬢は私が女性客と話していると、私の方を見ている。

「……………いえ、何でもありません」

「本当か?」

「し、仕事してください!」

 少しずつ意識してもらえているようだ。


* * *


「さ、今日はこれで終わりだね!」

「はい、お疲れ様でした」

 今日の営業も終わりか、、マチルダ殿の食堂はかなりの人気のようで、席は毎日うまっている。私も毎食マチルダ殿の料理を食べているが、食す者を考えた味付けで美味しい。まぁ、リーナ嬢に興味のある男客も多いようだが………。

「リーナもお疲れ様、、この後だけど、私と一緒に街に出掛けないか?2人で」

 朝から考えていたことをリーナ嬢に提案する。マチルダ殿の話ではリーナ嬢はまだ一回しか街に出掛けていないというし、私もある程度馴染むまではと外出を控えていたからな。

「いいじゃないか。リーナ、アンタもたまには息抜きしておいで」

 マチルダ殿から援護射撃もあり、リーナ嬢から了承してもらえた。
 食堂に訪れる者の多くは私とリーナ嬢の仲を応援してくれているらしい。

「リーナ、一緒に楽しもう!」

「そうですね」

 ……さて、どこに行こうか。


* * *


 しばらく歩いていると、アクセサリーを売っている店があった。
 リーナ嬢は学園に通っていた頃からアクセサリーの類を付けていなかったが、、

「リーナ、あの店に寄ってみないか?」

「!行きたいです」

 やはり、興味はあったようだな。

「あら、リーナさんにウィルさんお揃いで!………デートですか?」

「う~ん………そんなところかな?」

「ウィ、ウィル、、何を言っているんですか?」

 マチルダ殿の食堂によく訪れている女性達の店だったようだ。
 それにしてもデートとは、、そのように見えていたのなら、私としては嬉しい限りだ。

「リーナ、、ダメか?」

「うぅ………」

 ………可愛いな。

「………まだ付き合っていなかったんですか?」

「残念ながら、彼女から返事が貰えなくてね」

「えぇ!? リーナさん、他の女の人に取られちゃいますよ?」

「だって…………」

「………まぁ、気長に待つさ」

 もとより時間は掛ると思っていたしな。

「あっ! リーナ、これはどうだ?」

 リーナ嬢の髪色に合いそうなクローバーの髪飾りがあった。クローバーの花言葉は“幸運”、“私を思って”、“私のものになって”、それと、“約束”に“復讐”だったか?
 リーナ嬢に出会えたのはまさに幸運で、私の想いを具現している……。リーナ嬢を苦しめたカトル公爵へ灸を据えねばと思っていたし、ピッタリではないだろうか? 私の想いの全てが盛り込めている。
 リーナ嬢に花を贈りたくて色々調べたからな。当時は贈ることが出来なかったが………。
 

「まぁ、可愛いですね!」

「おっ、リーナさんに似合いそうですね! 買われますか?」

「もちろん買おう」

「えっ、ウィル!?」

「君にプレゼントさせてくれないか?」

「………ありがとうございます」

 すぐにリーナ嬢に付けてみる。

「あぁ、よく似合ってるよ」

「そ、そんな……」

 本当に美しい……。


「───またのお越しをお待ちしてます!」

「あぁ、ありがとう」

「ありがとうございました」

「(早く付き合っちゃえばいいのに…………)」

 ふっ、彼女達も味方のようだな。
 リーナ嬢には聞こえていないようだが、、


* * *

 
 そのあとも色々な店を見て回ったが、瞳を輝かせるリーナ嬢はとても可愛らしかった。


「………ウィルが行きたい所はないのですか?」

「ん? ………私が行きたい場所は君が喜んでくれる場所だからな」

 恥ずかしかったのか俯いてしまった。

「リーナ、どうした?」

「な、何でもないですっ!」

白金に輝く髪の隙間から覗く耳が赤い。


「ウィルは────」


「よぉ、お嬢ちゃん久しぶりぃ~」

「おぅ、会いたかったぜぇ、嬢ちゃん!」

「前は邪魔されたが、今はそのヒョロっとした男しかいないもんなぁ?」

 リーナ嬢が何か言おうとした所に知らぬ声が掛った。
 随分と柄の悪そうな男達だが、、

「……この者たちは知り合いか?」

「いえ、、以前街に来た時にも声を掛けてきた方々です」
  
 ほぅ……それはそれは。

「リーナに?、、そうか……お引き取り願えるか?」

「あぁん? 誰だ、お前」

「男に用はねぇんだ! そのお綺麗な顔を潰されたくなかったら消えた方がいいぜ!」
 
「バイバ~イ」
 
 周囲に人影は見えないが、物陰に街のもの達がいるようだ。危ない状況になったら助けてくれるのだろう。
 それにしてもこの者達は話す順番が決まっているのか?先程から……いや、今はどうでもいいことだな。

 不安そうなリーナ嬢を背中に庇う。

「大丈夫だ。リーナは私が守る」


「あの、ウィル……無理しないでくださいっ!」

「大丈夫だ、、私を誰だと思っている?」

「……あの、武術はどれ程?」

 あぁ、そういうことか。
 確かにリーナ嬢の中の私は武術をするイメージがないだろう。体格も逞しいとは言いがたいしな。

「まぁ、安心して見ていてくれ」



「はっ! 俺らに歯向かうってのか!?」

「彼女の前で恥かくぜ?」

「逃げりゃあいいのにねぇ」

 間合いを測りながら近づいていく。




しおりを挟む
感想 132

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

いや、無理。 (完結)

詩海猫(8/29書籍発売)
恋愛
細かいことは気にせずお読みください。 もはや定番となった卒業パーティー、急に冷たくなって公の場にエスコートすらしなくなった婚約者に身に覚えのない言い掛かりをつけられ、婚約破棄を突きつけられるーーからの新しい婚約者の紹介へ移るという、公式行事の私物化も甚だしい一連の行動に、私は冷めた瞳をむけていたーー目の前の男は言い訳が終わると、 「わかってくれるだろう?ミーナ」 と手を差し伸べた。 だから私はこう答えた。 「いや、無理」 と。

冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

シリアス
恋愛
冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

夫と愛し合った翌朝、一方的に離縁されました【完結保証】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
美しい公爵夫人マルグリートは、冷徹な夫ディートリヒと共に、王国の裏で密かに任務をこなす“悪女”。 だがある日、突然夫から離婚を言い渡される。しかもその裏には、平民の愛人の存在が──。 失意の中、王命で新たな婚約者・エルンストと結ばれることに。 どうやら今回の離婚再婚は、王家の陰謀があるよう。 「悪女に、遠慮はいらない」 そう決意した彼女は、華やかな舞踏会で王に真っ向から言い放つ。 「わたくし、人の家庭を壊しておきながら悪びれない方に、下げる頭は持っていませんの。  王族であられる前に、人におなりくださいませ。……失礼」 愛も、誇りも奪われたなら── 今度はこの手で、すべてを取り戻すだけ。 裏切りに燃える、痛快リベンジ・ロマンス! ⚠️本作は AI の生成した文章を一部に使っています。タイトル変えました。コメディーです。主人公は悪女です。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

処理中です...