私、これからいきます。

蓮ヶ崎 漣

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屋上

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夜景やイルミネーションが綺麗に見える高層ビルの屋上。
そこに今、私はいる。
風が強い。
少しでも気を抜いたら簡単に飛ばされて地上に真っ逆さまだろう。
遺書は書いた。
私は靴を脱ぎゆっくりと慎重にフェンスを越える。
ゆっくりと足を置き、前を見据えた。
これでもう私を守るものはない。
この後ろ手につかんでいるフェンスから手を放せばイルミネーションで輝く地上に真っ逆さまだ。
私はゆっくり深呼吸をする。
本当は、諦めてなかったの。
彼と縁を戻せたらって思っていた。
彼が本当に好きだったの。
結婚するならこの人が良いと思っていたほどに。
でも、今日会って彼の気持ちを知った。
彼は付き合ってから一度たりとも私のことを好きだと思ったことはなかったと……
酷い男だと分かったのに。
自分の目で確認してきたのに。
それでも、この気持ちは簡単には消えてくれなくて。
それが悔しくて悲しい……
だから、私は先に逝きます。
ごめんなさい。
最低な男だと知った今もなお、諦めきれないんです。
大好きなお父さん、お母さん……
大好きだからこそ、私の苦しみを伝えたくない。
遺書には両親への感謝の気持ちだけを綴った。
それが今の私に出来る精一杯の親孝行。
それじゃあ、逝くね?
さような……
 
「駄目ですーっ!!死んではいけませーんっ!」
 
そう叫び声が聞こえたと思ったらいきなり私の真後ろのフェンスが揺れた。
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