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マルコイ・ラドルフ
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俺にはサミュエル公爵家の令息であるハロルド・サミュエルという友人がいる。
ハルも同じ意見だとは思うが出会った当初はいけすかない嫌な奴だと思っていた。
最初の出会いはデビュタントの夜会。
今後、同世代として共に社交会を支えて行く者同士として交流を持つものだがハルは違った。
まぁ、当然と言えば当然だった。
ハルは王位継承権を持っているのだからハルが立太子すれば俺達の主君になる訳だから…そう思っていたがどうやらそう言った意味で嫌な態度だった訳ではなかったのだと2度目に会った夜会で知る。
2度目に会った時には俺は声もかけなかった。
嫌な思いを何度もしたい奴なんていない。
俺は楽しく過ごしたいのだ。
なのに俺はハルの動向が気になって仕方なかった。
断じて言うが俺は女の子が大好きだ。
ハルに懸想しているわけではない!
とにかくハルの言動を目で追っていた。
ハルは自分よりも年上の人間だろうと同じ様な態度でいた。
だから俺は同世代だけでなく誰彼構わず同じ様に傲慢で冷徹な態度なんだと思った。
嫌な奴だ…
それなのにハルの周りには綺麗なお姉様達や可愛い女の子に大人達までも挨拶に行きペコペコしている。
俺は絶対に関わりたくないと心底思ったものだ。
だがそれが変わったのが5度目に会った夜会での事だった。
俺は会場の熱気に当てられ涼むためにテラスに出ていた。
そこにハルとハルの兄のエド兄がいた。
エド兄はハルとは違い気さくに接してくれていて兄呼びもさせてくれている。
そうそう、それで2人が先にテラスにいて話しているところに遭遇したのだがその話の内容で印象が変わった。
「ハル、もう少し愛想良く出来ないのか?」
「無理だよ。腹ん中で何を考えているのかわからないような奴等に愛想なんて振りまけるかよ。」
「ハルの気持ちは分かるけど、あれじゃあお前の印象が悪すぎるだろう。」
「無理だ。それが出来るならもっと要領よく立ち回ってる。それに、またあんな目にあったらと思うとどうしても…」
「あんな事何度もあってたまるか‼︎」
「でも俺は2回も誘拐された…次が無いなんて思えないし、そうでなくても、そんな事を考えているような奴等ばかりの中で信用できない事には変わりないだろ!あいつらは俺を見てる訳じゃないだろ!」
何だよ!ハロルド・サミュエルは誘拐されて人間不信になったから、あんなに態度が悪かったのか?
何だよ…傲慢で冷徹じゃなくて臆病で怖がりかよ…
そう思うとこいつと仲良くしたいと思って思わず声をかけていた。
これが俺とハルの出会いだった。
その後は俺を怪しんだハルにウザがられながらもエド兄の助けを得て今に至るわけで…そんなハルが想いを寄せた女性に俺が興味を持つのも当然で…ハルが今日の事を計画している事を事前に知れて本当に良かったと思う。
「あ~イオの本棚はマルに協力してもらったんだ。」
「そうなんですか?マルコイ様ありがとうございます。」
「いやいや~可愛い本棚を探してるって親友に言われたら張り切って助けるでしょう!喜んでもらえたなら俺も嬉しいよ。」
「それで?マルは何の用なんだ?」
「ん?会ってみたくてね!ハルの婚約者候補にさ!」
一緒に出掛ける位なんだからお互い好意があるからだと思っていたがこの話を出した途端2人の顔が曇った。
ハルはよく見たら分かる程度に、彼女はあからさまに落ち込んだ顔をする。
これは…まずい事言ったかな?ハルは未だに多くを語らないからな…さて、どうするか…
ハルも同じ意見だとは思うが出会った当初はいけすかない嫌な奴だと思っていた。
最初の出会いはデビュタントの夜会。
今後、同世代として共に社交会を支えて行く者同士として交流を持つものだがハルは違った。
まぁ、当然と言えば当然だった。
ハルは王位継承権を持っているのだからハルが立太子すれば俺達の主君になる訳だから…そう思っていたがどうやらそう言った意味で嫌な態度だった訳ではなかったのだと2度目に会った夜会で知る。
2度目に会った時には俺は声もかけなかった。
嫌な思いを何度もしたい奴なんていない。
俺は楽しく過ごしたいのだ。
なのに俺はハルの動向が気になって仕方なかった。
断じて言うが俺は女の子が大好きだ。
ハルに懸想しているわけではない!
とにかくハルの言動を目で追っていた。
ハルは自分よりも年上の人間だろうと同じ様な態度でいた。
だから俺は同世代だけでなく誰彼構わず同じ様に傲慢で冷徹な態度なんだと思った。
嫌な奴だ…
それなのにハルの周りには綺麗なお姉様達や可愛い女の子に大人達までも挨拶に行きペコペコしている。
俺は絶対に関わりたくないと心底思ったものだ。
だがそれが変わったのが5度目に会った夜会での事だった。
俺は会場の熱気に当てられ涼むためにテラスに出ていた。
そこにハルとハルの兄のエド兄がいた。
エド兄はハルとは違い気さくに接してくれていて兄呼びもさせてくれている。
そうそう、それで2人が先にテラスにいて話しているところに遭遇したのだがその話の内容で印象が変わった。
「ハル、もう少し愛想良く出来ないのか?」
「無理だよ。腹ん中で何を考えているのかわからないような奴等に愛想なんて振りまけるかよ。」
「ハルの気持ちは分かるけど、あれじゃあお前の印象が悪すぎるだろう。」
「無理だ。それが出来るならもっと要領よく立ち回ってる。それに、またあんな目にあったらと思うとどうしても…」
「あんな事何度もあってたまるか‼︎」
「でも俺は2回も誘拐された…次が無いなんて思えないし、そうでなくても、そんな事を考えているような奴等ばかりの中で信用できない事には変わりないだろ!あいつらは俺を見てる訳じゃないだろ!」
何だよ!ハロルド・サミュエルは誘拐されて人間不信になったから、あんなに態度が悪かったのか?
何だよ…傲慢で冷徹じゃなくて臆病で怖がりかよ…
そう思うとこいつと仲良くしたいと思って思わず声をかけていた。
これが俺とハルの出会いだった。
その後は俺を怪しんだハルにウザがられながらもエド兄の助けを得て今に至るわけで…そんなハルが想いを寄せた女性に俺が興味を持つのも当然で…ハルが今日の事を計画している事を事前に知れて本当に良かったと思う。
「あ~イオの本棚はマルに協力してもらったんだ。」
「そうなんですか?マルコイ様ありがとうございます。」
「いやいや~可愛い本棚を探してるって親友に言われたら張り切って助けるでしょう!喜んでもらえたなら俺も嬉しいよ。」
「それで?マルは何の用なんだ?」
「ん?会ってみたくてね!ハルの婚約者候補にさ!」
一緒に出掛ける位なんだからお互い好意があるからだと思っていたがこの話を出した途端2人の顔が曇った。
ハルはよく見たら分かる程度に、彼女はあからさまに落ち込んだ顔をする。
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