(完)約束嫌いな私がしてしまった、してはいけない約束

奏直

文字の大きさ
109 / 215

夜会に向けての準備

しおりを挟む
ハル様にエスコート了承の返事をした事になってしまった私はその日から夜会に向けてのレッスンを受ける事になりました。
ドレスを着て踵の高い靴を履いて歩く練習。
この練習にはエド様が"体幹が大事だ!"と言いながら見て下さいます。
お辞儀などの所作。
マナーについてはお義母様が教えて下さいます。
それから社交界に来られる方の家名や名前を覚える勉強。
こちらはダニー様が"俺が…したかったのに…"とブツブツ仰りながら教えて下さいました。
ダニー様でもまだ社交界に来られる方について学びたいなんて…社交界は大変な所なのだと思いました。
どれもが慣れないため大変でしたが…何よりも大変だったのはダンスの練習でした。
ハル様とその…手を取り合い距離もかなり近い状態でダンスをするのです。
ダンスの先生はクラレンスさん。
でもお相手はハル様なので緊張が緊張で緊張し放題です。
それからサミュエル公爵様とお父様から夜会のドレス一式をプレゼントして頂きました。
ハル様にエスコートして頂く事になり直ぐに作り始めたドレスや装飾品はハル様の色である様々な青を入れて作られました。
全身がハル様に包まれているような装いになる事に今から赤面が止まりません。
とにかくそのようにして私の夜会に向けての準備が進んでいきます。

その一方でハル様が婚約話とエスコートを断ってから何故か私宛にシャーロットから手紙が毎日のように届くようになりました。
私は一度も内容を読んではいません。
何故かと言いますと私が読む前にサミュエル公爵様にお義母様、ハル様達も先に読まれ私には読ませられないと仰ったからです。
皆様が読んではいけないと言うほどの手紙の内容とは一体どんな内容だったのか気になりますが、内容を確認するのも怖くて読みたくはありません。
夜会の前からこの様な状態ですのに夜会で会ったらどうなるのか…シャーロットは妊娠していると言いますからお腹の子供の為にも無理はしないで欲しいのですが難しいかもしれないですね…
私はシャーロットとは仲良くするのはもう難しいのでしょうか…
どんな縁でも姉妹になれましたのに…
確かにあの頃の様に怖い思いや嫌な思いはしたくありませんが…
無理でしょうかね…難しいですよね…
私はハル様が好きで…シャーロットももしかしたらそうなのかもしれません。
そうであれば仲良くなんて出来ないのかもしれません。
それでも…なんて私は傲慢ですね。

はぁそれにしても夜会で何も起きなければ良いのですが…ハル様にエスコートして頂く事も大事なのにこれ以上何かあったら私はどうしたらいいのでしょう…
好きな人にエスコートされて夜会に私が出るなんて…縁とは不思議なものですね…

それにしてもハル様とのダンスレッスンはどうしたら良いのでしょうか…
しおりを挟む
感想 93

あなたにおすすめの小説

【完】まさかの婚約破棄はあなたの心の声が聞こえたから

えとう蜜夏
恋愛
伯爵令嬢のマーシャはある日不思議なネックレスを手に入れた。それは相手の心が聞こえるという品で、そんなことを信じるつもりは無かった。それに相手とは家同士の婚約だけどお互いに仲も良く、上手くいっていると思っていたつもりだったのに……。よくある婚約破棄のお話です。 ※他サイトに自立も掲載しております 21.5.25ホットランキング入りありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ  Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.  ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います

りまり
恋愛
 私の名前はアリスと言います。  伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。  母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。  その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。  でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。  毎日見る夢に出てくる方だったのです。

殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。

和泉鷹央
恋愛
 雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。  女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。  聖女の健康が、その犠牲となっていた。    そんな生活をして十年近く。  カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。  その理由はカトリーナを救うためだという。  だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。  他の投稿サイトでも投稿しています。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

処理中です...