(完)約束嫌いな私がしてしまった、してはいけない約束

奏直

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レナイト家の裁き③ シャーロット視点

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お母様とお父様は貴族籍を剥奪され平民になって、私は生涯を修道院で幽閉されて生きていく。
私を傷つけたネイオウミは罰せられず、お姉さまが侯爵位を継ぐ…何で?
どうして私だけ幽閉されるのよ!
私達は姉妹でしょう?だったら2人も罰せられるか、私の罰もなかったことにしてくれても良いじゃない!
それに私は妊娠しているのよ!
それなのに修道院で幽閉なんて、非道すぎるわ…

「サミュエル公爵様。」

このような状況で私から話しかけるのが非常識だなんて私は知らなかった。
だから私は悪くないと思うの。
公爵様が私を睨みつけているように見えるけど、可愛い私を睨むなんてそんな事ないわ。
きっと公爵様は目が悪いのですわ。
返事を返してくださらないということは耳も悪いのかもしれません。
そもそもこの会場にはたくさんの人がいますからね。
聞こえなかったのかもしれません。

「公爵様聞こえていますか?」

私ったら優しいわ。
公爵様を気遣ってこうして聞いているのですもの。

「シャーロット・レナイト。」

今度は聞こえたみたいですわ。
良かった

「はい。何ですの?」

「君には淑女の振る舞いを学ぶ時間はなかったのかな?」

公爵様は何を聞きたいのかしら?
私は侯爵家の令嬢なんだからそんなのは学んできたに決まっていますわ。
まぁ、つまらなくてほとんど聞いていませんでしたけど…学びはしましたわ。

「当然、学びましたわ。」

「なら何故、今私に話しかけようと思ったのかな?」

公爵様の話し方は分かりにくいですわ。
なんで話しかけたかって…あぁ私ったらうっかりしてましたわ。
公爵様に用件を話しておりませんでしたわ。

「申し訳ございませんです。私ったら用件も伝えずにいたなんて、うっかりしておりましたわ。」

あら?なんだか公爵様の眉間に皺が寄った気がするわ。
何かあったのかしら?
まぁ気にしても仕方ないわね。

「ご用件ですが、私が修道院に行くのはおかしいと思いますの。」

「何がおかしいんだい?」

「はい。私は…お恥ずかしながら子供を授かっております。」

「私の息子の子供だと嘘をついていたな。」

はうっ…怒っていらっしゃる…確かに嘘でしたけど…ハロルド様が好きすぎてついてしまったお茶目な嘘だったのに…そんなに怒らなくてもいいじゃないですの。

「それについては謝りますわ。」

「それで?子供を授かっているから修道院に行けないとはどういうことだ?」

「えっ!だって妊婦は安静にしていなければなりませんわ。それなのに修道院に行ったのでは心休まる気がしませんもの。体に良くないですわ。」

「知らないようだから教えるが、修道院では子供を授かったが事情があって伴侶がいない女性に手を差し伸べてもいる。心配する必要はない。」

伴侶がいない女性…私もそれになるから…いえ私の場合は両親が貴族籍を剥奪されるから修道院へ行かせられるのね。
1人で子供を産んで育てるのが大変だから公爵様は私を哀れに思って手を差し伸べてくださっているんだわ。
でも、私は修道院には行きたくないわ。
ハロルド様と結ばれたかったけれど、こうなっては仕方ないわね。

「お腹の子供には父親がいます。そのかたはレイモンド・アッセル侯爵令息ですわ。」

私の言葉に皆さんが一斉にレイを見ます。
さぁレイ、愛しのロッティに愛を誓って!!

「俺はシャーロット嬢とは何の関係もありません。そのような言いがかりは迷惑です。」

どうして?私と愛を誓ったのに…レイ…どうしてそんな事を言うの?
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