108 / 215
断れた婚約話 シャーロット視点
しおりを挟む
招待状と手紙を送ったのが2日前。
そして今日ハロルド様から返事が来たかと思えば断りの返事だった。
エスコートだけが断られたと思ったらお爺様の所には婚約も断る旨の返事が来ていた。
私はお爺様の邸で与えられた自室で怒りのあまり叫んでいた。
「どうして断るの?ネイオウミ…あの女より私の方が可愛いのに!どうしてハロルド様は断るのよ!」
私はネイオウミよりも劣っているなんて思いたくないし実際そんな事はないと思っているけれど、断られるとは思っていなかったからあの女に負けたような気になってしまう。
「うっ…き、気持ち悪い…」
私は怒りに任せて叫んでいたが急に気持ち悪くなって用意させていたクッキーを頬張る。
実は私は妊娠してしまったらしく、気持ち悪くなってしまう。
食べ物を食べれば治るが急に私の食事の量が増えては怪しまれるから気をつけている。
食事量は増やせないからこうしてクッキーなどで誤魔化している。
夜会の時にハロルド様と事をなせば彼の子として育てられると思った。
だって私に直接会えばハロルド様はきっとあの女より私の方が良いと思うに違いない。
私に手を出さずにはいられないはずだわ。
多分お腹の子供の父親と思われるレイモンドも私にメロメロだったもの。
多分というのは…そういう事だ…
「それにあの男にバレるなんて…」
私が妊娠していることを唯一知っているのがアイザック・ジョセフ。
お爺様のお屋敷で執事として働いているこの男は、なぜか私が妊娠していると気付いた。
お爺様やお母様に報告はされなかった。
それどころかアイザック・ジョセフは私を助けてくれている。
クッキーを用意してくれたりお母様達にバレないように助けてくれる。
一体何の目的があるのかは不明だ。
アイザック・ジョセフは私よりも20ほどは歳上で、お母様と歳は近いと思う。
グレーの髪は光に当たると僅かに青みがかっている事がわかる。
いつもニコニコと笑っていて何を考えているか分からない、私は苦手だ。
そんな男に妊娠している事がバレてしまうなんて…
「それもこれも全部あの女が悪いのよ。あの女がいるから優しいハロルド様は私のエスコートも婚約話も断らなければならなかったのよ。そうよハロルド様が優しい事にあの女はつけ込んだのよ!」
ハロルド様は私があるパーティーで転んだ時に周囲にいた人たちはクスクスと笑って馬鹿にした目で見てきたけれど彼だけは笑わなかった。
顔も好みだったし、公爵家の子息だし、王位継承権も持っている。
皆は彼の事を冷たいというけれど私はそうは思わない。
そうよ!ハロルド様は優しいのよ。
だから仮にもネイオウミが婚約者候補のような存在だから私の誘いを断ったんだわ。
「あの女許せない!私の邪魔をするなんて!そうよあの女のせいなのよ。絶対に許さない!夜会では覚えていなさいよ!…うっ、気持ち悪い…」
怒りと気持ち悪さとを繰り返しながら私は夜会までの日々を過ごした。
そして今日ハロルド様から返事が来たかと思えば断りの返事だった。
エスコートだけが断られたと思ったらお爺様の所には婚約も断る旨の返事が来ていた。
私はお爺様の邸で与えられた自室で怒りのあまり叫んでいた。
「どうして断るの?ネイオウミ…あの女より私の方が可愛いのに!どうしてハロルド様は断るのよ!」
私はネイオウミよりも劣っているなんて思いたくないし実際そんな事はないと思っているけれど、断られるとは思っていなかったからあの女に負けたような気になってしまう。
「うっ…き、気持ち悪い…」
私は怒りに任せて叫んでいたが急に気持ち悪くなって用意させていたクッキーを頬張る。
実は私は妊娠してしまったらしく、気持ち悪くなってしまう。
食べ物を食べれば治るが急に私の食事の量が増えては怪しまれるから気をつけている。
食事量は増やせないからこうしてクッキーなどで誤魔化している。
夜会の時にハロルド様と事をなせば彼の子として育てられると思った。
だって私に直接会えばハロルド様はきっとあの女より私の方が良いと思うに違いない。
私に手を出さずにはいられないはずだわ。
多分お腹の子供の父親と思われるレイモンドも私にメロメロだったもの。
多分というのは…そういう事だ…
「それにあの男にバレるなんて…」
私が妊娠していることを唯一知っているのがアイザック・ジョセフ。
お爺様のお屋敷で執事として働いているこの男は、なぜか私が妊娠していると気付いた。
お爺様やお母様に報告はされなかった。
それどころかアイザック・ジョセフは私を助けてくれている。
クッキーを用意してくれたりお母様達にバレないように助けてくれる。
一体何の目的があるのかは不明だ。
アイザック・ジョセフは私よりも20ほどは歳上で、お母様と歳は近いと思う。
グレーの髪は光に当たると僅かに青みがかっている事がわかる。
いつもニコニコと笑っていて何を考えているか分からない、私は苦手だ。
そんな男に妊娠している事がバレてしまうなんて…
「それもこれも全部あの女が悪いのよ。あの女がいるから優しいハロルド様は私のエスコートも婚約話も断らなければならなかったのよ。そうよハロルド様が優しい事にあの女はつけ込んだのよ!」
ハロルド様は私があるパーティーで転んだ時に周囲にいた人たちはクスクスと笑って馬鹿にした目で見てきたけれど彼だけは笑わなかった。
顔も好みだったし、公爵家の子息だし、王位継承権も持っている。
皆は彼の事を冷たいというけれど私はそうは思わない。
そうよ!ハロルド様は優しいのよ。
だから仮にもネイオウミが婚約者候補のような存在だから私の誘いを断ったんだわ。
「あの女許せない!私の邪魔をするなんて!そうよあの女のせいなのよ。絶対に許さない!夜会では覚えていなさいよ!…うっ、気持ち悪い…」
怒りと気持ち悪さとを繰り返しながら私は夜会までの日々を過ごした。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完】まさかの婚約破棄はあなたの心の声が聞こえたから
えとう蜜夏
恋愛
伯爵令嬢のマーシャはある日不思議なネックレスを手に入れた。それは相手の心が聞こえるという品で、そんなことを信じるつもりは無かった。それに相手とは家同士の婚約だけどお互いに仲も良く、上手くいっていると思っていたつもりだったのに……。よくある婚約破棄のお話です。
※他サイトに自立も掲載しております
21.5.25ホットランキング入りありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います
りまり
恋愛
私の名前はアリスと言います。
伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。
母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。
その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。
でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。
毎日見る夢に出てくる方だったのです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる