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凡百の魔女呼ばわり
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「それで、何であんな洞窟に? アミア」
「見た目の平凡さに囚われず、意外と屈強なのか?」
「見目と同じく! か弱く儚いんです!」
少年達に囲まれながら、お夕食を頂く事となりましたアミエッテです。
ヴァン少年は鎧を脱いだようね。良かった。呪われてたらどうしようかと地味に心配していたのよ。半年前も同じ鎧だとか、成長期の少年の装いとしておかしいもの。
と言うか、さっきからグラハム少年が大変失礼よ! 私に対してのみ! トゲトゲしいったら無いわ!
「気が付いたら、あちらにおりましたの」
「ワープ機能の付いた凡百魔女か……」
「そんな変な機能付いておりませんし、凡百魔女!?」
「何だ? 何かに秀でているのか?」
「……そ、速読は得意ですわ」
そう、どんな分厚い本だろうと大抵30分程で読み終え、頭に入るのよ!
ただまあ……理解してない内容だと、そのまま書いてあることをバーッと言うだけになるけれど……。
この前の『安壊聖遺物を補填しうる者たちの諦念を紐解き』って本、全く何言ってるのか意味不明だったものね。
「へー、凄い」
「でしょう?」
「凡百魔女らしい、其の辺に有りそうな特技だな」
「だから、私は魔女ではないと! 後、凡百じゃありません! 其の辺によくいる儚い令嬢です!」
「嘘言うな。儚い令嬢は洞窟に放り込まれたらショックで即死してるぞ。図太い凡百め」
そりゃそうでしょうけれど! しかも図太いを追加する!?
「でも、グラハム様。
成り立ての魔女はよく意味不明にフラフラすると出ずっぱりの魔女が…」
「……え? 出ずっぱり?」
今、サラッと聞き捨てならない事がヴァン少年から聞こえたような。
と言うか、出ずっぱりの魔女……って。
お祖父様の本、の登場人物!? 英雄にやられる役の!
え、本当にノンフィクションだったの!? あんなに荒唐無稽なのに!
「あのおばさんは陰険だが、魔女の術は上手らしいな」
「この前お使いを頼まれた時に聞きました」
「何ぃ!? 何であのおばさんは私のヴァンをパシるんだ! 横っ腹を蹴飛ばしてやれ! 殴れ! 我が家宝の剣を貸すぞ! 金ピカなヤツ」
「そ、そんな事出来ませんよ!」
……まあ、子供に退治されるようなのはマジの魔女じゃ無いかしら。国家公務員だしね。
きっと、近所のおばさんに魔女って渾名を付けてるのかしら。グラハム少年ったら、陰険な子供ね。
だけれど……先程から保護者らしき大人が居ないわ。
私は儚くもか弱い子供にも勝てないような妖精系令嬢だけれど……流石にご挨拶はしておかないと。
我が一族の誇りがどうとか、親が煩いし礼儀としてもね。
「そう言えば親御さんは」
「明日、出ずっぱりの魔女に会いに行こう。
イレギュラーな能力を授かると、似たような得体の知れない奴に会って劇的なイベントが起こるパターンだ」
「聞いてます?」
「坊っちゃんは、冒険小説が大好きで……。自分用に書かせたりしてるので……」
「勿論勇者役はヴァンだぞ!」
「そういうごっこ遊びはちょっと……。それより、親御さんは」
「知らん! 王都に行ったきり大して戻って来ない!
何か婚約者がどうの言ってたから、今の内にヴァンとカッコいいアドベンチャーに出たい!」
「ちょっと……」
何てガキなのかしら……。私が儚い腕力でなかったらブチのめしてやりたいわ。
ヴァン少年が困ってるじゃないの!
「立場の弱いヴァン少年にパワハラは良くないわ」
「パワハラ? とは?」
「変な言語だな」
え、今の子供にはもしかして通じない?
ジェネレーションギャップってこと!? 私、未だ若い17歳なのに!
「立場を嵩に着て、意地悪を強制することよ!」
「ば、馬鹿言うな! 私がヴァンを虐めてる!?
何でそんな嘘と意地悪言うんだ! この女は魔女だ!」
「な、何ですって!!」
「ふ、ふたりとも! 落ち着いてください!」
ヴァン少年が止めてくれなかったら、取っ組み合いの喧嘩をする所だったわね……。幼い頃はお姉様とよくやったものだわ。それに通ずるイライラさを久々に味わったわね……。
「私はこの家で一番偉いんだぞ! だから、お前は三等客室にぶち込んでやる! ベッドがひとつしかないみすぼらしい部屋だぞ!」
「ふふん! 私は何処でも寝られますから、大歓迎ですわ」
「ぐぬぬぬぬ!」
「……」
同レベルだなあ、みたいな目でヴァン少年が視線をやって来たのはグラハム少年共々スルーすることとして。
兎に角、出ずっぱりの魔女とやらが私の帰り道をご存知かしら……。大人の助けが必要なのよね……。
それにしても、使用人の気配すらしない静かなお屋敷……。高位貴族らしくは有るけれど……。
グラハム少年は、何故親から離されてこんな所で暮らしていたのかしら。だからあんな腹立つ風に育ったのね! 親も構いなさいよ!
「見た目の平凡さに囚われず、意外と屈強なのか?」
「見目と同じく! か弱く儚いんです!」
少年達に囲まれながら、お夕食を頂く事となりましたアミエッテです。
ヴァン少年は鎧を脱いだようね。良かった。呪われてたらどうしようかと地味に心配していたのよ。半年前も同じ鎧だとか、成長期の少年の装いとしておかしいもの。
と言うか、さっきからグラハム少年が大変失礼よ! 私に対してのみ! トゲトゲしいったら無いわ!
「気が付いたら、あちらにおりましたの」
「ワープ機能の付いた凡百魔女か……」
「そんな変な機能付いておりませんし、凡百魔女!?」
「何だ? 何かに秀でているのか?」
「……そ、速読は得意ですわ」
そう、どんな分厚い本だろうと大抵30分程で読み終え、頭に入るのよ!
ただまあ……理解してない内容だと、そのまま書いてあることをバーッと言うだけになるけれど……。
この前の『安壊聖遺物を補填しうる者たちの諦念を紐解き』って本、全く何言ってるのか意味不明だったものね。
「へー、凄い」
「でしょう?」
「凡百魔女らしい、其の辺に有りそうな特技だな」
「だから、私は魔女ではないと! 後、凡百じゃありません! 其の辺によくいる儚い令嬢です!」
「嘘言うな。儚い令嬢は洞窟に放り込まれたらショックで即死してるぞ。図太い凡百め」
そりゃそうでしょうけれど! しかも図太いを追加する!?
「でも、グラハム様。
成り立ての魔女はよく意味不明にフラフラすると出ずっぱりの魔女が…」
「……え? 出ずっぱり?」
今、サラッと聞き捨てならない事がヴァン少年から聞こえたような。
と言うか、出ずっぱりの魔女……って。
お祖父様の本、の登場人物!? 英雄にやられる役の!
え、本当にノンフィクションだったの!? あんなに荒唐無稽なのに!
「あのおばさんは陰険だが、魔女の術は上手らしいな」
「この前お使いを頼まれた時に聞きました」
「何ぃ!? 何であのおばさんは私のヴァンをパシるんだ! 横っ腹を蹴飛ばしてやれ! 殴れ! 我が家宝の剣を貸すぞ! 金ピカなヤツ」
「そ、そんな事出来ませんよ!」
……まあ、子供に退治されるようなのはマジの魔女じゃ無いかしら。国家公務員だしね。
きっと、近所のおばさんに魔女って渾名を付けてるのかしら。グラハム少年ったら、陰険な子供ね。
だけれど……先程から保護者らしき大人が居ないわ。
私は儚くもか弱い子供にも勝てないような妖精系令嬢だけれど……流石にご挨拶はしておかないと。
我が一族の誇りがどうとか、親が煩いし礼儀としてもね。
「そう言えば親御さんは」
「明日、出ずっぱりの魔女に会いに行こう。
イレギュラーな能力を授かると、似たような得体の知れない奴に会って劇的なイベントが起こるパターンだ」
「聞いてます?」
「坊っちゃんは、冒険小説が大好きで……。自分用に書かせたりしてるので……」
「勿論勇者役はヴァンだぞ!」
「そういうごっこ遊びはちょっと……。それより、親御さんは」
「知らん! 王都に行ったきり大して戻って来ない!
何か婚約者がどうの言ってたから、今の内にヴァンとカッコいいアドベンチャーに出たい!」
「ちょっと……」
何てガキなのかしら……。私が儚い腕力でなかったらブチのめしてやりたいわ。
ヴァン少年が困ってるじゃないの!
「立場の弱いヴァン少年にパワハラは良くないわ」
「パワハラ? とは?」
「変な言語だな」
え、今の子供にはもしかして通じない?
ジェネレーションギャップってこと!? 私、未だ若い17歳なのに!
「立場を嵩に着て、意地悪を強制することよ!」
「ば、馬鹿言うな! 私がヴァンを虐めてる!?
何でそんな嘘と意地悪言うんだ! この女は魔女だ!」
「な、何ですって!!」
「ふ、ふたりとも! 落ち着いてください!」
ヴァン少年が止めてくれなかったら、取っ組み合いの喧嘩をする所だったわね……。幼い頃はお姉様とよくやったものだわ。それに通ずるイライラさを久々に味わったわね……。
「私はこの家で一番偉いんだぞ! だから、お前は三等客室にぶち込んでやる! ベッドがひとつしかないみすぼらしい部屋だぞ!」
「ふふん! 私は何処でも寝られますから、大歓迎ですわ」
「ぐぬぬぬぬ!」
「……」
同レベルだなあ、みたいな目でヴァン少年が視線をやって来たのはグラハム少年共々スルーすることとして。
兎に角、出ずっぱりの魔女とやらが私の帰り道をご存知かしら……。大人の助けが必要なのよね……。
それにしても、使用人の気配すらしない静かなお屋敷……。高位貴族らしくは有るけれど……。
グラハム少年は、何故親から離されてこんな所で暮らしていたのかしら。だからあんな腹立つ風に育ったのね! 親も構いなさいよ!
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