(完)約束嫌いな私がしてしまった、してはいけない約束

奏直

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ライバルはハル兄 ダニー視点

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結局エド兄と俺は親父の話を朝方まで聞く羽目になった。
ハル兄だけ親父の話を聞かなくて良いとか理不尽だと思う。
俺はイオにどうしても会いたくてそのまま起きていることにした。
湯浴みをしてソファで寛ぐ。
イオの元に行ったらイオは驚くだろうか?
そんな事を考えていたら疲れからかうつらうつらとしてしまう。
ほんの少しだけ仮眠をしても良いだろうかと思ったのが間違いだった…侍女に起こすように言わなかったのが間違いだった…と今なら分かるがこの時の俺はイオに会ったら何をしようかとかを考えていて夢と現の境が分からなくなっていた。
気がつけば俺は寝ていたらしい。
しかもイオの事を考えていたためか気分よく寝れたのだ。

次に目を覚ました時には時計は昼を回っていた。
俺は仮眠のつもりでしっかり6時間以上は寝ていたことになる。
慌てて起き上がり身なりを整える。
慌ただしく準備をしてイオの部屋に向かう。

トントン

と扉をノックするも誰も出てこない。

「部屋にいない?母さんのところか?」

嫌な予感に胸がザワつく。
1人呟くとそこにクラレンスがやってきた。

「ネイオウミお嬢様でしたらお出掛けされてますよ。」

「イオが出掛けてる?」

嫌な予感が確信になりそうで違うと早くクラレンスに否定して欲しくて早口になる。

「はい。」

「侍女のアリーとか?」

「アリーも一緒ですよ。」

アリーも、という事は他に誰かいるという事だ。
つまり誰かぎイオを連れ出した…

「アリーも?じゃあ連れ出したのは母さんか?」

ゴクリと唾を飲み込み肯定の言葉がくるのをまった。
だが、嫌な予感は当たるものだ。

「ハロルド坊ちゃんとです。」

やっぱり…昨日ハル兄だけは親父の話から逃れられたんだ、こうなる事は予想できてきた。
たから寝ずにイオの所に行こうと思っていたのに…
寝てしまったのは本当に痛恨のミスだった。

「どこに?」

失敗したからといってここで諦める訳にはいかない。

「街です。」

「街に…いつ?」

「そうですね…かれこれ3時間は経ちますでしょうか…」

さ、3時間?
出遅れたどころの話じゃない…今頃2人は仲良く買い物でもしてるのか?

「何で急に街に?」

「申し訳ございません。そこまでは…」

だよな…ハル兄の事だクラレンスに話していない訳がないが口止めして行ったんだ。
場所が分かれば俺が追いかけると思って…
3時間経っていても街まで行って探すか?
ハル兄にやられっぱなしは納得いかないからな‼︎

「クラレンス、俺も街に行く!」

「直にお戻りになられますよ?街まで行ってすれ違っては余計に時間を無駄にするのでは?」

ぐっ…クラレンスの言う通りだ。
これで街まで行ってすれ違った挙句に邸に戻ったイオがハル兄とさらに一緒に過ごす事になったら元も子もないない。
だが、ハル兄は間違いなくデートのつもりで連れ出してるはず…くそっ!
何で…ハル兄が戻ったら文句は言う!
が、それより先にイオが戻った時の事を考えなきゃだな!
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