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【R18】ただ旅行して、するだけ。

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夏休み。俺は幼馴染で、同じ生徒会の渚と共に一泊二日の旅行に来ていた。
「もう少しゆっくり歩いてもいいと思うんだが」
「時間には余裕を持って行動するべきだよ。それに、君にはこれくらいが丁度いいんじゃないかな」
……まあ、確かに。渚の言っていることは間違っていない。
ただ……その言い方だと俺がいつもギリギリに行動しているように聞こえるからやめてほしい。
「でも、今日はいつもより早いだろ?」
「私が起こして上げたからね。ほら伊吹、早く!」
「あ、ちょっ!?」
そう言って渚は俺の手を引いて駆け出した。
今日はとある山の麓にある温泉旅館で一泊二日だ。朝のうちにチェックインを済ませ、部屋に荷物を置いてから早速観光に来ている。
「まずはどこに行くんだ?」
「そうだね……とりあえず、この近くにロープウェイがあるみたいだからそれに乗って山の上まで行ってみようか」
「了解」
渚の案に頷き、俺たちはロープウェイ乗り場へと向かった。
「おお……」
ロープウェイに揺られること十数分、今日は天気にも恵まれていて、山の上からは見事な絶景を見ることが出来た。
「わー……」
隣では俺の幼馴染が目を輝かせて景色を眺めている。渚のこういうところが本当に可愛らしいと思う。
「……写真、撮ってあげようか?」
「ん?ああ……じゃあお願いしようかな」
スマホを渚に手渡すと、彼女は慣れた手つきで風景を撮影する。そして数分後……俺のスマホを返してくれた。
「はい、写真撮ったよ」
「ありがとう」
お礼を言ってから画面を見ると……そこには絶景が。それから渚は自分のスマホを取り出すと、自撮りに設定を切り替えて俺の腕を絡めて写真を1枚。
「さ、そろそろ行こうか」
「そうだな」
再び渚の案に従って、俺たちは次の目的地へと向かった。
それからも俺たちは様々な場所を観光して回った。そして夕方頃……旅館へと帰る途中、とある公園で渚は足を止めた。
「……伊吹」
「なんだ?」
「……上を、見てほしいな」
そう言って彼女は空を指差す。俺はその指に従って視線を上に向けた。
そこには……綺麗な星空が広がっていて……思わず言葉を失った。
「此処は山だから、都会と違って空気が綺麗だし、それに今日は新月だから星が綺麗に見えるんだよ」
「……これは、凄いな……」
俺は思わず感嘆の声を漏らす。すると……渚は嬉しそうに笑みを浮かべてから俺の腕を抱き寄せた。
「ねえ伊吹」
「ん?」
「……ありがとね、私の我儘に付き合ってくれて」
渚はそう言って少し俯いた。よく見るとその表情は少し悲しそうで……俺は優しく彼女の頭を撫でた。
「……なに?」
「いや、なんか辛そうな顔してたから……」
「強引だったかなって、心配だったんだ。ずっと不安だった」
「渚が隣にいるなら、例え地獄だってデートスポットだよ。それに……」
「それに?」
「……渚の我儘に振り回されるのは、もう慣れっこだからな」
渚は普段から自由で、俺はいつも彼女に振り回されている。
だけど……それが嫌じゃない自分がいるのも確かだ。
「そっか……ならよかった」
渚はそう言って再び嬉しそうに笑みを浮かべると、俺の腕にギュッとしがみついた。
「ねえ伊吹」
「ん?」
「……好きだよ」
「……ああ、俺もだよ」
彼女の言葉にそう返すと、渚は視線を逸らしながら、意を決したように向き合って目を閉じる。
俺はそんな彼女にそっと口づけを交わすのだった。

部屋に戻ると早速お風呂に行こうと旅館着を手に持つ渚。
「じゃあ、行くか」
「うん。早く行こうよ」
「そうだな……って、なんで急かすんだよ」
俺の腕を掴んでグイグイと引っ張る渚。
すると彼女はジト目で俺のことを見てきた。
「……今日は一緒にお風呂入ろっか」
「は?いや、それは……」
確かに俺たちは恋人で……そういうこともしているけど、流石に大浴場で一緒に入るというのは……。
「なに?私と一緒に入るのは嫌なの?」
「……恥ずかしいだろ」
「ふっふーん。そんなこともあろうかと、個室を用意しておいたのだ!ほら、行くよ」
「え、おいっ!」
俺は渚に手を引かれて大浴場へと向かうことになった。先に入った俺は露天風呂から見える景色に感嘆の声をもらす。
「おお……綺麗だな……」
夜空を見上げながら、俺は1人呟いた。それから数分後……渚がバスタオル一枚だけを持って入って来る。
いまだに、幼馴染とは言え渚の裸を見ることには慣れない。
「ふぃー、いい湯だね」
そう言って人の気も知らないで湯船につかる渚。
そして彼女は俺の隣に腰を下ろした。
景色を見て、同じように感嘆の声をもらしている。
それから、渚は俺の肩に頭を乗せて来る。
「どうした?」
「んーん。ただ、こうしていたいだけ。ダメかな?」
「別に、構わないよ」
「……えへへ」
渚は嬉しそうに笑ってから俺の肩に頬ずりをしてくる。
それから俺たちはしばらく景色を見ながら他愛のない話をした。
「なんか、恋人と入る露天風呂って、のぼせやすいね」
「これからもっとのぼせることをするのにか?」
「もう、ばか伊吹! 風情ってものがないんだから!」
渚はそう言うと、拗ねたように顔を逸らした。
そんな彼女を他所に、俺は景色を眺める。
「なぁ、渚」
「なに?」
「確かに大浴場は恥ずかしいかもしれないけどさ……2人きりで入るのも、悪くないな」
「……うん。そうだね」
2人で笑いあってから再び景色を見る……すると、不意に渚が立ち上がった。
そして俺の前へとやってくると、そのまま俺の足の間に座り込む。そして彼女は俺にもたれかかってくる。
「にひひ、景色も良いけど、私も見てくれないと寂しいな~?」
「はいはい、ちゃんと見てるよ」
渚のお腹に腕を回して抱き締めながらそう言ってやると、彼女は満足そうな笑みを浮かべた。
それから数分後……俺たちは満足するまで景色を楽しんだのだった。

「ねえ伊吹」
「どうした?」
「そっち、行っても良い?」
夕食も済ませた俺たちは、大浴場から帰って来ると部屋でのんびりと過ごしていた。
すると、渚が俺を呼ぶ。渚は基本的に自由奔放ではあるが、それと同じくらい甘えん坊だ。
「別に、構わないけど……渚?」
「むむっ! んー!」
ベッドに座っている俺のところにやって来たかと思うと、渚は俺の足の間に座り込む。そしてそのまま俺の方を振り返ってから両手を広げてきた。
「ん!」
「……はいはい」
俺は苦笑しながら彼女のことを抱き寄せてやった。すると渚は満足そうに笑みを浮かべると俺の胸に頭を預けてくる。
そんな渚の頭を優しく撫でてやると、彼女は気持ちよさそうに目を細めた。
「伊吹」
「ん?」
「好き」
「俺もだよ。お前が幼馴染で良かった。こんな美人が幼馴染じゃなかったら、絶対に高嶺の花で付き合えなかった」
「何言ってるの。伊吹は昔から良い男だよ。私は、そんな君だから好きになったの」
「そっか……」
渚の言葉に心が温かくなる。そして俺は渚の頬に手を添えると、そっと口づけを交わした。
「ねえ伊吹」
「なんだ?」
「……女の子から言わせるの?」
「悪い。でも、渚の口から聞きたい」
「……ばか」
渚はそう言ってから俺の首に手を回すと、そのまま唇を重ねてきた。
そして数秒後、唇を離すと彼女は恥ずかしそうにはにかむ。
「愛してるよ、伊吹……」
「俺もだよ、渚……」
2人で笑いあってからもう一度キスをする……それから俺は渚をベッドに押し倒した。
「こうして押し倒されると、伊吹も男の子なんだなって感じるよ。それに……顔、近い」
「嫌か?」
「ううん……ドキドキするけど、伊吹とのキスは好きだから、もっとして?」
「……あんまり可愛いこと言うな。手加減できなくなるだろ」
「えへへ。でも、私は伊吹になら何されてもいいよ?だから……」
そう言って渚は俺の首に腕を回して抱き着いてくる。
そして耳元で囁いた。
「いっぱい愛してね、ダーリン」
そんな幼馴染の我儘に振り回されながら過ごす夜は、とても幸せで……とても甘い。
バカップルと言われてもおかしくないような、そんな関係だ。
学校では、お互いに近寄りがたい存在と思われているらしいんだが。
「……優しくしてね、伊吹。私、初めてだから」
「……俺もだ」
「でも……嬉しい。好きな人に貰ってもらえるって、こんなに幸せなことなんだね」
「そうだな。俺も……渚のことを幸せにしてやりたいって思ってるよ」
2人で笑いあってからもう一度口づけを交わす。そして渚の浴衣の帯を解くと、はらりと彼女の肌が露わになった。
すると、彼女は恥ずかしそうに顔を背けた。そんな反応が可愛くて仕方がない。
「綺麗だ。いつ見ても、渚の身体を見るだけでドキドキする。……本当に、俺なんかで良いのか?」
「当たり前でしょ。伊吹がいいんだ。……だから早くして」
そう言って渚は俺の手を自分の胸へと誘導する。俺はそのまま渚の胸に手を置いて揉んでみた。
すると彼女は気持ちよさそうな声を上げる。そんな姿が可愛くて仕方がない。
「んっ……」
「大丈夫か?」
「……うん、大丈夫」
それからも優しく胸を揉んだり首筋を舐めたりすると、渚の口から甘い吐息が漏れた。
そして恥ずかしそうにしている様子もまた可愛らしい。
「やだ、伊吹に声聞かれるの……。恥ずかしいよ」
「俺は渚の可愛い声をいっぱい聞きたいな。それに、もっと渚の色んなところを愛したい」
「もう……バカ伊吹」
それからもしばらく胸を揉み続けたり首筋を舐めたりすると、渚は蕩けた表情を浮かべていた。そして物欲しそうな瞳で俺のことを見てくる。
そんな彼女の期待に応えるように唇を重ねた。そしてそのまま舌を絡ませる。
「んっ……ちゅっ……」
2人の唾液が絡み合い、淫靡な水音が響く中、俺は渚の胸の先端にあるピンク色の突起を指でつまんだ。すると渚は身体をビクッと震わせて甘い声を上げた。
「はぁ……あぁんっ……」
「気持ち良いか?」
「うん、すごく気持ちいい……伊吹にされるの、全部好き」
渚はそう言って俺の首に腕を回すと抱き着いてくる。そして耳元で囁いた。
「ねぇ伊吹、下も触って?」
「……わかった」
2人で笑いあってからもう一度口づけを交わすと、俺は彼女の下腹部へと手を伸ばした。下着越しに割れ目をなぞるように指を動かす。
それだけで、濡れていることが分かった。
「もう濡れてるね」
「言わないで、バカ……」
渚は恥ずかしそうに顔を背ける。そんな彼女の反応が可愛くて仕方がない。
「脱がすぞ」
「うん……」
それから俺は彼女の下着を脱がせると、直接彼女の秘所に触れた。そして割れ目をなぞってから中へと指を入れる。すると渚の口からは甘い声が漏れた。
「ひゃうっ……!?」
中はとても温かく、柔らかい粘膜で覆われていた。優しく撫でるように刺激してやると、渚は俺の服を握る手にギュッと力を込めた。
どうやら気持ち良いらしい。トロンと蕩けた表情をする渚が愛おしい。
俺はわざと音を立てながら彼女の耳にキスをする。
「やっ……だ、めっ」
「どうして?」
「伊吹の意地悪っ……!いぶきぃ……」
渚は甘えるように俺の名前を呼んでくる。そんな彼女が可愛くて仕方がない。
それからしばらくの間渚の中に指を入れてから、今度はゆっくりと引き抜いていく。すると渚の腰が浮いてきたため、俺はそのまま彼女を押し倒した。そして再び中へ指を入れると、先ほどよりも激しく動かした。
すると渚は身体を仰け反らせて絶頂を迎えたようだ。
「真面目で破天荒な副会長様も、ベッドの上ではこんなに可愛いんだな」
「はぁ……はぁ……伊吹のバカ。でも、そんな所も好きだよ」
渚はそう言って俺の首に手を回すと、今度は自分からキスをしてくる。そして舌を絡ませてきた。
「ねぇ伊吹、もっと愛して?」
「……ああ」
俺は渚の浴衣をはだけさせると、彼女の胸へと吸い付いた。すると渚の口から甘い吐息が漏れる。
それからしばらく胸を愛撫してから再びキスをすると、今度はお互いの唾液を交換するように深く口づけを交わす。
そして……。
「伊吹、私ばっかり気持ち良いから、伊吹も、そろそろ気持ちよく……なろ?」
「ああ」
そう言って渚は四つん這いになると、自らお尻をこちらに向けてきた。
「ほら伊吹……来て?」
「……わかった」
2人で笑いあってからもう一度口づけを交わすと、俺は渚の腰を掴みながらゆっくりと彼女の中に自分のモノを挿入した。そして奥まで入れた状態でしばらく動きを止める。
「んんっ……」
渚は苦しそうな声を上げるが、それでもやめようとはしない。俺はそんな渚の頭を撫でつつ腰を動かしていく。最初はゆっくりとした動きだったが次第に激しさを増していく。
「伊吹と、一つになったんだね、私……」
「そうだな。やっと渚の初めてを貰えたよ」
「えへへ、嬉しい」
そう言って渚は微笑む。そんな表情にドキッとさせられるが……すぐに抽挿を再開すると、渚の口からは甘い吐息が漏れた。そして俺は彼女の腰を掴むと更に強く打ちつけ始める。
すると渚は身体をビクビクと震わせた。
「あぁんっ!いぶきぃ……!もっと激しくしてぇ……!」
「ああ、任せろ!」
2人で笑いあってから何度も渚の中に出すと、彼女は満足そうに微笑む。そして俺たちはもう一度口づけを交わした。
「伊吹、大好き」
「俺もだよ」
2人で笑いあってからもう一度口づけを交わすと、渚は幸せそうな笑みを浮かべていた。そしてそのまま俺に抱き着いてくる。そんな彼女のことを優しく抱きしめてやった後、俺は再び行為を始めたのだった……。
それからしばらくして……俺と渚はベッドの上で抱き合って横になっている。お互いに裸のままだが今はそれが心地よかった。
「ねえ伊吹……」
「どうした?」
「愛してる。ずっと、一緒にいようね」
「ああ、約束するよ。渚のことは絶対に幸せにする」
「えへへ。嬉しいな」
2人で笑いあってからもう一度口づけを交わすと、俺たちも眠りにつくことにした。
こうして……俺と渚の初めての夜は更けていくのだった……。
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