〇〇、とやらをされたらしくて

蓮ヶ崎 漣

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番外編

カナエールの過去 召喚 二十四歳(人間界年齢三〇歳)

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 それから四年が経った。

ある日、目を覚ますと人間ヒューマン型で寝ていたはずなのに獣人ビースト型に戻っていて。

ふと気付くと頬に涙が伝っていた。


あぁ、きっと懐かしいあの頃の夢を見たからだ。


僕は涙を拭いながら起き上がり人間ヒューマン型になる。


今日はついに彼を僕の元に呼べる契約最後の日。



どんな子に育ったんだろう?

あの笑顔は今も変わっていないかな?

楽しみだ。



いつまで経っても起きてこない僕を待ち兼ねたのか四人が起こしに来た。


「遅いですよー、カナ」


「今日はカナが待ちに待った日なんだろ?」


「準備は出来ているの?」


「アタシもう人間界に行って連れてきても良いの?」


「あぁ、ごめんごめん。ちょっと懐かしい夢を見ちゃって感傷に浸っていたんだ。セレンちゃん、水をお願い。ファインくん、朝食を持ってきてくれる?アースくんは魔術書を持ってきてくれないかな?エアロちゃんはもう少し我慢してね」


声をかけられた順に返すとみんなははーいと返事をして言われた通りにしてくれる。

ただ一人待機を命じたエアロちゃんが話しかけてくる。


「カナ」


「ん?どうしたの?エアロちゃん」


「アタシたちは幸せよ。気に病むことはないわ。アタシたちのことを糧にして今度こそ成功させましょう?アタシたちも手伝うわ。一人が駄目なら二人で。二人で駄目なら五人で!大丈夫、アタシたちなら出来るよ」


「……そうだね。ありがとう、エリ。とても心強いよ」


「ほら!笑う!カナがニコニコしてれば大抵巧くいくから!」


「ははっ、なら人間界で言うオネエ系でも目指すかな」


「それは止めた方が良いと思うわ」


「エアロちゃんが何と言おうともう私は決めちゃったんだもぉん!こっちの方が親しみやすいと思わなぁい?」


「「「「思わない!」」」」


いきなり声が四つになり驚く。


「カナは普通が一番だよ!」


「て言うか、もし俺が召喚される奴の立場だったらドン引きだわ」


「そうだねー、まぁ、髪長いし女に見えなくもないけど」


「カナ!考え直して!」


四人の必死な説得の末、一人称は私に言葉遣いは親しみやすいであろうロキの口調を真似ることにした。

朝食を取り終え、魔術書を持って外に出る。

広い空き地に出て魔方陣を書いて魔術書を開いた。


「さて、準備は良いかい?エアロちゃん」


「いつでも良いわよ!」


「それじゃあ、始めるよ。三人はサポートを頼むね」


「「「オッケー!」」」


みんなの準備が整ったことを確認し呪文を唱える。

無事に彼を召喚して先に四人を家に帰す。

気絶しているようなのでしばらく待つと目を覚まし慌てて起き上がり周りを見回していた。

その行動がおかしくて必死に笑いを堪える。

何やらブツブツ言っていて家にいれば竜巻に飛ばされることはなかったはずと言っていたので声をかけた。


「それはないね!」


「っ!?」


突然声をかけたせいで驚かしてしまったけれど慌てて振り向いたその顔はあの頃の面影が微かに残っていて。



あぁ、この子が……

良かった、元気に育ったんだね。

中々にイケメンだと思うよ。

君だけは絶対何年かけても幸せにして見せるから。

エリたちの二の舞にはさせないよ。

だから、どうか君から両親を奪った僕を赦さないで。

お願いだから、僕を信じて。

けれど、僕に決して心を許さないで。



矛盾だらけな思考のまま口を開いた。


「ようこそ!聖なる庭ホーリィーガーデンへ!」



君は僕が、僕たちが守るから。








Fin
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