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第一章 「村開拓とモブ対抗戦」
第12世 「仕込み」
しおりを挟むそんな生活をしながら、
焼肉機を作って1ヶ月ほど経っただろうか…
「スムー!」
「スムー!」
前から村に隠れていたのか、
いつからいたのか、
村には2人の子供。子村人もできていた。
2人は俺をスムと呼び、良く遊んで欲しそうに絡みに来た。
「そうむ!今日も懐かれてるな!
前言ってた、肉屋のオヤジに焼肉機任せても良いか?」
「スムー!」
「あぁ!この前言ってたやつか、良いぞー、あのオッサンならきっと美味い飯作ってくれるだろ。」
「そんで、オッサンの名前はケバブにした!」
「ネーミングセンス抜群だな!」
「はぁ、なんですかこのバカな2人は…この世界のヘルプになる私が可哀想だ…」
オマエは言葉をものすごい早さで習得し、
司書職に加えて、みんなに言語を教える、教師の様な役目と、
名前を付けるって仕事を請け負っていた。
村1番の働き者ってわけだ。
そして…ゲームの中のドット絵のような見た目。
そう、ただの"村人"の見た目だったオマエは、ある日を境に、なぜか現実世界にいるようなリアルな
"人間"の見た目に変わっていた…。
やはり真面目で賢そうなメガネ野郎だ。
「スムー!」
「分かった分かった、うるさい!
はーい、遊んでやるから待っててくれるか?」
「ハーイ!」
「それから、その2人はアンとミオ!」
「ほぉ
いやー、元気な子達だよな。
で、なぜその名前に?」
「んー、なんとなく、適当に」
「なぁ、オマエ、名前ってのは結構大事なもんなんだから、もっと真剣に考えてやれよ?」
「あぁ、分かってるよ。」
「え?じゃあさっきのケバブはなに…?
それに、アンビションとか厨二病みたいな名前付けてる人もいましたけどね。」
「う、うるせぇ!ちょくちょく出てくんなルプ!」
「創夢様こそ!聞いてましたか?
そこ!土ブロックが掘られてます。」
「えぇ?今初めて聞いたぞ。」
ルプは創夢の顔を穴のある方へ無理やり動かす。
そこは、村の内側の1マスと柵の下1マス、
土ブロックが掘られていた。
「あ、ほんとだ、だけどまぁ、そんな場所掘られてたところで変わらず誰も入ってこれないし、
2マスだけなら埋めればおしまい。」
「ですから埋めなくて良いのですか?と聞きました。」
「そうか、すまん。じゃ頼んだオマエ。」
「分かった!」
「そこもオマエ君に行かせるとは、
使えねぇ神ですね。」
オマエは土ブロックを持って穴を埋めに行く。
穴まで行き、下を覗き込むと、土ブロックに若干赤い部分が見えた。
「まぁ、良いか。埋めちゃえば」
何か分からないが、大したことは無いと埋めて、右を向くと、その柵の線上にあの2人の子供が遊んでいるのが見えた。
「やぁ!何してるんだ?」
ゆっくり2人に近づくと、
サクサクサクサク
「ハァーン、キィー、ハァー」
スコップで土ブロックを掘って遊んでいる2人がいた。
「一緒に遊びたいって?
分かった。ちょっと待ってね、とりあえず、そのスコップ貸して?」
そういうとオマエは子供からスコップを取り上げて言った。
「掘っちゃダメだよ。もし外から怪物が来たらどーするの?」
「ハァーン、ハン」
「ハァーン」
「え?掘って遊んでこいって?」
どうやら村人の1人にスコップの使い方を学んで来いと言われたのだろう。
俺もオマエの様子を見にそこに来た。
「おい、どうした?」
見上げる2人。
「あぁ!お前達かぁー!ダメだろぉ?
怪物が来るぞ!」
「ハァーン」
「ハァーン」
そう言って2人は走って逃げた。
「逃げろぉー、だってさ」
「はぁ、まぁ俺が遊んでやらなかったのが悪いしなぁ。
よし、俺こいつらと遊んで来るから、また村人全員の名前が決まったら教えてくれ!」
「りょうかーい、そうむも、頑張れ」
「おう!ありがとう」
そういうとアンとミオと鬼ごっこして遊んだ。
「なんか創夢様楽してばかりですね…」
「そう言えば!オマエ!なんでそんなリアルになってる?」
「リアル?さぁ、なんの事?」
自分では体の変化に気付いてないのか…。
もしかすれば、完璧に心を持って言語が流暢になったオマエみたいな存在は、見た目もリアルになるのか…
▫︎第12話用語解説
・チェヴァップ・ケバブ♂
肉屋職の村人。この村の料理人及び自動焼肉機の管理人。
・アン♂
子村人。見た目は一見ミオと瓜二つだが、性格は好奇心旺盛で、ミオよりも勇敢である。
・ミオ♂
子村人。見た目は一見アンと瓜二つだが、性格は心配性でアンよりも臆病である。
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