(完)約束嫌いな私がしてしまった、してはいけない約束

自業自得

～エド～

参ったな～と思った。
まさか今日のうちに説教が始まるなんて考えてもいなかった。どうにかしてこの場を逃れられないかと考えるも、そもそも考える事が苦手なんだから良案なんて浮かぶはずもない。
せっかくイザベル嬢と少しだが楽しく話せたんだ余韻に浸りたいところだろう体なのにこれから親父の説教なんて聞いてられない。
後日であれば俺だって大人しく聞こうと思う。
これからイザベル嬢を守る為に強くなりたいから。
だから今日は見逃して貰いたいと思っている。
なのにハルは自分から頼んでまで説教されようなんて…信じられない。
俺は親父が母さんの事で怒っている事は分かるが俺には俺の事情がある。
大体にして2人が喧嘩し始めたんだから俺は良くないか？
どう切り抜けるかな…
幸いにもダニーが珍しく俺の味方のようだしもう少し粘ろうか…
そう思いダニーを伺う。

～ダニー～

何で今日の今日で親父の話を聞かなければならないのか理解に苦しむ。
確かに今までだったら分かったと理解のあるフリをしていただろう。
でも俺は今日はもう休みたいんだ！
どうしてかって？
だって木の日にイオと会えるチャンスなんだから。
早く休んでハル兄よりも先にイオに会いに行くんだ！
だから今日は休みたい何としても…明日の夜じゃダメなのか？
エド兄も今日は困るみたいだし…協力出来ないかな？
ハル兄だけが聞きたいのだから今日はハル兄と話をすれば良いんだよ！
そうだ、朝まで2人で話してくれれば俺がイオを独占出来るんだし！

「親父、ハル兄が話を聞きたいって言ってるだから2人で話せばいいだろ？俺は後日話を聞くよ。」

「そうだよ親父！そうしろよ！俺とダニーは後日話を聞くからさ！」

ハル兄は呆れた顔をしているがエド兄が加勢してくれたならいけるかもしれない。

「何を馬鹿なことを…３人まとめて話す！そう言ったつもらだが伝わらなかったか？それとも何か？今日は都合が悪いと？」

「そうなんだよ親父。」

「俺もだ！」

そうだ、都合が悪い事が理解してもらえれば…

「どういう都合だ？これから休むだけだろう？明日はイオと会う必要のないお前達に何の予定があると？」

「それは…エド兄なんかないの？」
「えっ？俺？そんな直ぐに思いつくかよ！お前が言い始めたんだから何か言えよ！」

「特に何もないのにこの場を逃れたくてそう言ったのか？よくわかったもう良い。」

よしっ！

俺は心の中で勝利の雄叫びをあげた…でもそう上手くいかないのが人生なんだと直ぐに理解する事となる…

「ハル、今日はお前はもう良い。2人は俺とじっくり話し合おうか！」

「「えっ？」」

そんな…

「それでは俺は失礼します。」

ハル兄は直ぐに居なくなった。
残された俺とエド兄は結局朝まで親父の話に説教されたせいでイオとの時間はハル兄が沢山過ごしたのは言うまでもない…こんなのあまりにも理不尽だ！