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底抜けのおバカな子 ヴィッキー視点
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「黙らっしゃい小娘が!」
私の目の前で喚いているシャーロット・レナイトに苛立ってつい言ってしまった。
私の息子の名を汚し、イオを心身共に傷つけてきた張本人。
もちろん彼女だけが悪いわけではない。
母親であるキャサリン夫人が彼女をこう育てた。
どんな理由があろうと2人は罰受けるべきだわ。
ジェダイナ公爵に関しては義兄である国王が直々に罰を下すと言っていたとロビンは言っていた。
キャサリン夫人とシャーロットへの罰は王弟であるロビンが決めていいと言われたとも言っていた。
それが分かっていながら私は大人しく待つことが出来なかったダメな妻…でも、許せなかったのよ。
大体ロビンも黙ってないでとっとと、罰してくれれば良かったのに!
そうは言っても口出ししちゃったんだから言いたいこと言わせてもらうわ。
「こ、小娘⁉︎」
「淑女のかけらも見当たらないのだから小娘で十分でしょう。それとも貴女は自分の事を非の打ち所のない立派な淑女とでも思っているのかしら?」
ジェダイナ公爵夫人はさすが公爵令嬢として育てられ、今まで社交界を生き抜いてきた人らしく凛とした貴婦人だ。
曲がりなりにもそんな人の孫娘でもあると言うのに、なぜこんなにも品性のかけらも知性のかけらもないないのかしら。
キャサリン夫人も品を損なうようなことはしない人なのに、シャーロット・レナイトは今まで淑女教育を受けてこなかったのかしら?
「と、当然ですわ!私はハロルド様と結婚し未来の王妃になるのだから!」
ピシッ
笑顔をなんとか崩さなかった自分を褒めたいわ。
「王妃?私の息子と結婚して王妃になると?」
「えぇそうですわ。お義母様も私のような可愛らしく淑女の鏡のような娘ができる事を誇りに思って下さいまし。」
胸を張って堂々とよくそんなことが言えるわねこの子…
「ねぇハル?そうなの?」
事実確認のためではなく、目の前のお馬鹿な小娘に事実を突きつけるべく息子に聞いてみる。
聞いた途端に物凄く嫌な顔をするハル。
冷淡とか冷徹とか言われてきたハルだがある意味3人の中で一番素直なのよね。
「冗談でもそんな事を言わないでもらえますか?俺はシャーロット・レナイトとは関係ありません。それは今後も変わる事なくです。彼女と結婚するなどあり得ない。大体、俺は王位継承権を持っているだけで王位に就くと決まったわけではありません。それは国王がお決めになる事だ。それを不敬にも俺がそうなることが決まっているかのように言うなんて…」
「えっ?そうなのですか?」
ダメだわ、この子何も分かっていない…話をするだけ無駄かしらね?
「キャサリン・レナイト夫人。母親である貴女も同じ考えなのかしら?」
私の質問に引きつった笑顔を向けるキャサリン夫人。
「私はそのような事は…これは娘が勝手に言っているだけですわ。」
あらっ!あっさり娘を切り捨てるのね…
「自分の娘がそう言っているのに貴女は咎めなかったわ。それは何故?」
「そ、それは…」
「それは?」
「はっ!お母様、私のお父様は誰ですの?お父様が誰か分からないからハロルド様が私と結婚してくださらないのですわ。」
この子の思考はどうなっているのかしらね?
「シャーロット・レナイト嬢、貴女にも分かるように教えてあげるわ。私の息子はどんな事があろうと貴女とは結婚しないわよ。」
「な、何故ですの?」
「理由は2つ。1つは息子が貴女にかけらも愛情を抱くことはないから。2つ目の理由は貴女が国境の修道院で一生幽閉されるからよ。」
「何でですの?」
はぁこの子と話しているとエドは言われるほどおバカさんではないと思ってしまうわ。
私の目の前で喚いているシャーロット・レナイトに苛立ってつい言ってしまった。
私の息子の名を汚し、イオを心身共に傷つけてきた張本人。
もちろん彼女だけが悪いわけではない。
母親であるキャサリン夫人が彼女をこう育てた。
どんな理由があろうと2人は罰受けるべきだわ。
ジェダイナ公爵に関しては義兄である国王が直々に罰を下すと言っていたとロビンは言っていた。
キャサリン夫人とシャーロットへの罰は王弟であるロビンが決めていいと言われたとも言っていた。
それが分かっていながら私は大人しく待つことが出来なかったダメな妻…でも、許せなかったのよ。
大体ロビンも黙ってないでとっとと、罰してくれれば良かったのに!
そうは言っても口出ししちゃったんだから言いたいこと言わせてもらうわ。
「こ、小娘⁉︎」
「淑女のかけらも見当たらないのだから小娘で十分でしょう。それとも貴女は自分の事を非の打ち所のない立派な淑女とでも思っているのかしら?」
ジェダイナ公爵夫人はさすが公爵令嬢として育てられ、今まで社交界を生き抜いてきた人らしく凛とした貴婦人だ。
曲がりなりにもそんな人の孫娘でもあると言うのに、なぜこんなにも品性のかけらも知性のかけらもないないのかしら。
キャサリン夫人も品を損なうようなことはしない人なのに、シャーロット・レナイトは今まで淑女教育を受けてこなかったのかしら?
「と、当然ですわ!私はハロルド様と結婚し未来の王妃になるのだから!」
ピシッ
笑顔をなんとか崩さなかった自分を褒めたいわ。
「王妃?私の息子と結婚して王妃になると?」
「えぇそうですわ。お義母様も私のような可愛らしく淑女の鏡のような娘ができる事を誇りに思って下さいまし。」
胸を張って堂々とよくそんなことが言えるわねこの子…
「ねぇハル?そうなの?」
事実確認のためではなく、目の前のお馬鹿な小娘に事実を突きつけるべく息子に聞いてみる。
聞いた途端に物凄く嫌な顔をするハル。
冷淡とか冷徹とか言われてきたハルだがある意味3人の中で一番素直なのよね。
「冗談でもそんな事を言わないでもらえますか?俺はシャーロット・レナイトとは関係ありません。それは今後も変わる事なくです。彼女と結婚するなどあり得ない。大体、俺は王位継承権を持っているだけで王位に就くと決まったわけではありません。それは国王がお決めになる事だ。それを不敬にも俺がそうなることが決まっているかのように言うなんて…」
「えっ?そうなのですか?」
ダメだわ、この子何も分かっていない…話をするだけ無駄かしらね?
「キャサリン・レナイト夫人。母親である貴女も同じ考えなのかしら?」
私の質問に引きつった笑顔を向けるキャサリン夫人。
「私はそのような事は…これは娘が勝手に言っているだけですわ。」
あらっ!あっさり娘を切り捨てるのね…
「自分の娘がそう言っているのに貴女は咎めなかったわ。それは何故?」
「そ、それは…」
「それは?」
「はっ!お母様、私のお父様は誰ですの?お父様が誰か分からないからハロルド様が私と結婚してくださらないのですわ。」
この子の思考はどうなっているのかしらね?
「シャーロット・レナイト嬢、貴女にも分かるように教えてあげるわ。私の息子はどんな事があろうと貴女とは結婚しないわよ。」
「な、何故ですの?」
「理由は2つ。1つは息子が貴女にかけらも愛情を抱くことはないから。2つ目の理由は貴女が国境の修道院で一生幽閉されるからよ。」
「何でですの?」
はぁこの子と話しているとエドは言われるほどおバカさんではないと思ってしまうわ。
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