ずっとここにいるから

蓮ヶ崎 漣

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気付く気持ち

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 初めて千冬ちゃんの幼馴染の聖に会ってから一週間が経った。
あれから結構な頻度で聖は僕たちに会いに来る。
そして、千冬ちゃんに何かアドバイス的なことをしたりしていて。
それで気付いたことが千冬ちゃんの方が聖より小さいと言うこと。
僕たちにとっては大きい千冬ちゃんも聖より少し小さくて。
千冬ちゃんは聖が来るたびに嬉しそうでそれを見るたびに胸の中のモヤモヤが増える。
最近では千冬ちゃんが聖の話をするのもモヤモヤする。

この気持ちはなんだろう……?

胸がズキズキと痛み出してついには食欲までなくなって心配した千冬ちゃんが病院に連れて行ってくれた。
けど、医者には異常はないと言われて。

こんなに胸がモヤモヤしたりズキズキしたりするのに……
どうしてどこも悪くないの?

蒼も流石に心配になったのか声をかけてくれた。

「光、大丈夫か?どこが悪い?」

「胸……モヤモヤしたりズキズキするの」

僕がそう言うと蒼はポカンとして。

「……光、そうなるのはどんなときだ?」

「え?千冬ちゃんが聖と話してるときとか……千冬ちゃんが聖の話をするときとか……僕、悪い病気なのかな……」

それを聞くと蒼はため息を吐いた。

「……なんだ。心配して損した。安心しろ。悪い病気じゃないから」

「え!?どういうこと!?ちゃんと教えてよ!蒼!」

「……光は千冬が好きなんだよ。恋してるんだ」

「え?うん。そうだけど……鯉?魚の?」

今更、何言ってるの?
それと僕のこの変な症状と何の関係があるの?

「……魚じゃない。説明するの面倒臭い。簡単に言うと千冬と結婚したいってことだよ」

「け、けけ、結婚っ!?」

僕と千冬ちゃんが結婚するところを想像する。

あ、いいかも……
って言うか、したい。
うん。
あぁ、この気持ちが恋なのか!

そう分かった瞬間、スッと心が軽くなった。

「蒼!ありがとう!蒼のお陰でスッキリしたよ!そっか!僕は千冬ちゃんに恋してるんだね!」

「……そうだな」

何故か蒼は複雑な顔をして。
僕は不思議に思いながらも蒼に質問する。

「ねぇ、蒼。どうしたら、僕は千冬ちゃんと結婚できるかな?」

「はぁ?そんなのm……」

蒼は何かを言いかけて止める。
少し何かを考えた後、口を開いた。

「……まぁ、自分の特技を見せたり贈り物をしたりすればいいんじゃないか?」

「そっか!僕、頑張るよ!蒼も応援してくれる?」

「え?あ、いや、光、俺たちは……」

蒼が何を言いかけた瞬間、千冬ちゃんが帰ってきた。
僕はすぐ千冬ちゃんに駆け寄り抱き付く。
その日から僕の猛アタックが始まった――――
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