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募る不安 千冬視点
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光と蒼がまた喧嘩していると思って叱ろうとすると突然光が家を飛び出してしまった。
え……?
どうして?
どうして、光は家を飛び出したの……?
私が叱ったから……?
嫌いになったの……?
訳が分からなくて動揺していると蒼まで家を飛び出してしまって。
慌てて私は聖に連絡を取る。
聖はすぐに電話に出てくれて。
『もしもし?』
「聖っ!どうしようっ!光と蒼がっ!」
『え?ちょっと、落ち着いて……』
「私が光を叩こうとしたからっ!二匹とも私が嫌いになって出て行っちゃったのっ」
『千冬!落ち着けって!俺も一緒に捜すから!千冬は二匹を追いかけろ!』
「え、あっ!わ、分かったっ!」
そう言って電話を切ると私は傘も差さず家を飛び出した。
「光ーっ!蒼ーっ!どこにいるのーっ!」
びしょ濡れになりながら人目も気にせず叫び続けるけど返事は聞こえなくて。
不安になっていると聖も私と同じようにびしょ濡れになりながら人目も気にせず二匹の名前を叫んでくれていた。
聖は私に気付くと駆け寄ってくる。
「千冬!二匹は見つかった?」
私は俯きながら首を横に振る。
聖はそっかと言うと頭をポンポンと撫でててくれた。
「ほら、泣かないで?そんなに泣いてたら見つけられないよ」
「……うん」
私は涙を拭って聖の手を掴むと聖はぎゅっと握り返してくれてまだ私が探してない方向を指差す。
「あっちを捜してみよう。まだ捜してないよね?」
私が頷くと聖は私の手を牽いて歩き出した。
二人で二匹の名前を叫びながら進む。
しばらくすると人だかりが出来ていて。
そこを掻き分けるように前へ出ると事故現場だった。
私が最悪な事態を想像してしまって青ざめる。
まさか……
このトラックに轢かれたんじゃないよね……?
そんな不安を掻き消すように叫ぶ。
「光ーっ!蒼ーっ!お願いだからいたら返事をしてーっ!」
すると微かに蒼の鳴き声が聴こえて聖の手を放し急いで声の聴こえた方に向かう。
そこには蒼の後ろ姿が見えてホッとしたのも束の間、蒼の奥には横たわる光がいた――――
え……?
どうして?
どうして、光は家を飛び出したの……?
私が叱ったから……?
嫌いになったの……?
訳が分からなくて動揺していると蒼まで家を飛び出してしまって。
慌てて私は聖に連絡を取る。
聖はすぐに電話に出てくれて。
『もしもし?』
「聖っ!どうしようっ!光と蒼がっ!」
『え?ちょっと、落ち着いて……』
「私が光を叩こうとしたからっ!二匹とも私が嫌いになって出て行っちゃったのっ」
『千冬!落ち着けって!俺も一緒に捜すから!千冬は二匹を追いかけろ!』
「え、あっ!わ、分かったっ!」
そう言って電話を切ると私は傘も差さず家を飛び出した。
「光ーっ!蒼ーっ!どこにいるのーっ!」
びしょ濡れになりながら人目も気にせず叫び続けるけど返事は聞こえなくて。
不安になっていると聖も私と同じようにびしょ濡れになりながら人目も気にせず二匹の名前を叫んでくれていた。
聖は私に気付くと駆け寄ってくる。
「千冬!二匹は見つかった?」
私は俯きながら首を横に振る。
聖はそっかと言うと頭をポンポンと撫でててくれた。
「ほら、泣かないで?そんなに泣いてたら見つけられないよ」
「……うん」
私は涙を拭って聖の手を掴むと聖はぎゅっと握り返してくれてまだ私が探してない方向を指差す。
「あっちを捜してみよう。まだ捜してないよね?」
私が頷くと聖は私の手を牽いて歩き出した。
二人で二匹の名前を叫びながら進む。
しばらくすると人だかりが出来ていて。
そこを掻き分けるように前へ出ると事故現場だった。
私が最悪な事態を想像してしまって青ざめる。
まさか……
このトラックに轢かれたんじゃないよね……?
そんな不安を掻き消すように叫ぶ。
「光ーっ!蒼ーっ!お願いだからいたら返事をしてーっ!」
すると微かに蒼の鳴き声が聴こえて聖の手を放し急いで声の聴こえた方に向かう。
そこには蒼の後ろ姿が見えてホッとしたのも束の間、蒼の奥には横たわる光がいた――――
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