〇〇、とやらをされたらしくて

蓮ヶ崎 漣

文字の大きさ
55 / 92
最終章 満足、とやらをされたらしくて

四大精霊

しおりを挟む
 翌日。

俺はカナに朝早く起こされた。

早起きのアースでさえまだ起きていない時間に。

外は明るくなり始めたばかりで正直、クソ眠い。

眠さもあって黙ってカナについて行くと着いた場所は自然豊かなキラキラした場所だった。


「カナ、ここは……」


俺が喋りかけるとカナは唇に人差し指をつけ、静かにと合図をしてきたので大人しく従う。



一体ここはどこなんだ……



そんな疑問に答えてくれる奴はいなくて。

しばらくするとファインたちと同じサイズの妖精が現れた。

そして、初めてここが精霊の国だと理解する。



なんで、こんなところに……

まさか、精霊を使役しろ、なんて言わないよな?



俺の予感は的中したようでカナに気に入った子に話しかけてごらんとか言ってきた。

こんなこそこそしているのに気に入る子も何もあったもんじゃない。

そんなことを思いながらも辺りを見渡すと後ろから声がした。


「あれれ~?こんなところに人間ヒューマン型がいるよ~?」


「ノーム!何言ってるの!こんなところに人間ヒューマン型なんているワケ……って!本当にいたー!!!」


俺は恐る恐る振り向く。

そこには茶色のロングヘアーをした精霊と緑色のショートヘアーの精霊がいた。


「ねぇ~ノームの言ったとおりでしょ~?シルフィは驚き過ぎだけどねぇ~」


「ば、バカ!ノームが落ち着き過ぎなんだよ!」


「何騒いでいるんだい?五月蝿いったらありゃしないよ」


「サラ!?」


「あ~、サラ~、見て見て~人間ヒューマン型がいるんだよ~」


人間ヒューマン型?……あぁ、なるほどね。あのカナエールも一緒ってことは迷い込んだ訳じゃなさそうだねぇ」


茶色がノーム、緑がシルフィと言う名前らしい。

後から赤色のポニーテールをした精霊も増える。

赤色の精霊はサラと呼ばれ、カナのことを知っているみたいだった。

奥の方から今度は水色のツインテールをした精霊までやってくる。


「皆さん、何をやっているんです?もうすぐ朝礼が始まりますです」


「ウンディーネまで来たのかい?」


「あぁ、ウンディーネ!こっちは危ないよ!」


「シルフィ?何を言っているのです?」


「ここに人間ヒューマン型がいるんだよ~」


「まぁ!大変ですです!大精霊様にお知らせしなくてはいけないのです!」


「そ、そうだね!ウンディーネは大精霊様に報告してきて!ボクはコイツらを捕まえるから!」


「わぁ~面白そうだねぇ~ノームも手伝うよ~」


「それじゃあ、アタイもシルフィたちを手伝おうかね」


「分かりましたです!」



え?

何か黙って話を聞いていたらやばい方向になったんだけど!



チラッとカナの方を見ると困ったような顔で笑っている。

そして、口を開いた。


「私たちは別に君たちに危害を加える気はないよ……?」


「そ、そうだぞ!」


「それなら大人しくついてこい!」


言われた通りに大人しくついて行く。

すると広場に連れて行かれた。

そこには紫色の一つ結わきをした精霊がいてどうやらコイツが大精霊様らしい。


「大精霊様!変な人間ヒューマン型を捕まえました!」


「おぉ、おぉ。来おったか。小童とカナエール。いつかは来ると思っとたがの。意外に早かったのぅ」


俺はこの声に聞き覚えがあった。

肝試しのとき聞こえた声だ。


「お前……あの森の中で……」


「ほう。覚えとったのか小童。そうじゃ、吾輩はあの時、一度お主とその仲間を助けたことがある」


「え!大精霊様!コイツら悪い奴らじゃないの!?」


「そうじゃのぅ……今までの奴らよりかは悪くないぞ」


「でも、大精霊様をお前呼ばわりしましたです!」


「ほっほっ。良いんじゃよ。奴は吾輩が大精霊だと言うことを知らんかったのじゃからな。さて、自己紹介がまだじゃったな。吾輩はインプと申す。この精霊の国の長をやっとる。小童、お主の名は?」


「え?シンヤ・フォレストールだけど……」


「そうか。シンヤ、と言うのじゃな。それで?お主は何故この国に来たのじゃ?」


「え、あ、そ、それは……」


「なんじゃ?」


「カナに何も言われずついてきたらここに来たから……」


「そうか。ならば、カナエール。何故、シンヤを連れてこの国に来たのじゃ?」


「シンヤなら精霊を使役出来ると思ってね」


「……使役じゃと?お主、精霊を使役することがどれほど難しいか分かっておらんのか?」


「分かっているよ。でも、シンヤなら合格出来ると思うから連れてきたんだ」


「ほう……?貴様、同じ運命を辿らせる気か?」


インプの言葉にも引っ掛かったがそれどころじゃない。

俺は慌てて口を挟んだ。


「ちょっと待った!!俺、何も聞いてねぇぞ!?カナ!」


「だって、言ったらシンヤは来ないじゃないか」


「だからっていきなり連れて来られても困るんだよ!」


「……なるほどな。少し時間をやろう。二人で話し合うが良い。話が終わったら呼んでおくれ」


「あ、あぁ……なんか悪いな……」


「良いんじゃよ。カナエールの性格は分かっておるつもりじゃ。お前たちも吾輩と一緒に来い。話があるからのぅ」


「え~ノームたち、もしかして怒られるの~?」


「えっ!?それは嫌だよ!大精霊様!ボクは悪いことしてないよ!?」


「そうですです!あたくしたちは何もしていないですです!」


「あーはいはい。とりあえず、大人しく大精霊様の言うことを聞こうじゃないか。その後でアタイたちの意見を聞いてもらえばいいだろ?」


「別に怒る気はないが……行くぞ」


インプがそう言うとパッと姿を消す。

それに続くようにして他の精霊も姿を消した。

俺はカナの方を向くとギロッと睨む。

カナは苦笑いをしながら肩をすくめた。

それの態度にため息を吐きながら口を開く。


「……カナの気持ちは有難いけどな……心当たりって精霊の国のことだったのかよ」


「うん。ごめんね、ここしか思い浮かばなくて……」


「いや、俺のためだし……でも、あの、インプとか言う精霊と知り合いなのか?後、あの、赤い精霊もカナのこと知ってたよな?」


「あぁ……大精霊とはエアロちゃんたちを使役するときにね。赤い子は記憶にはないかな……」


「そうか」


「シンヤ。私はシンヤなら精霊の試練も合格出来ると思って連れて来たって言葉に嘘はないよ。でも、シンヤがどうしても嫌だって言うなら帰ろう。また、別の方法を探すよ」


俺は少し考えて口を開いた。


「おい!話は終わったぞ!」


「えっ!?シンヤ!?」


カナは驚き声を上げる。

それとほぼ同時にインプと一緒にいた精霊が姿を現した。


「それで?話し合った結果はどうなんじゃ?」


「俺に精霊を使役させてくれ」


俺がそう言うとインプはフッと笑って口を開く。


「そうか。やはりな。試練の準備は済ませた。お前たち、自己紹介を」


「ノームはノームだよぉ~第一の試練を担当するんだぁ~よろしくねぇ~」


「ボクはシルフィード。第二の試練を担当する」


「あたくしはウンディーネと言いますです。第三の試練を担当しますです」


「アタイはサラマンダー。第四の試練……つまりの最後の試練を担当するよ」


「お主は今からこの四人の試練を受けてもらう。見事全てに合格出来たらこの子ら全員との使役の契約を約束する。ただし、一回でも不合格になれば……」


俺はゴクッと喉を鳴らす。


「お主は精霊になり元の世界には絶対に戻れないと思うのじゃ。どうじゃ?それでも試練を受けるか?止めるなら今じゃぞ?」


俺は一瞬唖然として言葉に詰まる。



そうか……

失敗したら元の世界に戻れない……

考えてなかった……

でも……



俺はガバッと顔を上げて口を開いた。


「やってやろうじゃねぇか!合格すればいいだけだろ!」


「良く言った!試練の内容はそれぞれの精霊から出題される。頑張るんじゃぞ?シンヤ。吾輩はお主に興味があるからな」


俺は試練を担当する精霊の前に立った――――
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...