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ぶつかる思い Ⅰ
しおりを挟む「――では、はじめようか」
輝く玉座に堂々と足を組むライアンを、動けぬように縛られたイリスは憎々しげに見つめていた。太い縄は女の力では解けず、何重にも手に食い込んでいる。
サイの謁見の間にいるのは限られた人間だった。しかしエドーム国の上部の人間は多い。
そのほかにはディルはもちろんのこと、カモーアの司令官の二、三名が表情を崩して立っていた。
室内の壁には血の痕が目立ち、激しい戦いがあったのだと分かる。悲惨な王都の城はエドームの国旗が掲げられて風に揺れていた。
外には武装したエドームの軍が見張りを続けている。
「カモーアの屑よ、何か言いたげだな?耐えがたい屈辱を迫られた王族の部屋にいるのはアソコが疼くか?」
愉しげにディルの反応を確かめながらくつくつと喉で笑う。
「余計な口を叩かないで下さるかしら?この空間にいるだけでも虫唾が走るわ」
痒くも痛くもないと無反応に近い口調で言い返した。
「噂ではずいぶんかわいい声を上げていたらしいな?憎い男の手によって扱かれた感想をぜひ聞いてみたいな」
イリスは話を聞きながらぐっと目を閉じた。ディルが受けてきた様々な迫害。それは身内によるものだった。複雑な気持ちが浮かんで胸が痛くなる。
「あら、お望みなら貴方の無駄に大きいソレに奉仕しましょうか?」
「それも一興というものだ、どんな快楽が得られるのか試すのも悪くはない、変態で淫乱で下賤な王族の汚点殿。艶めかしい裸体を惜しげもなく晒し、足を開きながらヒクヒクと誘う雌犬のように…」
「――もうやめてっ!」
イリスは耐え切れなくなり、感情的になって叫んでいた。響く声に籠るのは恐怖と不安だった。ディルの恥辱を長々と聞くなど我慢出来ない。
全員の冷たい視線が集中したが、イリスはライアンだけを睨んでいた。
「は、イリスには少々過激だったか?未だに処女を保っているのだからな。しかし黙っていた方がいい」
底冷えするような鋭い目線に脅えそうになったが、臆さず対抗する。
「失礼しました…ですが……こ、れ以上……余計なことは言わないでいいでしょう。お話に入ってください」
それでも怖いものは怖い。冬の氷結した湖面のような空気に、女であるイリスがびくつくのも無理はなかった。
「腹が立つ。自分の立場が危うくなっても卑しい玩具を庇うというのがな」
まぁいいと言葉を落とすと早速今後のことについて話し始めた。
イリスはカチカチカチと歯を震わせながら、金髪を垂らし下を向いていた。
カモーアの国が返上されるのは嘘ではないらしく、領土、税、国の体制、細かい話まで語られていった。
その間、イリスは聞き逃がすことなく耳を傾けていた。後で役に立つ情報があるかもしれない。
口を挟むことはせずにいた。エドームやカモーアの均衡が良好に保たれるように様々な政策が多いのに驚く。
やはり、ライアンは視野が広く為政者の器を持っている。それ故、付け入る隙が少ない事実もある。イリスは歯を食いしばるほど、悔しいと感じた。
「――と、いったところか」
一段落した話に区切りをつけたようで、ライアンは満足気に頬杖をつく。
ディルも真面目に国策を議論していたようだった。着眼点が似ている箇所もあるとイリスは感じた。
どちらも王子として輝かしいものを持っている。自分が女であることが歯がゆい。少なくとも男なら対抗できた出来事が頭に過ぎり、悲しくて頬の筋肉が強まった。
そしてドクン、ドクンと増す心拍数に歯止めが利かない。次に移る話題を聞きたくない。
「イリス、構ってやれずにいてすまないな。つまらない話だっただろう。次はサイの処遇についてだ」
来たとイリスは気持ちを入れ替えて、ライアンに向かい合った。
「これ以上反抗する気はありません。属国になると認めます。しかしどうか、どうかお父さまのお命だけは奪わないでください」
それはどちらに転がるか、際どい線だった。
それでも諦めたくない。簡単に散らせはしない。例え自分がどうなろうとも、今守れる者は全力で守るとイリスは決めていた。
「ああ、ブレイヴ殿の件か。はっ、時間だ。連れて来い」
え、とイリスから小さな声が漏れ、にやりと不敵に笑うライアンに嫌な胸騒ぎを覚える。ディルやカモーアの人間は怪訝な顔をして一部始終を見守っていた。
そうしてドアから連れてこられた無残な姿に、さすがのイリスもうろたえる。前へ駆けだそうと体を揺らした。
「お父さまっ!!」
破れかけたボロ衣を纏い、ふらふらと覚束ない足取りで前を歩く父。
暴力を振られたのか顔は痣が目立ち、焦点はきちんと定まっていない。威厳ある王として君臨した父は、見たこともない弱弱しい呼吸をしていた。
錆びれた鎖に繋がれ、重りを乗せた足の枷に引きずられ、呆気なくその場に崩れ落ちた。
今度ばかりはイリスの悲鳴が響き渡った。気丈に振る舞っていた姿は奥に追いやられる。
「お父さま、お父さま!!」
もう危ない、生の危機が迫っているのだと一瞬で分かった。虫の息に近いのか。
これにはカモーア側も驚いたようで一部声を上げた。ディルも、目を少し開いた。
「よくもっ!何も、ここまで甚振らずとも…!」
イリスは溢れる憎悪をむき出しにしてライアンを渾身の力を込めて睨みつけた。生まれて初めて感じる殺意に全身が蝕まれ、粉々になる理性に体の感覚が失われていく。
「暴れる馬が悪い。悪態を吐き、自由を求め、国を裏切ろうとした報いだな」
「許さない……っ!どうしてこんなにひどいことをっ!」
イリスは剣があったら真っ先にライアンに向けていただろう。そのくらい、殺気立っていた。
その激しい怒りは男でさえ圧倒し、ごくんと息をのむ者もいた。
そしてライアンは意外な行動を取る。ディルに剣を投げて寄こしたのだ。
「この世で一番憎い相手だろう。最後のチャンスだ、その手で止めをさせ」
イリスは言葉を失い、呼吸を止めた。
「……なんですって?」
「イリスの目の前で、この愚弄者の息の根を止めろと言ったのが聞こえなかったのか」
冷酷で、残酷な……言葉だった。
イリスは何も言えずただ父を見ているしか、なかった。
込み上げる吐き気、絶望に揺れる気持ち、そしてディルの存在。
躊躇う必要もないだろう。憎み、恨み、呪い、殺したいと切に願った相手が地面に転がっているのだから。憎しみこそが生きる原動力となり、復讐こそが生きる理由となった。
ディルは冷たい表情をしながらゆっくりした動作で剣を構えていく。
「お父、さま……」
空っぽに近い心に覆いかぶさる負の感情。止められない。どちらにしろ、父はもう長くはなかった。
苦しんでほしくなかった。痛みを感じてほしくなかった。早く楽になって欲しかった。ならばいっそのこと、自分もディルの剣で突いてほしいとイリスは思った。
九年前……ディルに生きてと、私だけに復讐してと、都合のいい願いを押しつけた。
それが今、様々な因果が絡まり、色を成して広がっている。こんな光景など、見たくはなかった。
平和に溢れた、笑顔が満ちた国になってほしいと。人が死ぬような争いなどなく、誰もが助け合って生きていける国になってほしいと。
ただ、そう――そう……願っただけなのに。
ディルの命を奪っていれば、こんな事態にならなかったのだろうか。今頃、楽しく笑い合っていたのだろうか。
そう思うのに、九歳の自分が選んだ道を、後悔することはなかった。
すべては自分の甘さが招いた。ディルを守り切れず、大切なものを苦しめ、今、父が殺されようとしている。
「……あ……あ…」
イリスは虚ろな目をしながら、徐々に視線を下に向ける。力が入らない。絶望によって打ちひしがれる。
それでもライアンはイリスの顔を無理やり上げ、命が消える様を見せ付けた。
風前の灯火。それでも父には痛覚が残っているのか、身震いして耐えている。
「一思いに殺すのもよし。苦しめて殺すのもよし。イリスの目の前であれば、な」
心底、この男が憎いと思った。ここまでの怒りを感じたことはない。
「はっ、酷な事をするわね。実の父の死に様を娘のお姉さまに見せ付けるなど…」
ディルの切っ先の鋭い剣が貫こうと構えているが、なぜか動こうとしない。
少しでも苦しむ時間を長めたいのか、殺すのに躊躇いが生じているのか。どちらにせよ、この場で息の根を止めるのは間違いない。
「見ろ、イリス。目に焼きつけろ。愛しい愛しい家族を殺すのは、お前が必死で守ってきた奴だと。最後には裏切られたな」
「……ディルは…何も、悪くないわ…私が、悪い……」
生きるために憎しみを糧にしろと言った。その目的に沿ってどれだけ侮蔑されても死ななかった。
九年前に戻ったなら、この光景をなくせるのか。いや、何度やり直しても、ディルだけは手にかけなかったはず。
濃く濃く黒い感情に染まる瞳の光を、奪うことなど出来はしなかった。
そうして、彼の負担を少しでも軽くしようと、震える口が動いた。
「……お願い、ディル…お父さまを…殺して」
自分が望んだなら、迷いもなく悪気もなく心残りもなく、その手にかけられる。
本当は優しいことを知っている。何年そばにいたと思っているの。醜い存在が邪魔をして、一歩が踏み出せないはず。
だけれど、この時間一秒一秒がイリスにとっては拷問のようだった。
せめて苦しむことなく、穏やかに、一生を終わらせて。
目を逸らすことはしない。どこまでも卑怯な私の罪だからとイリスは涙を散らせて願った。
「一思いに、一撃で……決めてッ…!」
早く、早く、早く。憎き復讐の血が通ったその手で、全てを終わらせて……!
ディルの顔が、一瞬だけ切なげに歪んだ。悲しい痛みに震える、幾層にも絡んだ感情の茨を振り払うように、剣を動かす。その刹那、ザシュッという耳障りな音が響いた。
途端に散布する血の朱色。ガッという最後の息を吐いた空気の震えを、イリスは確かに感じた。
これほどまでに鮮烈で、強烈で――…父の最期を、目の当たりにした。
「あっ……」
決して望んでいなかった結末が、どこか遠慮を残した剣で締め括られる。
イリスは体を引き裂くような激しい自己嫌悪に陥り、深く爪を立てて拳を握った。
体の内側から燃えるような感情が爆発した。溢れる涙を幾度もなく零し、父の死体から縛られたように目線を逸らせなかった。
優しく髪を撫でてくれたあの面影は消え去った。愛情に包まれたその姿は未来永劫、見られはしない。
室内に転がる父はぴくりとも動かず、最期の言葉も聞けないままこの世を去った。
「興醒めだ。もっと取り乱す様を見られると思ったのだがな。そんな柔な女じゃなかったらしい。泣きわめかないとは強いものだ」
「言った、でしょう。貴方の思い通りになんか……ならないわ」
それでも涙だけは思いを示すように止まらなかった。防ぎようがない。これほどまでの深い悲しみは経験したことがなかった。
「ふ、そうでないと困る。戦争をしてまで欲した女だからな。俺が憎いだろう、イリス?」
「……そうね…この手が外れたら貴方の首に手をかけているわ」
もう自分で何を言っているのかも分からない。
「狂気を孕んだその目、錆びれた俺の心でもゾクゾクするな。次はベットで見せるといい」
「貴方には屈しない……心までは、渡さないから」
必ず。快楽でも、痛みでも、心までは自分というものを消したくない。ライアンが、何度自分を犯そうが、絶対に譲らない。
イリスはあるだけの憎しみを込めて、ライアンを睨みつける。そして父であるブレイヴは、人形のような扱いで、どこかへ連れていかれた。
「――っ!」
謁見の間での話が終わると、イリスはエドームの衛兵に強引に連れていかれた。あまりにも惨い出来事に悲しみは尽きなかったが、ディルの顔は直では見られなかった。
ディルは確かに何も悪くはない。悪くはないが、父を手にかけた。肉を切り裂き、心臓を止め、復讐を果たした。
どんな感情が支配しているのだろう。解放感や満足感で一杯なのだろうか。嫌でも浮かんでくる負の心に、イリスは吐き気がした。
どうしても、今。目でも合ったら正気でいられる自信がなかった。抉るような痛みに続き、ライアンの裏の目的が分かるともっと苦しくなってくる。
ディルを憎むように仕向けた。自分から引き裂くために、ディルの私情を分かった上で煽った。それが悔しい。まんまとその思惑に嵌まっていくのだから。確かにディルに感じるのは憎む心だった。
「俺の部屋に連れていけ。ベットに縛りつけろ。厳重に、な」
これから起きる屈辱でさえ、どうでも良く思えた。元々、純潔を保っていたのにも理由があったわけじゃない。誰とも結婚する気はなかったし、その機会がなかっただけだ。
そんなもので国が助かったなら、いくらでも差し出した。
「おい、カモーアの屑。お前も来い」
それでも、ライアンは残酷に言葉を言い放った。イリスはその時連れて行かれる最中だったが、きちんと聞こえていた。
――ここまで、恥辱を……今から行われるであろう行為を一番に見られたくないのは、ディルただ一人。
もう、何もかも戻ることはない。ライアンの機嫌を左右しないよう、従順で大人しくするつもりだった。
ガンッと乱暴にドアを開くと、衛兵はイリスの縄を紐解き、ベットの支柱に潜り付けていく。少しも暴れることもなく、イリスは淡々と受け入れていた。今さら抵抗してもどうにならない。無駄な体力を使いたくない。
途絶える事のない涙は頬を伝い、シーツに濡れていく。イリスは自棄になることなく、冷たく現実を見据えていた。
そんなイリスを衛兵は息を漏らしてねっとりした視線で見ていた。
「はぁ……はっ、こんな美人を目の前に何もナシなんて本当にキツイな」
「王子がたっぷり堪能するだろ……至宝と言われたサイの王女だ、最高の味を召し上がるんだろうな」
あっぶね、理性が持ちそうにない、早々に済まそうぜと言葉が聞こえる。
「ねぇ……貴方達」
イリスは胸に残った疑問を解決させたくて、口を開いた。
「ライアン王子はいつもあんなにも高慢で、自分勝手なの?」
「は……?何を言っているんだ。あの人は頭が切れるし、俺らの思いを汲んでくれる。いつだって寛大な方だ」
嘘を言っているようにも思えなかった。なのになぜあんなにひどい仕打ちが出来たのか。
「まぁ、同情する。ライアン様の目的は他にもあったが、一番があんただったのは事実だからな。自分のせいで国が追いやられたんだぜ」
「……そうね」
自分のせいで。早々と婚約を受け入れていれば、こんな事にはならなかったはず。大事な人が死ぬことも、未来が奪われることも、なかった。
「なぁ……ちょっとくらい味見してもいいんじゃねぇか?」
そのうちの一人が物騒なことを言いだした。細い足を広げ、ベットに潜りつけている途中で息も荒かった。
イリスはひやっとしたものが背中を駆け抜ける。熱い眼差しに危機感が浮かんだ。
「馬鹿っ!何言ってるんだ。バレたら殺されるぞ」
「いいだろ、ちょっとだけ……足舐めるくらいなら」
舌をそろりと突き出し、徐々に近づく唾液。イリスは信じられない思いで見つめていた。
その時、だった。空気を弾き飛ばして近づいてくる凶器が衛兵の動きを一瞬で止める。カンッという単発的な音がイリスと衛兵の間を潜り抜ける。壁に突き刺さる剣は真っ直ぐに飛来してきた。
あまりにも的確な位置に誰もが言葉も出ない。こんなことが出来る人間なんて限られている。手を組んだまま、怒りを浮かべているディルがそこには立っていた。
「……殿下の所有物に手を出すなんて、余程勇気があるようね」
ライアンよりも早く部屋に辿りついたようで、カツカツと部屋に足を踏み入れた。威圧感に包まれたその姿は大いなる影を纏っているようで本当に怖かった。
足を舐めようとした衛兵は自分が仕出かした事の大きさに気付き、震えあがった。ディルの視線に耐えきれず地面に腰を抜かしてしまう。
周りの衛兵は黙っているしかない。イリスは呆然としたまま、成り行きを見守っていた。
「殿下が知ったらどうなるでしょうね。死罪で済まされるかしら」
「ひぃ……っ、お許しを!」
「愚かなことをしたわね。これ以上苦しまないように私が止めを刺してあげましょうか」
そう言って腰にあった剣を抜き、冷たい色を発しながら衛兵の首に突きつける。
途端に深まる危ない空気にイリスははっとなって覚醒した。
「待っ……待って!何も命まで奪わなくてもいいでしょう!ちょっとした好奇心に負けただけよ、悪気があったわけじゃないわ」
「好奇心?何もふざけたことを……完全な醜い欲望でしょう」
「あなたが彼を手にかけていい理由なんてないわ。それはライアン様が決める」
正直、エドームの衛兵を助けることを良しとは思えなかった。
今まで保たれてきた同盟を解消し、領土を犯し自分の国を滅した彼らを、家族のように守りたいとは感じない。むしろ憎く見てしまう。
だけれど、この衛兵は国に命じられたことを忠実に従って戦争に来ているだけだ。何も悪くない、本来はエドームで過ごしていただろう。
戦争で犠牲になるのはいつだって仕える人間だ。
「滅ぼされた国の衛兵を庇うのですね……どこまでも甘ったれで」
「分かってるわ、だからこんなにも簡単にやられてしまう。さぁ貴方達、早く私を縛りつけて。ライアン様が来るまでに終わらせるの、この事は内密にしておきなさい」
おどおどとしている衛兵はイリスの言葉が天使のように感じた。それでもディルの存在感に手が震えてなかなか上手く括り付けられない。
仲間も同じようで少し時間がかかってやっとイリスをベットに縛りつけた。
「もう行きなさい、この場にいなくても大丈夫でしょう」
くいっと顎でドアを示しながら出ていくようにと示す。衛兵は何度も礼を言いながら慌ててこの場を後にした。
よかった……と安堵の息を漏らすと、二人だけになった空間に気付いた。つい先ほどまでに強烈に感じていた憎しみが、静かに消え失せていく。
「……やっと、逢えたわね」
こうやって面と向かって話せることが、とても嬉しかった。こんな形じゃなければもっとよかったのにと悲しくなる。
優しい目元を緩ませ、イリスはいつもと変わらずにふわっと微笑んだ。
しかし今の恰好と言えば、卑猥そのものだった。足は大きく開き、手は自由が利かないように一つにまとめ上げられている。
美しい髪はベットに広がり、しかもイリスは涙を浮かばせていた。父が殺された悲劇よりも、ディルの無事を見れた喜びを感じていたことに複雑な思いが込み上げる。
ディルは何の感情を表さずに、その姿を凝視した。
じっと見られる事にイリスは羞恥が込み上げてきたが、それ以上に伝えたいことがあった。
「怪我、しなかった?何回も危ない目に合ったんでしょう。服も血がついてる…」
何度考えたか分からない安否を確認できて心から安心出来た。
こうやって再会するなんて誰が分かっただろう。二人の立場が逆転して向かい合うなんて、皮肉なものだ。
イリスは涙腺が歪みそうになったが、醜態など晒したくなかった。しかし今からは避けられない。
「貴方は、馬鹿ですか?」
これからどんなひどい目に合うか分かっているのかと影で含まれている。
「…貴方の目にはそう映っているはずね。でも私からしたら、ディルが無事だった方がずっと大事よ。どれだけ心配したと思っているの」
「お姉さま…どこまで自分を高めたいのです?自分が立派な善人だと誇示したいのですか?よくもそんなことが言えますね」
高めたい?誇示?
イリスはふっと笑って、ディルを見つめ続けた。
「そこまで価値のある人間じゃないことなんて私が誰よりも分かってるわ。誇示する暇があるなら、もっと違う事に尽力する」
「あぁそうでした。お姉さまは性行為の方が興奮されるのでしたね。国の王女とあろうものが…喜々として自ら体を捧げる淫乱でしたか、雌犬と同じですね」
その言葉にイリスの目に悲しみが浮かぶ。容赦ない浴びせ方に心は砕けそうだった。
「……その様を今から見せ付けられるのよ。そこから憐れみの視線さえ送らずに、一興として眺めるのかしら」
貴方は男だものね、と言葉を落とす。ディルはぴくんと眉を反応させて口を開こうとした。
「はっ、何をこそこそ会話している。俺も混ぜないのか」
と、ライアンがドアに体を預け、楽しそうに声をかけてきた。
いつの間に来ていたのかとまったく気配を感じなかったのでイリスは驚く。いや、ディルに気を取られて気付かなかっただけだと思いなおす。
そして待ちうける試練に震えが襲いかかってきた。口では勇ましいことを言っても、心の中では不安しか巣食っていない。
ライアンは不敵な笑みを零したままドアをゆっくり閉めた。ディルは睨みつけるように見つめたまま、近くの一人用のソファに腰を下ろす。
「なかなかソソられる格好だ、イリス。どこの王族もお前狙いだったからな、やっと手に入った」
「こんな卑怯な真似をしてまで手に入れたかったのですか……!」
カモーアの戦いで、戦力が分散した隙をついて国を占拠した。今まで結んでいた同盟を破棄して、強引に攻め入った。それが許せない。
「言っただろう、どんな強行手段を使ってでも欲したと。まぁ、手薄だった王都の戦いは苦戦せずに済んだがな」
イリスは縄を食いちぎるほどの力で拳を握りしめた。
その戦いで関係のない国民をも巻き込み、混乱の渦に陥れた。何の罪のないサイを、私利私欲のために利用した……!
「内通者ね。お父さまの側近の誰かがエドームと組んでいたのでしょう。だからこんなにもすんなりと入り込めた」
「ほう……よく分かったな。サイはどこもかしこも緩く、防衛線が強固ではない。それに愚かな王のせいで仲間意識が統一されていなかった」
確かに父は自由奔放な面があり、自分勝手な部分もあった。しかし、しっかりと国を治められていた。
それは優秀な人たちがいたからだと知っている。様々な人の協力があったからこそ、平和に過ごしてこられた。
「お父さまを侮辱しないで……っ!貴方たちさえいなければこんなことにもならなかったのに!」
「それはお前の甘さが原因だったとなぜ考えない?城に残っていたらまだ冷静な判断が出来たかもしれない。わざわざ戦場に出向いたのはカモーアの屑を欲していたからだろう?」
「そんなこと、な……っ!」
ない?本当に?心の声が冷たく問いかける。
「イリスの目の前でこいつを殺してやりたいくらいだ。血肉で染まる体を何時間も直視させてやろうか」
そう言いながらディルの側を通り抜けて、イリスのベットにギシッと音を立てて圧し掛かる。
がつっとイリスの髪を引っ張ると、今にも口付けしそうなほど距離が近くなる。イリスは息を飲んで眉をひそめた。
「……ディルは、殺せないわ。ここでカモーアと戦いになったら貴方の危険は増すし、疲れている兵士の貴方への不満も高まるもの」
「的を射ているな。俺が怖いか、イリス?愛する国を滅ぼし、今ここでお前を犯そうとしている」
「怖いわ…それでも、憎しみの方が勝っている」
もう、心臓が悲鳴を上げている。
「エドームでは奪えないものは自力で奪うという根源が渦巻いているからな。力で抑えつけてでもお前が欲しかった」
欲しかった、という言葉に甘い響きが宿ってイリスは頬が熱くなった。
そんな情熱的な目で見られたらどうしていいか分からない。こんなひどい状況を作ったのはこの人なのに、憎くてしょうがないのに。荒んだ心をさらに掻き乱される。
「そんなお前は何度も拒み遠ざけ、俺との距離感を保ち続けたな」
ディルはぴくりとも動かずに渋い顔をしている。
「ごめんなさい、私は誰のものにもならない……心までは、譲れないもの」
「は、なぜ謝る。お前は本当に馬鹿な奴だな」
そして、気持ちが焦っているかのように、荒っぽくキスをした。激しく重なる唇に舌が絡み合い、ぴちゃっと銀の糸がくっつき離れて結びつく。
静かな部屋には水温が混じり大きく響いた。唾液を吸い込まれ、湿った歯列を舐められた。嫌でも、拒否権はない。わざと音を立てて煽ってくるように舌が忍び寄ってくる。
「んっ、は……っや、だぁ……」
「イリスはどこも甘い。すべてが媚薬のように誘っている」
「やめっ……もっ、ン…」
はぁはぁっと熱っぽい吐息が零れ落ち、静かに開かれた目は微量の涙を含んでいた。熱っぽい視線が容赦なく突き刺さり、穴があくほど覗きこまれる。
「知っているか?男は拒まれるとさらに燃え上がることを。何度拒否しようが止まることはない」
角度を変えられ、生き物のような舌がイリスの上唇を器用に舐める。怖くて必死でイリスは目を閉じていたが、頬を撫でる手の感触でぱっと開いて涙が落ちていく。
ぴちゃ、くちゃっ……と艶めかしい音が耳元で暴れる。
「はぁ…っんん……!」
堪え切れずに溢れだす高い声が部屋の中で静かに響いていった。
「っライア……ン、様ッ、やめっ…!」
こんなハシタナイ恰好のまま、激しい熱烈なキスを受けてイリスは顔が上気し始めた。唇から温度を感じる度に、宙に浮くような感覚が近づいてくる。
「感度はいいみたいだな。これなら何時間でもイかせられそうだ」
ふっと楽しげな笑みを浮かべる。知らぬ間に口の隙間からはどちらのものか分からない唾液がこぼれ出して顎まで達し、ついにはシーツにまで垂れていた。
「おいイリス、幼子のように涎が出ているぞ。王族とあろうものが、少しは恥ずかしくないのか?」
今まで散々経験があるのかライアンはどこが感じるのか探すように反応を見ていた。
クチュ、チュパッ、ンジュッと音をせめぎ立ててイリスの羞恥を誘う。
「そ、んな……っやぁあ!んうっ」
次第に白い首筋まで移動し、鎖骨にぢゅうっと痕をつけるように吸ってみせる。イリスは肩を上げてぶるぶる震えた。
ねっとりした唾液と鈍い痛みを感じ、薄くて赤い歯型が刻まれるのが分かる。何度も白い肌に這うようにジュルジュルッと感触が伝わってきた。
「ひぃあっ……あ、あぁ!」
開かれた足の間から割りいれるようにライアンはイリスを頬張る。
脱がされる服から無垢な肌が顔を出すとつー……と煽りながら指で突く。爪でカリカリッと耳や首の筋を撫でられるとぴくんと体が動いた。
そうしてゆっくりと胸に手を置き、円をえがくように服の上から揉みしだく。
「――っっ!」
持ち上げた胸の内側を五本の指で引き寄せながらギュッギュッと押したり外側にやったりする。
一秒で小刻みに何度も揉みあげ、その激しさに吐息のような声が漏れてしまう。込み上げる恥ずかしさと懸命に戦いながらイリスは横を向いてひたすら耐えていた。
「あぁ……は、ぅっ!」
「弾力も大きさも文句なしか。これだけの美しさでよく誰も手を出さなかったな……」
ちらっとディルの方に目をやり、どうなんだと問うようにライアンは笑みを深める。
相変わらず表情に変化がないまま、ディルは壁の方を見ていただけだった。しかしよく見ると、その顔は少し余裕がなさそうに赤い色を帯びていた。
ライアンはイリスの胸の先端を親指でぐりぐり押し潰し、その瞬間一気に胸のあたりの服を引き下げた。
巻かれたサラシをはぎ取ると、ぷるんっと胸が上下に揺れ、空気にさらけ出される。形のいい綺麗な膨らみの頂上にある桃色に、ライアンは温度の高い息を漏らす。
「あれだけで興奮して尖らせていたのかイリス?口からテラテラ涎を垂れ流して光ってるぞ」
「……っ、やめて…」
泣きそうなほど、屈辱だった。言葉が出ないほど悔しくて、睨みつけるしかできない。
しかしその瞳でさえ、ライアンには誘っているようにしか見えない。
「おいどうしたんだ、弱気になって。いつもの威勢はどこに消えた?あぁ…興奮していやらしい声しか出ないんだな」
「何も、言わないで……っ」
「そんな説得力のない声で言われても何も効力がない」
ふっと息を吐くとライアンは舌を出し、ぺろっと乳首を一舐めする。うっとイリスは声を出しかけたが我慢した。
そうしてそのまま口に含むと中で唾液と一緒に転がした。もう片方の手で左右に動かして焦らす。
ぴちゃ、ちゅーくちゅっと音が聞こえる。
「いっ…あ……っ」
イリスは体を捻らせて抵抗するが、微力に終わってしまう。
「ちょうど食べごろか、さすがは初物。カモーアの屑も味わってみるか?」
くすりと妖艶な顔でディルを見るが、当の本人は何の返答もなかった。はりつく声が耳障りだと言うようにイリスを見つめ、黙って腕を組んでいた。
「ディルは関係ないで、しょうっ……ここから、出して……んんっ!」
そう言えばライアンは割れ目に手を這わして濡れているかチェックし、ある部分を重点的に攻める。
クリクリクリッと服の上から親指を震わせ、快感を呼び起こす。服の上からでも感じるその激しさにぴくぴくと手が震えを刻む。
イリスの声が、徐々に高まっていく。
「黙れ、お前には何の権利も与えない。俺だけを感じていたらいい」
「ぁぁ……っそこ、何っ!?ふぁっ、だ……め!」
経験した事のない波がうねりを上げて襲いかかってくる。
「これだけでイくなよ?」
「やぁ…あああっ……はぁ、うっ、ン……!」
何かが、粘っこい液が……刺激を受けている箇所から漏れ出してくるのが分かる。ぐちゅうと服に染み込む感じが気持ち悪くてイリスは何度も首を振った。
鈍る頭の中で、白い光が弾けそうになる。これが何なのか予想もつかないイリスは赤い顔で耐えながら口を引き結ぶ。
「あぁぁあ……っ!」
ぐちゅぐちゅっと加速を増して止まらないスピードにイリスの腰が上に向きかける。溢れ出す蜜が下着を通り越して外界に漏れだそうとしていった。
しかし。
「そこまでだ。これだけで達していたらつまらないからな」
「ぁう……っ、な、に…?」
迫りくる巨大な波が突然姿を消して、涙色で滲む視界が現実なのか理解するのに時間がかかった。
はぁはぁっと肺から息だけが漏れて、ライアンにかかりそうになる。
その間、胸への悪戯は止めることなく先端をぐりぐりっと指で挟んだりしてきた。その痺れがさらに思考を遮断する。
「鳴き声だけは立派だ。聞いてるだけで勃ってきた……本当にはじめてなのか」
乱れる金髪に目をやりながら、首筋や鎖骨あたりに再度口を這わす。ちゅぷっと自分の物だと示す赤い痕を撒き散らす。
「やめ……恥ずか、しいっ…」
顔から火が出そうなほどの羞恥で嗚咽を零しながらそう口にした。天敵に脅える小動物のように震えるイリスに、ライアンは愉しげに笑んだ。
「淫行を見せ付けるのに何を躊躇う必要がある。本当は自ら足を広げ腰を振る淫乱な女だと認めたくないんだろう?ん?」
「ひぃ……くっ、ン、ぅ…」
「下半身は正直に反応しているようだが?失禁でもしたかのように熱い蜜を垂れ流してズボンに染み込んでいるのが分かるぞ」
そうして強い力でズボンを破った音が耳を刺激した。脱ぎかけで白い肌が部分的に見えるのがたまらないのか。
耐えがたい卑猥な言葉の数々にイリスの心は荒れていた。
ひっくひっくっと喉を詰まらせてしゃくり上げる様子を見下す快感にライアンは胸の中で満足を覚えた。
「こんな醜態を大好きな家族に見せてやりたかっただろう?ぐちゅぐちゅっと敏感に反応して嬌声を上げる姿を見たら家族はなんて言うだろうな?」
白い粘着いた液をかき乱され、綺麗に咲いた蕾をいじられ、どうにかなりそうだった。
じゅく、ちゅく、ぐちゅっと聞こえる音にイリスの心が蝕まれていく。
濡れるソコに初めて受ける鋭い痛みを感じて、ライアンの長い指がナカに入ったのが分かる。
「ましてや自分が欲した男にまで痴態を晒しているのだからな!」
――…ディル。イリスはぼんやりしながら心の中で、呟いた。
鈍痛に変わる指の圧迫感はしだいに快感へと変化していく。
開いた足の割れ目を辿り、太ももに伝う液体もその一部となる。ごしごしごしっと擦るかのように強弱をつけて動く指はナカで性感帯を探るように蠢いていく。
「あ、ぁ……あああ……っ、はぁ…!」
感じてなんか、いない!気持ちよくなんか、ない!イリスは胸の中で叫んだ。
しかし女経験で培ってきたライアンは的確に鋭敏な箇所を突くとイリスは思いっきり肩を上げた。
にやりとライアンは微笑むと集中的にぐちゅぐちゅとそこだけを攻めていく。また意識が飛んでいくような感じが戻ってくる。
「やぁぁっ……あ、ぁぁあ!!」
尿意に似た感覚に焦りが生まれたが、縛られているので抗う術はない。その時がくるのを待つ他ない。
ぐちゅ、ぎゅちゅ、ぐちゅっ!
プシャッと陰部から発射される蜜が容赦なくライアンの手にかかった。シュッ、ブシュッと残りも飛び散っていく。
びくん、びくん……!とイリスの体は脈を打っていた。体が熱い、息切れが止まらない。
「はっ、こんなにも出したのか。味見をしないとな」
じゅるるっと舌で吸い込む感触に身を仰け反らせながらイリスは甲高い声を上げた。
秘部を舐めるというあり得ない行為に不快感が込み上げてくる。ヒクヒクと息に合わせて開封しながら余韻に浸るように震えた。
「悪くはない。どこもかしこも綺麗な艶が出ている」
「そ、な……汚いとこ、ろをっ!あ……め、て…!触れ、な……でっ」
「気持ち良すぎて呂律が回っていないのか、あまり加減してやれなかったからな」
そうしてライアンはディルの方へと目を移した。
微動だにしない様子も想像のうちなのか、馬鹿にするように言い放った。
「イリスの中はヒクついて指を咥えたまま離さないぞ。お前のアソコもそうだろうがな」
「……」
しれっとした態度で別の方に視線を向けている。が、ソファに隠れた足は少し震えていた。
乱れたイリスの激しい声と音を聞かされ我慢出来る男などそういない。これだけ耐えているのも苦労だった。
「甘美な香りと羞恥に震える体。なんとも言えない。お前が懇願して頭を下げるなら手伝わせてやってもいいが」
「その口、黙ってくれる?雑音にしか聞こえないわ」
低い声で余裕がなさそうに言い返した。ふっと不敵に笑うライアンはイリスを見つめると、手慣れたように自らの服を脱ぎ始めた。
「これだけ俺を興奮させるのも中々ない。どの女もうるさくて満たされない……まぁ、イリスは特別だがな。初めてが俺で嬉しいか」
「皆が、助かるなら……こん、な…純潔……いくらでも…差し出すわ」
掠れた声でそう呟いて、口を噛んだ。
「誇りに思え、初めてが経験豊富な俺だという事を。半端な奴じゃ気持ちよくなれない」
完全に脱ぎ捨てたライアンの衣服がベットのそばの床に散らばった。
イリスは見たくないという風に思いっきり顔を逸らした。弛緩した身体がぐたりとベットに垂れて動けない。それでも、視界の奥に入ってくるあの存在感が怖くて仕方ない。
「い……い、や……」
あんなものが自分の中に入るわけがない。裂けてしまう。ましてや初めてである自分が容易く受け入れる筈がない。
冷たい恐怖しか浮かばない。指だけでも痛かったのに、それを上回る痛みが走るに違いない。ディルがいる室内でこんな痴態を見せるなんて。もう、ぐちゃぐちゃになってしまいそうだ。
恥ずかしい。泣きたい。つらい。それでも、自分を見失いたくない。
「普段は勇ましいイリスでも、さすがに怖いようだな。今からコレが入る気分はどうだ?」
「そん、な凶器……入る、わけがないわ…」
「ははっ、凶器か。しかしこれは逆に子を成すものだ」
そう言って、迷うことなく目の前にかざしてくる。
イリスは一瞬油断してまじまじと見てしまい、吐き気が込み上げてきた。すぐにぱっと目を逸らす。反り返った大きなものはグロテスクでこの世のものとは思えなかった。震えしか出てこない。
「――この日のために、俺は動いてきた。イリスを手に入れるためにあらゆることをしてきた」
「……や…いや…っ」
顎を持ち上げられ、無防備な視界に広がるもの。ぴくぴくと反応している。
「舐めろ」
「……そんな、もの…口にいれられな…」
イリスは潤んだ瞳を揺らしながら、低い声を出す。
「俺に逆らう気か?一回でも気を損なえば、国は滅びの道を歩んでいくぞ」
「……ひどい…権利さえ、与えてくれないのね…」
分かっていたけど、動揺が抑えきれない。
「いや、待て」
イリスは数秒迷い、意を決して口を開こうとした途端。ライアンは面白い事を思いついたと、深い笑みを作る。イリスの胸の中では、嫌な予感がした。
「どうせなら、カモーアの王子にもご参加頂こうか。これではあまりにも生殺しだ」
「……っ!どう、して……」
イリスは嫌がる素振りを見せて、一気に顔を強張らせた。あんまりだ、と口を引き結ぶ。
これ以上の屈辱はない。こんなの、ひどすぎる。心の底から悔しくて睨みつけるしか出来ない。
「一つ賭けをしないか、イリス?」
心底楽しそうに、唇を曲げる。
「何を、言っているの……ぁっ、やめ……!」
たぷんたぷんと胸を揺らしながら勃起している乳首を責める。ライアンは、意地悪な表情で続きを言った。
「どうせ、イリスの純潔などいつでも奪える。何ならちょっとした賭けをしてみないか」
裸のままベットから降りて、恥ずかしげもなく歩き出した。信じられない思いのまま、その姿を見つめていた。
「今からイリスに何も見えないように目隠しをする。そして俺のブツかあいつのブツを口内で見分けろ。丹念に舐めて奉仕するのを忘れるな。内側も外側も全部咥えろ」
「――…!?」
イリスはその内容に絶句して、言葉が出なかった。
「もし見極められれば今日処女を奪うのはやめてやる。まぁ、先延ばしになるだけだがな。どうだ?」
「そんなの、できな……い……それに、ディルがやるわけな……」
自分の物を咥えられて嬉しいはずがない。嫌悪感しか抱かないだろう。それに、そんなことしたくない。
「分からないぞ、あいつも相当つらいだろうからな。同じ男として、同情してやる」
「……できるわけ、な…」
「イリスには何の拒否権も与えない。それに、カモーアとて俺の機嫌を悪くしたくはないだろう?」
ひどい、人……!
戦力だってエドームの方が勝っている。今戦っても勝機は薄いのを分かって言っている。
この場で一番権力を持っているのは間違いなくライアンだ。サイを潰すことなど簡単にできるし、その気になればカモーアだって倒せるかもしれない。
そう考えると、冷たいモノが背中に走った。
「あのイリスに咥えてもらえるんだ。なかなかない貴重な機会だぞ?その様子ではすぐに果てそうだがな」
「ディ、ルっ、あ……っん……やめ…」
ぐりぐりと、指を押し潰してくる。
「はっ、逃げるのか腰抜け?カモーアが弱虫の集まりなのは主が証明しているようだ。俺に勝てる自信がないのだろう、力の差を実感しているからな」
「……いぁ…っ!も……やぁ…!」
ディルの顔を窺いながら、含み笑いを零して馬鹿にする。完全に見下した言い方だったが、ディルは冷たい目で見つめ返すだけだった。
イリスは迫りくる快感の再来に必死で耐えて、挑発に乗るのは止めるように首を振り続けた。
「まぁ、断れば国の話はなかったことになるかもしれんな」
ライアンはイリスを追い詰めていき、細い足を抱えて秘部を掻き乱した。ぐちゅぐちゅぐちゅッと指を突っ込み小刻みに振るわせて反応を確かめる。
「ぁぁっ、や……ぃ…っ」
何度も何度も寸止めで焦らしてイリスの熱を帯びた息は徐々に弾んでいった。苦しそうに喘ぐが、声に出すまいと目を閉じて唇を噛んだ。
「ディルっ、は、ぅ……何、も……っしなくて…いぃ……っ」
お願い、早く出ていって……イリスはと目で言葉を送る。溜まった涙を散らしながら、懸命に訴えかけるがその声にさえ甘い響きが混じっていた。
ディルは表情を上手く隠しながら、面倒臭そうに溜息をつくと立ちあがる。早々とライアンの元へ近づき、愛撫している手を叩いて引き離した。
「――ド変態王子。反吐が出るほど性悪な趣味ね……舐めないで。簡単にイくような身体じゃないわ」
鋭く睨みつけながら、ちらっとイリスの様子を見ると、バサッと上着を脱いだ。
「光栄だな、褒め言葉にしか聞こえない」
にやっと笑うライアンは賭けに応じると悟ったようで、愉しげに腕を組んだ。堂々と裸体で立って隠そうともせず、挑戦的に口角を上げる。
「散々可愛がられた身体だろうな。何時間もイかされ啼き叫んだ経験が役に立つか?」
「馬鹿馬鹿しい。少しは黙ったらどうなの?よほど人の不幸が好みなようね」
イリスは意識に靄がかかったようになりながら次々と襲いかかる快感と進んでいく会話を聞いていた。
嘘でしょう……?と現実を否定し、白くなる視界の中で震えていた。
「イリスが情を向ける相手なら誰であろうと不幸は好物になり得るだろうな」
そしてどこからか布を手にするとイリスの前髪を引っ張って近づけさせる。
痛みの声を上げるも、目隠しされると分かると精一杯首を振った。が、気休めにしかならなかった。
途端に布をぐいっと頭の後ろで括り付けられ、何も見えなくなってしまう。
真っ暗な目の前はイリスの不安を更に掻きたてた。どこに何があるかも、誰が何をしようとしているかも分からない。
誰かの手がひんやりとした温度で額に触れる。その突然の刺激が怖くてぴくんと肩を上げた。
さらりと撫でられると、見えない分いつもと違う感じがして脅える。視覚一つでこんなにも世界は変わるのだと分かった。
「や、やぁ……怖……っ」
本当に、こわい。何が起きるか分からない今、誰がどんな視線を送っているのか。
イリスはカタカタと震えて、縮こまるしか出来ない。それがライアン達の嗜虐心を煽るのだとは露知らず。
そしてなぜか足の縄を解かれた。その次に手の拘束が緩み、体の自由が生まれる。
全身を動かせる事に驚いていたが、どこにライアンがいるのか分からない。何が目的なのか。
広いベットの片隅で胸や秘部を隠そうと足を折り曲げて左右に首を向ける。
ギシィッと軋む音がすると敏感に反応し、違う方へ身体を動かそうとするがまた別の軋む音がする。
ということは逃げ場がない。左右それぞれに二人が待ちかまえているのだろう。
「こ、来ない、で……」
追い詰められた動物はこんな心情なのだろうか。何も出来ずにただ自身が喰われるのを待つだけなのか。
嫌、そんなの、恐怖しか感じない。ディルは一体どんな風に自分を見ているのだろう。憐れむわけでもなく、同情するわけでもなく眺めているんだろう。
誰かにぐいっと手を引っ張られ、体が前に移動した。どしっとベットに倒れると自分の金髪が垂れ、広がる。
誰、誰の手?何をしようとしているの……!
混乱すまいと言い聞かしても、恐怖が支配して涙が布に染みていく。手を掴まれると何かに触れる。イリスの中で戦慄が走った。
皮膚の感触。反り返った物。気持ち悪い。
ぞぞぞっと鳥肌が立ち、大きく首を振って抵抗しようとした。が、ライアンの言葉が脳裏に焼きつき、順応に従った。
こんなに……大きいの?どうしたら、いいの……手で擦れと言うの?やり方さえ知らないのに。
そうすると肉棒を握らせ、こしこしっと上下に動かし始めた。またぞわっと背中に冷たいモノが走る。
その動きについていくしか出来ず、小さく震わせながら紅潮する顔を下に向けた。
恥ずかしい。こんなものを握らせて扱かれて…これは普通のことなの?私が無知なだけなの……?
「ぁ、や……だっ」
徐々にスピードを上げていき、指が小刻みに動いていく。どうしても卑猥に感じてしまう。
「あ、ンン……っ!?」
その瞬間、顎を上に向かされ口の中に放り込まれる。突然のことに不覚にも唾液が伝ってしまいぽたっとベットに零れていく。
「んう、っじゅ……あぅ…」
溢れてくる唾液にジュクジュクッと音が重なり合って響いていた。ざわりとした感触に舌が触れ合う。激しくなる動きが止まらない。
歯で噛みそうになるが、こんなものでも繊細だ。噛みつぶしたら大変な事になるだろう。
後頭部を掴まれ、じゅくじゅくと抜き差しを繰り返されるうちに唾液でいっぱいになる。脳天が悲鳴を上げているが、早さは少しずつ増していく。
「んあ……ぁっ、じゅ、っぱ……」
嫌悪で眉根を思いっきり下げ、隙間からもれだす涎に抗うことはできない。
こんな行為で相手が感じるわけがない。なのに、荒い息が鼓膜の奥に聞こえた。
「ん、ふ……っ!ん、んっ……んーー!」
イリスは泣きながら耐えていた。口が痛い。何が何だかよく分からない。
ああ、もう。どうしてこんなことをしているのかしら。
虚無。悲しみ。静かな怒り。そして完全な形となった憎悪。
誰がこの手に触れているのかなんてどうでもいい。今ある現状は、ライアンやディルにとって、ただの遊戯だということ。
口の中でさらに肥大したもの。まだ大きくなるのかと驚いた。
緩慢な動きに変わったり、焦らすように頬に寄せてきたり、煽る行動ばかり……。
「……っあ、う」
そしたら、いきなり引き離される。先端をかすった唇はわなわなとふるえていた。
はぁはぁっと漏れる熱い息。激しい息切れが訪れ、頭を垂れて口内にある不快なものを吐き出す。
しかし、すぐに顔を上に向かされる。何が待っているのか、頭の中では理解していた。
「ん……っ」
先ほどとは変わった……熱いもの。はむっと咥えた時、ひと筋だけ涙の雫が零れていく。
質量のある存在感が舌に触れるとピクッと反応した。乱暴とも言える仕草で頭に力を入れられるが、どこか遠慮したような動きだった。
しかし頭が朦朧としていたため、何も考えられない。休みなしに続けられる行為に疲労が圧し掛かってきた。
「あ、あ……ぅ……んっ」
息ができない、苦しい。酸素が欲しくて口を大きく開けると冷たい唾液が零れ落ちる。ごぽっと何度も頭を動かされて、歯に当たってしまう。
「は、は……っ」
自分ではない誰かの湿った吐息が耳に張り付いてくる。
だめだ、あまりにも艶やかな音。聴覚だけは鮮やかで、痺れる耳に溶け込んでくる。
ドクンッと大きく心臓が脈打つのが分かる。体内に欲望の熱が分散されて火照ってきた。
この声、は……真っ白な頭の中で、ある考えが思い浮かんだ。
まさか、……
ディルを、咥えているの?
真っ赤になるほどの羞恥が急激に込み上げてきて、口内の唾液の量が増えていた。
恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい……!消えてしまいたいとイリスは心から思った。
どうしようもないくらい、何かを感じてしまっている。
これが表すのが快感なのか欲望なのか定かではない。しかし、ディルだという事実が下半身に熱を集中させた。
くちゃぴちゃっと秘部から漏れだす蜜…ぬるぬるっとした感触にくすぐったくなりつつも、イリスは冷や汗をかいた。
一度あれだけ出したものがまた溢れてくるなんて。まさか自分は興奮しているの?ライアンに見られたら、淫乱だと馬鹿にされるのが目に見えている。
さっきから、触れる手のぬくもり……温かい。
この手を私は、ずっと前から知ってる。誰よりも近くで見てきたのだから、間違う筈なんてない。
「……っんく、ぁ……んぅ…」
ああ、頭がおかしくなりそう。静かで歪な音を立てながら、不安定な思考回路が壊れていく。
とにかく夢中で頬張り続けるしか終わりは見えてこなかった。初めてながらも拙いやり方で早く終わるように懸命に奉仕をした。
「ん、は……っ!」
いやらしい気持ちが心底にとどまり続け、旋回を止めない。く…ちゅ、ぴちゃっと響く音に心が感じてしまう。
――何かが、近い。果てる、と言ったら正しいのか。理性の境界線なんて、もうすでに飛び越えてしまっていた。
「……っ」
咥えていたモノがいきなり、口内から飛び出していく。やっと苦しさから解放されてごほごほっと咳き込んだ。
すぐ近くで人の気配を感じる。荒い息遣いと温度…イリスと同じだった。目隠しされて見えない分、手探りで障害物がないか探るしかない。
怖い。どこに、誰がいるの。
「おい、厭らしいな、下の口から涎を垂らしてるぞ」
低いライアンの声が頭上から聞こえはっとなるが、素早い動作で脚を開かされた。
ぐっと押し込められる強い力は、ぐったりした身体では抗えそうにない。もう、解放してほしかった。
「俺が綺麗にしてやる」
ジュルジュルッと吸われる感覚に不覚にも声を上げてしまった。ついでとばかりに指で円形に蕾を弄られる。
親指でクリクリッと触れられると、雷のような衝撃が走った。
「あぁぁぁッ……!」
背中が弓なりに動き、脚は大きく開き、手はぎゅっとシーツを握る。おぼろげな思考は自分が乱れた格好をしているのだろうと客観的に悟った。
「飲んでも溢れてくるぞ。結局カモーアの屑はすぐに達しそうになるし、情けないな」
グリグリグリッと潰され、揉まれ、触れられ…大きすぎる波に、イリスは重い疲れを感じていた。
「……っも、ぅ…や…だ……」
こんな仕打ちを……ディルは幼いころから、経験してきたのだろうか。
どれだけ叫んでも止めてくれなくて。羞恥と憎悪だけが膨らみ続け、耐えがたい屈辱に身体が冷たく覆われる。
「ひぃくっ、っふ……ぁぁっ」
嗚咽が混じって、ベットに伏せて髪を垂らす。
私の価値とは、一体何なのだろうか。ただの性欲処理に使われる為だけに生まれてきたの?
ディルは何度絶望したんだろう。何度、私を殺したいと願ったんだろう。
――…父を殺した、彼は。
私と同じ憎しみを心の焔に焼きつけて、ぐっと歯を噛みしめながら、生きてきたのね。
今、彼に感じるのは黒い感情。振り子のようにぐらり揺れる不安定な気持ち。
「気高いお前でも、現実は受け止めているようだな。嫌がるが、全力で拒否しない。俺に屈しなければ国がどうなるか分かっているからこそ、逃げない」
「……ライア」
何を、今さら……逃げる選択肢など、貴方は与えてくれない。
この感情を凍らせて、怒りで沸騰する前に気体に散布させてしまいたい。
「心から、憎いだろう?父に止めを刺したあいつが。そして、愛する者を奪った俺が。それでも、迷いなく自分の純潔を捧げようとする高潔さは見事だな」
王族の誇りよりも、大事な者を守ることを優先させる優しさも。
ライアンは聞いた事のない柔らかい声音でそっと囁きかけた。
「さぁ、言え。最初にお前が咥えたブツは誰のものだ?」
「……ラ、イアン…様でしょう…」
あの時は訳が分からなかったけど、最後に感じた手の感触…あれは、絶対ディルの手。
今だって、脈動を打つ熱いモノを口の中に含んでいたなんて、信じられない。そう思い返すだけで体の中が痺れそうになる。
どうにもならないくらい、恥ずかしい。
「は、ご名答。目隠しされても、好いた奴の股間は間違えないというわけだな」
「……っ!」
そう言われるとカッと顔に紅が走って、唾液だらけの口元を手で覆った。
絶える事のない意地の悪い言葉の数々。怒りや恥ずかしさが混じって、震えるしかできなかった。肩には緊張と疲労が重さとして降りかかり、未だに息が切れている。
「今日、純潔を奪うのはやめてやる。なかなか楽しめたしな」
「……約束を、守るの?」
少しだけ、意外だった。冗談半分で、でたらめに口にした遊びかと思っていたのに。散々からかわれ、意地悪な言い方をされ、この人に感じるのは恐怖と怒りしかない。
目隠しが邪魔で声のする方へ視線を向けた。
動くのも億劫な身体を隠して姿勢を整える。ぐちゃぐちゃになったシーツに映えるイリスの白い裸体は艶めかしく広がっていた。
「俺を何だと思っている?約束は破らない。そんな易い男じゃないからな」
「私は、どうなっても、いいです……早く、ディルを、解放して」
もう、見られたくない。侮蔑された眼差しを受けるのは、心が折れそうになる。
しかしその発言が引っ掛かったようでライアンは眉をひそめた。ディルは既に着替えを終えて、壁際にもたれて成り行きを見守っていた。
「お前はいつまでたっても屑を守ろうとするな。胸糞悪い。この場で切り捨ててやろうか」
イリスはひやっとして慌てて言葉を繋げる。ライアンなら躊躇いなく、簡単に行動するだろう。
「っ、やめ、やめて!ごめんなさいっ、殺さないで……私が、悪かったです」
「懇願するのか。ならば、恥を捨てて娼婦のように脚を開け。俺を誘ってみろ」
「――……っ」
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