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続編

お城へ(ソフィア視点)

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「「シリウス兄様ー!」」

「エリオット、ソフィア、久しぶりだね! 会いたかったよ」

「僕もです」
「私もです」

「叔父上と叔母上もお久しぶりです」

「あぁ、また大きくなったな」

「お久しぶりです」

 数ヵ月前の約束通り、今日は皇城にやってきたの。
 お家から3日くらいかけて来たけど、来る途中も面白かったわ!
 木々が生い茂る森に、たくさんの人が動いている畑、小さな町や村。一つ、大きな川もあったの。……その川を渡るのは少し怖かったわ。お父様達が丈夫な橋だと言ってくださったけど、落ちてしまったら水の中なのよ?

 そして皇都はとっても賑やかなの!
 私達が住んでいるカトル領も栄えているのだけど、通りには馬車の両端いっぱいの人がいて、露店では色々なものが売られていたの!
 見たことのない模様の布やそれで作られたお洋服。お洋服の形にも始めて見るものがたくさんあったわ。 
 お野菜や食べ物にも色々なものがあって、すごい色をしたフルーツなんかもあったの。なんと、レモンの形をしているのに青色だったのよ?

 シリウス兄様はしばらく会わなかった間にまた大きくなったみたい。

「シリウス兄様、また背が伸びていますね」

「成長期だからね。エリオットとソフィアも前に会った時より大きくなっているね」

「本当ですか!?」

「あぁ、驚いたよ」

 ふふっ、私も成長しているのね。
 私とエルだと、私の方が少し背が低いの。お母様は『女の子の方が背が高くなる時期があるのよ』って言っていたけど、エルの身長に追いつけそうで追いつけない。本当にちょっとなのに。

「ソフィーはそのままでも可愛いのに……」

「エルったら、またそんなこと言って。私はエルに負けてるのが悔しいの!」

 ……でも、私だってちゃんと大きくなっているのね。シリウス兄様の言葉を聞いて安心したわ。

「──シリウス、義姉上は部屋に?」

「はい、お部屋で待っていると言っていました。父上も仕事を終えてからいらっしゃると」

「兄上も? ……忙しいだろうに」

「父上は家族が大好きですからね……。もちろん、政務の方はきちんと終わらせてから来られるそうです」

「そうか、さすが兄上だ」

「エリオットとソフィアも赤ちゃんに会ってみるだろう?」

 赤ちゃん……!
 
「私達も会っていいんですか!?」

「あぁ、もちろんだよ」

「男の子ですか? それとも女の子ですか?」

「それは会ってみてのお楽しみ。二人は皇城に来るのも初めてでしょう? 母上の部屋に行く間に色々教えてあげる」

「「ありがとうございます!」」



* * *



「いらっしゃい、わざわざ来てくれてありがとう」

「いえ、お久しぶりです。義姉上がお元気そうで安心いたしました」

「ふふっ、とっても元気よ」

 伯母様のお部屋はお城の奥の方にあったわ。今日は誰にも会わずにお城の中を移動できたけれど、普段はたくさんの人がはたらいているらしい。
 私達が入った伯母様のお部屋はお仕事用の机や、背の低い机とそれを囲むようにソファーが置かれた部屋だった。

 そして、空いているスペースには赤ちゃん用のベッドがあったわ。あそこに赤ちゃんがいるのね?

「リーナは私に敬語で話したりしないわよね? そんな事されたら寂しくて泣いてしまうわ」

「……先手を打たれてしまったわね。リリア、久しぶり」

「えぇ、とっても会いたかったわ」

「私もよ」

 お母様と伯母様はとても仲が良いの。
 初めてお話ししたのは大人になってからだけど、気があったんだって言っていたわ。……私には女の子のお友達がいないから少しうらやましい。

「エリオット君とソフィアちゃんも来てくれてありがとう。二人とも前に会ったとよりも大きくなっていて驚いたわ」

「ありがとうございます! 伯母様に会えて嬉しいです」

「お招きくださりありがとうございます」

「さっそくだけど、赤ちゃんを見てみる? さっき眠ってしまったところなのだけど、可愛いわよ」

 !……今は寝てるのね。じゃあ起こさないように静かにしなくちゃね。

 「ほら、可愛いでしょう?」

「わぁ……女の子ですか?」

「そうよ~女の子どうし仲良くしてあげてね、ソフィアちゃん」
 
「はい……!」

 小さな寝息をたてながら穏やかに眠っている赤ちゃん。……とっても小さい。私の手もお父様やお母様と比べるととても小さいけれど、そんな私の手よりさらに小さいの。

 ……赤ちゃんを見るのは初めてだけど、可愛いわ。
 
「大きくなったらお姉ちゃんとして色々教えてあげてね」

「はい!」

 そっか、私はこの子のお姉ちゃんになるのね?
 私はエルの妹で、シリウス兄様も私より3歳も年上。……なんだかむずむずするわ。私はしっかりしたお姉ちゃんになれるかしら?

「伯母様、この子の名前はなんというのですか?」

「フィオナっていうの。エリオット君も仲良くしてくれたら嬉しいわ」

「もちろんです」

 フィオナちゃんっていうのね……お姉ちゃんというのがどのような存在かよく分からないけれど、フィオナちゃんと仲良くしたいわ。

「伯母様、私もフィオナちゃんのいいお姉ちゃんになれるように頑張ります!」

「ふふっ、ありがとう」
 

「───すまない遅くなった」

 しばらく伯母様やお母様達とおしゃべりしていたら、ノックが聞こえて伯父様が入ってきた。

「兄上! お久しぶりです」

「お久しぶりですお義兄様。今は政務をなさっているとリリアから聞いたのですが……大丈夫なのですか?」

「もちろんだ。本日の分は全て終わらせてきたぞ」 

「アルバートったらまた無理をして……お義父様は?」

「父上ももう少ししたらいらっしゃると思う」

 もしかしたら伯父様には会えないかもと思っていたから、会えて嬉しいわ。お祖父様には半年くらい前にも会ったけれど、伯父様とは全然会えていなかったの。

「エリオット、ソフィア! 私の事は覚えているかい?」

「もちろんです!」

「はい、お久しぶりです」

「そうか、覚えていてくれて嬉しいよ。……それにしても大きくなったな!」

 「ありがとうございます」

 伯父様は私とエルの頭を撫でてくれた。

「フィオナは眠っているのか」

「はい、でもとっても可愛いですね」

「だろう? 今は閉じているが瞳もとても綺麗なんだ」

 へぇ……見てみたい。フィオナちゃん、早く起きないかしら?








 



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