美しく優秀な次女がいるのなら、私は必要ありませんよね? 〜家を捨てた私は本当の姿に戻り、追いかけてきた皇子と街で暮らす〜

夜野ヒカリ

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続編

みんなが大好き(エリオット視点)

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 以前投稿した『“家族”』という話のエリオット視点になります!
 ※『“家族”』投稿時にはエリオットとソフィアの口調やキャラ設定が定まっていたなかったため、台詞含め微妙に変わっていますが、ご了承ください_(..)_

~~~~~~~~


 僕とソフィーはこの間5歳になった。

 今日はお母様のお母さん……僕達のお祖母様の食堂に連れてってくれるらしいんだけど、とっても楽しみ!
 お祖母様とお母様は血の繋がりはないけど、血よりも濃い絆で結ばれているんだって。
 お母様が家出?していた時期にすごく助けてくれたらしい。

 僕のお家は公爵家で、国の色々なところで大きな影響力をもっているから、悪い人達に狙われやすいんだって。特に僕やソフィーみたいな子供は弱くて狙われやすいから、今までは安全なお家の中で生活してたらしい。

 だけど今度、シリウス兄様やもう少しで生まれてくる赤ちゃんに会いにお城に行くことになって、お出かけの練習をした方がいいよねってなったんだ。
 
 後少しで出発。外はどんなところだろう?
 僕の隣でお父様の膝の上に座っているソフィーはとってもワクワクしてるみたい。ちなみに僕はお母様の膝の上に座ってる。お母様の膝の上はちょっと恥ずかしいけど、安心感があるんだ。

 ……僕とソフィーは初めてお家の外に出るから、楽しみだけど少し緊張する。お祖母様に会うのももちろん初めてだし。
 
「お母様、今日はマチルダお祖母様に会いに行くのですよね?」

「えぇ、そうよ。お母様をとっても可愛がってくれたから、ソフィーのことも可愛がってくれるわ。もちろんエルのこともよ」

「僕もですか? ……僕は男の子なので……」

「ふふっ、恥ずかしがらなくていいのよ?」

 ソフィーが可愛がられるのはわかる。だって、こんなにも可愛いんだから。でも、僕は男の子だしソフィーみたいに愛嬌があるわけでもないと思う。
 お祖母様だって、僕には会いたくないと思っているかもしれない。

「義母さんもずっと二人に会いたがっていたから喜ぶはずだ」

「「本当ですか?」」

「あぁ」

「えぇ、お父様の言う通りよ」

 お父様とお母様の反応を見て少し安心した。会いたいって思ってくれていると言うことは、僕のことを悪くは思っていないってことだよね?




* * *




「はじめまして、エリオットです!」
「ソフィアです!」

「初めまして、エリオット、ソフィア」

「「よろしくお願いします!」」

「おやおや、挨拶が出来て偉いねぇ」

「可愛いぃぃい」
「小さいのに立派だなぁ」
「頭がよさそうだな」

 お祖母様は優しそうな顔をした女の人だった。僕達を明るく迎えてくれた。
 食堂には他にも何人かの人がいて、みんな僕達の方を見ている。……お母様の様子を見るに、知っている人達らしい。前に聞いた、面白い常連さん達かな?

「ずっと二人を連れてこられなくてすみませんでした。エルとソフィーもお母さんに会いたいと言っていたので、連れてこられて良かったです」

「いいんだよ、会いたいとは思っていたけど、立場もあるからね。それにしても、聞いていた以上に可愛い子達じゃないかい! ウィルがデレデレになってる理由が分かったよ!」

「デレデレ……ですか? ウィルが?」

 お父様がお母様から目を逸らした。……珍しいな?

「あれ? もしかして、リーナ達の前じゃ普通のお父さんだったかい?」

「は、はい、エルとソフィーを甘やかしてはいますが、格好良いお父様として慕われていますし、私としても頼りになるお父様です」

「はい、お父様はとても格好良くて、頼りになる人です」

「ソフィーもエルも、お父さまのことが大好きなんです!」

「ハハハッ、おいウィル! リーナちゃんの前ではやっぱりカッコつけたいのか?」

「ふふっ、やっぱりウィルさんはウィルさんですね」

「……当たり前だろう、、何か問題が?」

 お父様の顔が少し赤い気がする。ははっ、お父様には僕達に見せていない顔があるんだ? いつか見てみたい。

 その後しばらくお祖母様とおしゃべりをした。
 お祖母様は話を聞くのが上手で、少し前に木剣をもらったことや練習のことを話したらすごいって言ってくれた。


「───お母さん、早速ですが公園に行きませんか?」

「そうだね。ウィルからも二人に街を見せたいって聞いてたから、アタシもそう提案しようと思ってたんだ! リーナが公共事業でこの近くに公園を造ってくれただろ? 皆、助かってるんだよ!」

「本当ですか? それなら、よかったです」

「あぁ、この街は子供が多いからね……皆、遊ばせる場所がほしいって思ってたんだよ。大人も運動するのに使えるしね!」

「リーナ、よかったな」

 すごいなぁ。お父様もお母様もこうしてたくさんの人の生活を支えているんだ。……僕もいつか、お父様とお母様みたいな大人になれるかな?

「リーナちゃ~ん、俺らも行っていいか?」

「もちろんです!」

   


* * * 




「お母様、あれは何ですか」

「エルはあれに興味があるの? あれはブランコというのよ。他の子とも仲良く遊びなさいね?」

「はい、…お父様、一緒に来てくれますか?」

「もちろんだ。ははっ、あまり急ぎすぎると転ぶぞ」

 ソフィーはお母様とお祖母様と花を摘むみたい。
 ……僕が少し離れていたところにある遊具に向かったのは、初めて見た遊具に興味があったというのはもちろんだけど、お父様に聞きたいことがあったから。
 
「さぁエル、乗ってごらん」

「すみません、その前にさっきの話を詳しく聞きたいです」

「さっき?」

「はい、お父様がデレデレ?という話です」
 
 お父様の笑顔が固まった。

「っあ、あれか? ……何故その話を聞きたいんだ?」

「えっと、お父様は僕達を甘やかしてくれますけど、それでも僕達にはいつも格好良くて完璧な姿を見せているじゃないですか。別のお父様についても知りたいんです」

「そう、か。……お父様はな、お前達が誇れるような父になりたいと思っているんだ。だから情けない姿はあまり見てほしくないのだが……全てをひっくるめて父にならねばならないのだろうな」

「僕達にデレデレになるのは恥ずかしいですか?」

「いいや、まったく恥ずかしくないよ」

 お父様は笑って僕の頭を撫でてくれた。

「簡単な話、私はお前やソフィー、リーナが大好きなんだ」

「僕もお父様が大好きですよ!」

 その後、お父様とお母様が若い頃の話や僕とソフィーが赤ちゃんの頃の話を聞いたり、ブランコに乗ったりしていたら、突然ソフィーの大きな声が聞こえた。


「──お父様~!お母様が泣いてます!」


 その言葉を受けたお父様の行動は速かった。
 僕に一声かけるとともに抱き上げて、お母様達がいるところに駆けつけたんだ。
 僕達が着いた時、お母様は指で涙をぬぐっていた。

「リーナ! 大丈夫か? 何があった?……もしかして体調が──」

「ウィル、何でもないわ。ただ……嬉しかったの」

「嬉しい?   !……あぁ、そうだな」

 お父様にはお母様がなんで泣いてしまったのかわかったようだ。お祖母様にも。

「リーナ、アンタが幸せになってくれて本当によかったよ」

 ……僕やソフィーにはよくわからないから少し心配。
 でも、お父様とお母様の様子を見ていたらなんだかフワフワした気分になってきた。
 ふふっ、お父様の慌てっぷりから、お父様がどれくらいお母様のことが大好きなのかもわかったよ。

「お母さまが嬉しいなら、ソフィーも嬉しいよ?」

「僕もです」

「もちろん、私もだ」

「……皆、、本当にありがとう」

 ソフィーやお母様、お父様、お祖母様……周りにいる人達が幸せだと、僕まで幸せな気持ちになれる。 
 
 僕は本当にみんなが大好きなんだ!











 





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