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第1章 出会い篇
第2話 彼女の過去、私の思い
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ダークエルフの少女を裸にして、その足でお風呂へと入れる。
初めてのお風呂に戸惑っていたが、次第に身体が解れてきたのか徐々に私に身体を委ねる。
私は最初遠慮していた彼女の頭を洗い、その艶やかな銀色の髪がサラサラになるまで洗って行く。
肌は既に効力が切れたのか、肌色に近い赤褐色に戻っていた。
「はい、終わり。綺麗になったから、後は身体が暖まったら出て来なさい」
「あ、ありがとう……ございます……。……ご主人様」
「……もう一回言って貰える?」
「えっ? ごめんなさい、私、奴隷だから……お気に召さなかったのであれば、謝ります!」
「違うわよ。……ご主人様、いい響きじゃない。私の物になった自覚が芽生えているようで、何よりだわ」
私はそう言って脱衣所を後にする。
ダークエルフの少女が出るまでの間に、一通りの料理を用意する。
ま、私は余り料理が得意じゃないから、店で買って来た物を温めてるだけなのだけれども。
「ご主人様、上がり……ました」
ネグリジェ姿のダークエルフの少女が、恥ずかしそうに壁に半身を隠しながらやって来る。
その首には細い奴隷である証の首輪が、まるで装飾品かの様に鈍色に光っていた。
「何隠れてるの、こっちに来なさい」
「は、はい……」
「何を恥ずかしがっているの?」
「こんな、可愛らしい服……私に、似合わないから……」
「似合ってるわよ……とは、お世辞にも言えないわね。私の服だから、着てるよりも着せられてる感じがするわね」
私の服は割と派手めなのが多く、控えめな彼女よりも目立っている。
それを指摘すると、小さい彼女は更に小さくなる。
それでも、彼女の容姿の可愛さが、まだ服にしがみつけていた。
「あぅ、ごめんなさい……」
「明日買いに行くから、今日はそれで我慢なさい」
「えっ? 私に、ですか……?」
「他に誰が居るのよ。ほら、夕食冷めるから、早く席に座りなさい」
私が料理を出すと、彼女は驚きの眼差しで料理を見つめる。
聞けば、奴隷だから余り物をほんの少しだけ恵んで貰えるものだと思っていたとのこと。
それが、普通に私と同じご飯が出されて驚いたらしい。
その答えに私は首を傾げる。
「ダークエルフの奴隷って、存在しないんでしょ? なんでそんなに板についてるわけ?」
「あくまでも、表向きの話です。私は裏の社会で奴隷として働いていました……」
「性奴隷として……?」
「私達のような魔族に、性的な感情を向ける人は居ません。旦那様が汚したシーツ類の洗濯や、表向き真摯な方の体罰、そう言った表の人達がやらない仕事を行います」
「ずっと……? なんで……?」
「分かりません。安く使い潰せるからなのか……。ただ、ずっとその様に過ごして来たので、ご主人様も遠慮なく私を使い、不要になれば捨てて下さい」
ダークエルフの正しい扱い方についての説明を終えた少女は、おずおずと私の顔を見る。
私の表情を見るに、彼女は再び驚きに目を見開いた。
それもそうだろう。今までは何も知らないで買っていた主人は、噂を裏打ち出来たことに喜び、その瞬間から彼女を物のように扱っていたから。
知らないというよりも、厳密には信じていなかったというのが正しいだろう。
それに比べて不機嫌そうな表情が増してはいるが、私は余り興味無さそうな感じだったから。
説明不足なのか、ちゃんと伝わっていなかったのかも知れないと思ったのだろう彼女は、何か例文を出そうとして、今まで受けてきた実体験以上の説明が思い浮かばなかったようで言葉に詰まっていた。
「取り敢えず、貴女をどんなに酷い扱いをしても文句も言わないし復讐もしない、ただのペットとかお人形に徹するということでしょう?」
「えっと、はい、その通りです・・・・・・」
「なら、ペットに餌を与える事も、人形の様に着飾る事も、別に可笑しな事じゃ無いでしょう?」
「確かにそうですが・・・・・・」
「とにかく、今はご飯が冷めるから、早く食べちゃいなさい」
「え、えっと、はい・・・・・・」
「それから、貴女の借金は私が全部払ってるんだから、それを捨てるなんて勿体無いことはしないわよ」
私がどれだけ彼女の説明を理解していたか、その言葉を借りて私の行いに不審な点は無いことを説明する。
そして聖金貨2枚は前世の札束のようなものだ。それを2つ出されたのだから、確かに簡単に捨てることは考えられない。
しかし、同時に私の命令には絶対服従、生殺与奪も私に握られていることになる。
それならやはり、さっきの時点で死ねば良かったと思っているのかも知れない。あるいは、私の本当の性癖に耐えられずに、死んだ目をして本当にロボットのようになってしまうのも嫌だ。
まぁ、そんな兆候があれば、私は間違いなく彼女を捨てると言う名目で自由にするだろう。
勿論、幾分かの迷惑料を包んで、彼女の身の安全を保証できるようにアイテムを渡すけれども。
そうして食事を終えて食器洗いを彼女に任せた私は、その後自室に彼女を呼ぶ。
彼女に部屋は与えない、彼女にプライベートは与えない、今はまだ。
初めてのお風呂に戸惑っていたが、次第に身体が解れてきたのか徐々に私に身体を委ねる。
私は最初遠慮していた彼女の頭を洗い、その艶やかな銀色の髪がサラサラになるまで洗って行く。
肌は既に効力が切れたのか、肌色に近い赤褐色に戻っていた。
「はい、終わり。綺麗になったから、後は身体が暖まったら出て来なさい」
「あ、ありがとう……ございます……。……ご主人様」
「……もう一回言って貰える?」
「えっ? ごめんなさい、私、奴隷だから……お気に召さなかったのであれば、謝ります!」
「違うわよ。……ご主人様、いい響きじゃない。私の物になった自覚が芽生えているようで、何よりだわ」
私はそう言って脱衣所を後にする。
ダークエルフの少女が出るまでの間に、一通りの料理を用意する。
ま、私は余り料理が得意じゃないから、店で買って来た物を温めてるだけなのだけれども。
「ご主人様、上がり……ました」
ネグリジェ姿のダークエルフの少女が、恥ずかしそうに壁に半身を隠しながらやって来る。
その首には細い奴隷である証の首輪が、まるで装飾品かの様に鈍色に光っていた。
「何隠れてるの、こっちに来なさい」
「は、はい……」
「何を恥ずかしがっているの?」
「こんな、可愛らしい服……私に、似合わないから……」
「似合ってるわよ……とは、お世辞にも言えないわね。私の服だから、着てるよりも着せられてる感じがするわね」
私の服は割と派手めなのが多く、控えめな彼女よりも目立っている。
それを指摘すると、小さい彼女は更に小さくなる。
それでも、彼女の容姿の可愛さが、まだ服にしがみつけていた。
「あぅ、ごめんなさい……」
「明日買いに行くから、今日はそれで我慢なさい」
「えっ? 私に、ですか……?」
「他に誰が居るのよ。ほら、夕食冷めるから、早く席に座りなさい」
私が料理を出すと、彼女は驚きの眼差しで料理を見つめる。
聞けば、奴隷だから余り物をほんの少しだけ恵んで貰えるものだと思っていたとのこと。
それが、普通に私と同じご飯が出されて驚いたらしい。
その答えに私は首を傾げる。
「ダークエルフの奴隷って、存在しないんでしょ? なんでそんなに板についてるわけ?」
「あくまでも、表向きの話です。私は裏の社会で奴隷として働いていました……」
「性奴隷として……?」
「私達のような魔族に、性的な感情を向ける人は居ません。旦那様が汚したシーツ類の洗濯や、表向き真摯な方の体罰、そう言った表の人達がやらない仕事を行います」
「ずっと……? なんで……?」
「分かりません。安く使い潰せるからなのか……。ただ、ずっとその様に過ごして来たので、ご主人様も遠慮なく私を使い、不要になれば捨てて下さい」
ダークエルフの正しい扱い方についての説明を終えた少女は、おずおずと私の顔を見る。
私の表情を見るに、彼女は再び驚きに目を見開いた。
それもそうだろう。今までは何も知らないで買っていた主人は、噂を裏打ち出来たことに喜び、その瞬間から彼女を物のように扱っていたから。
知らないというよりも、厳密には信じていなかったというのが正しいだろう。
それに比べて不機嫌そうな表情が増してはいるが、私は余り興味無さそうな感じだったから。
説明不足なのか、ちゃんと伝わっていなかったのかも知れないと思ったのだろう彼女は、何か例文を出そうとして、今まで受けてきた実体験以上の説明が思い浮かばなかったようで言葉に詰まっていた。
「取り敢えず、貴女をどんなに酷い扱いをしても文句も言わないし復讐もしない、ただのペットとかお人形に徹するということでしょう?」
「えっと、はい、その通りです・・・・・・」
「なら、ペットに餌を与える事も、人形の様に着飾る事も、別に可笑しな事じゃ無いでしょう?」
「確かにそうですが・・・・・・」
「とにかく、今はご飯が冷めるから、早く食べちゃいなさい」
「え、えっと、はい・・・・・・」
「それから、貴女の借金は私が全部払ってるんだから、それを捨てるなんて勿体無いことはしないわよ」
私がどれだけ彼女の説明を理解していたか、その言葉を借りて私の行いに不審な点は無いことを説明する。
そして聖金貨2枚は前世の札束のようなものだ。それを2つ出されたのだから、確かに簡単に捨てることは考えられない。
しかし、同時に私の命令には絶対服従、生殺与奪も私に握られていることになる。
それならやはり、さっきの時点で死ねば良かったと思っているのかも知れない。あるいは、私の本当の性癖に耐えられずに、死んだ目をして本当にロボットのようになってしまうのも嫌だ。
まぁ、そんな兆候があれば、私は間違いなく彼女を捨てると言う名目で自由にするだろう。
勿論、幾分かの迷惑料を包んで、彼女の身の安全を保証できるようにアイテムを渡すけれども。
そうして食事を終えて食器洗いを彼女に任せた私は、その後自室に彼女を呼ぶ。
彼女に部屋は与えない、彼女にプライベートは与えない、今はまだ。
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