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第四章 プレゼントですよ先輩!
ガチ恋コス
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千歳は瞬時に間合いを詰め、注射器を麗紗に向け振り下ろす。
「大した事ないわね。凍牙よりはましだけど」
麗紗はそれをあっさりと片手で掴み受け止めた。
「くっ……」
「ふふ、どうしたの千歳? 私はそんなに力入れてないわよ~?」
武器を拘束され焦る千歳に、麗紗はにやりと冷笑を浮かべる。
「……なーんてね。加速!」
「えっ」
しかしそれは千歳の誘導だった。
千歳はナース服のタイツに付いている機巧から噴流を放ち、加速した蹴りを麗紗の脇腹に撃ち込んだ。
不意を突かれた麗紗はその蹴りを避ける事が出来なかった。
「がっ……!?」
麗紗は内臓が押し潰れる感覚を味わされ、思わず注射器を捕えていた手を離し脇腹を抑えた。
その隙に千歳は注射器に手をかざし、青色と黄色の薬液を生成して注射器のピストンを押し込み麗紗に向けて発射した。
薬液が苦しむ麗紗の体に浸透し、麗紗に目のかすみと手足の痺れをもたらす。
「うっ……! 何をしたのよ……!?」
「自分で考えなさい」
千歳はそう聞いてくる麗紗を突き放し、今度はオレンジ色と白色の薬液を放つ。
「また……!? ね、眠い……」
「これ以上薬漬けにされたくなかったらもう諦めなさい」
「……私が諦めるとでも思ったの? 私は琥珀先輩の為なら手足がもげても首が取れても頑張れるのッ!!!」
「そう……」
麗紗は千歳の言葉に激昂し桃色の糸を千歳に放つ。
千歳はその糸を加速して躱し注射器から緑色の薬液を射出した。
緑色の薬液は麗紗に当たると同時に大爆発し、麗紗を壁の外へと吹き飛ばした。
「きゃああああああああああああっ!」
「うっ……! やっぱり消耗が激しい……!」
千歳は脱水症状で少しふらつきつつも服の中に忍ばせていた水筒から水分を捕る。
千歳のナース服こと“緊急治療システム”は水を薬に変える“モルアディクト”の能力を飛躍的に引き出せる分、消費する体内の水分量も多い。
故に水分補給を入れていてもこの形態を維持できるのはわずか三分程度。
「ここで決める……!」
千歳は注射器に手をかざし、虹色の薬液を作り出す。
そして地面の麗紗に標準を定め、ぐっと力を込めてピストンを押し込み虹色の光線を放った。
「ぐっ……!」
あまりに激しい反動で自分が飛ばされそうになる千歳。
「がああああああああああああああああっ!」
その反動に相応しい光線の威力が麗紗を襲う。
麗紗は焼けるような感覚と圧し潰されるような感覚に苛まれた。
「ぐううっ……があっ……!」
光線が止んだ後の麗紗の周囲の地面はクレーターのように抉られていた。
「そ、そんな……嘘、でしょ……」
「駄目押しよ」
「きゃあっ!?」
驚いて目を見開く麗紗に、千歳は白色の薬液で追い打ちを掛ける。
麗紗は追い詰められ、生まれて初めて敵の前で顔を青くした。
千歳の頭脳が、科学力が、麗紗をここまで追い込んだのだ。
無類の知識と、無数の実験があってこそのこの結果である。
しかし、それは上辺だけに過ぎなかった。
「……まさかここまで千歳が強いだなんて驚いたわ」
「研究の成果よ」
「ふふ……科学の力って凄いわね。ここは私も本気を出さないとね……」
「やっぱり隠してたのね……」
ゆらりと立ち上がりながらそう言う麗紗に、千歳は苦い顔をした。
千歳自身も覚悟はしていたのだ。
本気の“恋色紗織”の威力が、千歳の想定を上回る事を。
“緊急治療システム”では対応出来なくなってしまう事を。
もちろん既に手は打っていた。
この最悪の事態を想定して。
「“恋色紗織”――“恋染珀織”」
麗紗はその言葉を呟くと、恋色紗織で自身の身体を球状に覆う。
「な、何よこれ……」
「これが私の本気よ、千歳」
そして、麗紗を覆っていた桃色の糸がふわりと解け――。
桜色の巫女服と紫色のミニスカートで身に包んだ麗紗が現れる。
巫女服の袖とミニスカートの裾には所々桜の花弁の模様が散りばれられており春を感じさせる。
「恋色紗織で服を作ったの……!? 今の一瞬で……!?」
「そうよ。私、こういうの得意だから」
千歳は恋色紗織の精密性に唖然とさせられた。
“恋染珀織”は手編みのセーターのように網目が荒いものではない。
店で売られているような非常にきめ細かい網目の服である。
一体何本の恋色紗織を、一体どれ程の速度で編んでいったのかは計り知る術もない。
「糸は一本じゃすぐに切れてしまうわ。でも、こうやって束ねて編んであげれば――凄く頑丈になるのよ」
「がぁっ……」
麗紗の本気の突きが、千歳の華奢な体を空高くへと誘う。
「大した事ないわね。凍牙よりはましだけど」
麗紗はそれをあっさりと片手で掴み受け止めた。
「くっ……」
「ふふ、どうしたの千歳? 私はそんなに力入れてないわよ~?」
武器を拘束され焦る千歳に、麗紗はにやりと冷笑を浮かべる。
「……なーんてね。加速!」
「えっ」
しかしそれは千歳の誘導だった。
千歳はナース服のタイツに付いている機巧から噴流を放ち、加速した蹴りを麗紗の脇腹に撃ち込んだ。
不意を突かれた麗紗はその蹴りを避ける事が出来なかった。
「がっ……!?」
麗紗は内臓が押し潰れる感覚を味わされ、思わず注射器を捕えていた手を離し脇腹を抑えた。
その隙に千歳は注射器に手をかざし、青色と黄色の薬液を生成して注射器のピストンを押し込み麗紗に向けて発射した。
薬液が苦しむ麗紗の体に浸透し、麗紗に目のかすみと手足の痺れをもたらす。
「うっ……! 何をしたのよ……!?」
「自分で考えなさい」
千歳はそう聞いてくる麗紗を突き放し、今度はオレンジ色と白色の薬液を放つ。
「また……!? ね、眠い……」
「これ以上薬漬けにされたくなかったらもう諦めなさい」
「……私が諦めるとでも思ったの? 私は琥珀先輩の為なら手足がもげても首が取れても頑張れるのッ!!!」
「そう……」
麗紗は千歳の言葉に激昂し桃色の糸を千歳に放つ。
千歳はその糸を加速して躱し注射器から緑色の薬液を射出した。
緑色の薬液は麗紗に当たると同時に大爆発し、麗紗を壁の外へと吹き飛ばした。
「きゃああああああああああああっ!」
「うっ……! やっぱり消耗が激しい……!」
千歳は脱水症状で少しふらつきつつも服の中に忍ばせていた水筒から水分を捕る。
千歳のナース服こと“緊急治療システム”は水を薬に変える“モルアディクト”の能力を飛躍的に引き出せる分、消費する体内の水分量も多い。
故に水分補給を入れていてもこの形態を維持できるのはわずか三分程度。
「ここで決める……!」
千歳は注射器に手をかざし、虹色の薬液を作り出す。
そして地面の麗紗に標準を定め、ぐっと力を込めてピストンを押し込み虹色の光線を放った。
「ぐっ……!」
あまりに激しい反動で自分が飛ばされそうになる千歳。
「がああああああああああああああああっ!」
その反動に相応しい光線の威力が麗紗を襲う。
麗紗は焼けるような感覚と圧し潰されるような感覚に苛まれた。
「ぐううっ……があっ……!」
光線が止んだ後の麗紗の周囲の地面はクレーターのように抉られていた。
「そ、そんな……嘘、でしょ……」
「駄目押しよ」
「きゃあっ!?」
驚いて目を見開く麗紗に、千歳は白色の薬液で追い打ちを掛ける。
麗紗は追い詰められ、生まれて初めて敵の前で顔を青くした。
千歳の頭脳が、科学力が、麗紗をここまで追い込んだのだ。
無類の知識と、無数の実験があってこそのこの結果である。
しかし、それは上辺だけに過ぎなかった。
「……まさかここまで千歳が強いだなんて驚いたわ」
「研究の成果よ」
「ふふ……科学の力って凄いわね。ここは私も本気を出さないとね……」
「やっぱり隠してたのね……」
ゆらりと立ち上がりながらそう言う麗紗に、千歳は苦い顔をした。
千歳自身も覚悟はしていたのだ。
本気の“恋色紗織”の威力が、千歳の想定を上回る事を。
“緊急治療システム”では対応出来なくなってしまう事を。
もちろん既に手は打っていた。
この最悪の事態を想定して。
「“恋色紗織”――“恋染珀織”」
麗紗はその言葉を呟くと、恋色紗織で自身の身体を球状に覆う。
「な、何よこれ……」
「これが私の本気よ、千歳」
そして、麗紗を覆っていた桃色の糸がふわりと解け――。
桜色の巫女服と紫色のミニスカートで身に包んだ麗紗が現れる。
巫女服の袖とミニスカートの裾には所々桜の花弁の模様が散りばれられており春を感じさせる。
「恋色紗織で服を作ったの……!? 今の一瞬で……!?」
「そうよ。私、こういうの得意だから」
千歳は恋色紗織の精密性に唖然とさせられた。
“恋染珀織”は手編みのセーターのように網目が荒いものではない。
店で売られているような非常にきめ細かい網目の服である。
一体何本の恋色紗織を、一体どれ程の速度で編んでいったのかは計り知る術もない。
「糸は一本じゃすぐに切れてしまうわ。でも、こうやって束ねて編んであげれば――凄く頑丈になるのよ」
「がぁっ……」
麗紗の本気の突きが、千歳の華奢な体を空高くへと誘う。
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