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レナイト家の裁き④
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「お腹の子供には父親がいます。そのかたはレイモンド・アッセル侯爵令息ですわ。」
シャーロットは声高々にそう叫びました。
確かにシャーロットはその…確かにレイモンド様とそういう関係でしたし、社交界には広まってないようですが婚約者でしたし子供の本当の父親はレイモンド様なのですから当然ですわね。
だからと言ってシャーロットが修道院に行かないでいられるかは分からないですが…譲歩はしていただけるかも?しれないですわね。
レイモンド様だって好きな女性の子供ですもの、本当の事を言ってもらえて安心しているはずですわ。
私はそう思っていたのですがレイモンド様のお答えは違いました。
「俺はシャーロット嬢とは何の関係もありません。そのような言いがかりは迷惑です。」
そんな…だってレイモンド様はシャーロットと…
「そんな…レイ…私達…婚約していましたよね…」
シャーロットがそう言いますがレイモンド様は思いもよらない事を話されたのです。
「私はネイオウミ・レナイト嬢と婚約していました。それを何を勘違いしているのか自分が婚約者だったなどと言うなんて…」
周囲の視線が私に向くのが分かります。
確かに私はレイモンド様と婚約していましたが…
「私が婚約解消されたのはネイオウミ嬢に王家の血が流れているからだったのですか?だから私の前に婚約されていたシオドア・ラグデル伯爵令息との婚約も解消されたのですか?今度はハロルド・サミュエル様がお相手ですか?」
その言葉はまるで私が家格の高い令息を見つけては婚約者を乗り換えているように聞こえます。
いえ、周囲の方の反応も『そんな…王家の血が流れているから大きな声では言えませんが淑女としてどうなの?』とか『ハロルド様はやはり騙されているんだわ。』なんて言葉が聞こえてきます。
私はどう説明すればいいか分からず手の平をギュッと握って俯いてしまいました。
ですが私のその手をハル様は優しく握り『大丈夫だよ。俺が今度こそ守るから。』と言って下さったのです。
「レイモンド・アッセル侯爵令息。」
「な、なんですか?」
レイモンド様はハル様から声を掛けられるとは思っていなかったようでビクビクされています。
「俺は君がシャーロット嬢と婚約したいためにネイオウミ嬢との婚約を解消したと聞いているが?」
「そ、それは何かの間違いでは?」
「そうなのですか?ニコラス侯爵。」
そう聞かれたお父様は虚な目ではありましたが、ゆっくりと顔をあげハル様を見ます。
「いえ。レイモンド・アッセルはシャーロットと婚約したいからとネイ…オウミとの婚約解消を申し出てきました。」
お父様は私の名前を呼ぶ時チラリと私を見ました。
本当に一瞬でしたが…それに、本当のことを言ってくれました。
「だそうだが?その場合、シャーロット嬢が嘘をついているとは思えないのだが?」
「…っうぐ。」
「レイモンド・アッセル令息、すまないが僕はネイオウミ嬢とは両家の意向により婚約を解消しているんだ。君の言っている話と事実は違う。」
まさかのシオドア様の援護を頂けてしまいました。
レイモンド様は苦い顔をされました。
本当の事だからこそ何も言えなくなってしまったのでしょう。
「もう良いですわ!私はこの子を1人で育てますわ!私は1人では生きていけませんもの、仕方ありませんわ…修道院でもどこにでも行ってさしあげますわ。」
シャーロットはレイモンド様のその様子に諦めたのか、単に強がりなのか分かりませんがそう言いきったのです。
その顔は裏切られて辛いような寂しいような気持ちを必死に隠した顔でした。
こんな時に何も言えない私はレナイト家にいた頃と何も変わっていないと思い悲しくなりました。
シャーロットは声高々にそう叫びました。
確かにシャーロットはその…確かにレイモンド様とそういう関係でしたし、社交界には広まってないようですが婚約者でしたし子供の本当の父親はレイモンド様なのですから当然ですわね。
だからと言ってシャーロットが修道院に行かないでいられるかは分からないですが…譲歩はしていただけるかも?しれないですわね。
レイモンド様だって好きな女性の子供ですもの、本当の事を言ってもらえて安心しているはずですわ。
私はそう思っていたのですがレイモンド様のお答えは違いました。
「俺はシャーロット嬢とは何の関係もありません。そのような言いがかりは迷惑です。」
そんな…だってレイモンド様はシャーロットと…
「そんな…レイ…私達…婚約していましたよね…」
シャーロットがそう言いますがレイモンド様は思いもよらない事を話されたのです。
「私はネイオウミ・レナイト嬢と婚約していました。それを何を勘違いしているのか自分が婚約者だったなどと言うなんて…」
周囲の視線が私に向くのが分かります。
確かに私はレイモンド様と婚約していましたが…
「私が婚約解消されたのはネイオウミ嬢に王家の血が流れているからだったのですか?だから私の前に婚約されていたシオドア・ラグデル伯爵令息との婚約も解消されたのですか?今度はハロルド・サミュエル様がお相手ですか?」
その言葉はまるで私が家格の高い令息を見つけては婚約者を乗り換えているように聞こえます。
いえ、周囲の方の反応も『そんな…王家の血が流れているから大きな声では言えませんが淑女としてどうなの?』とか『ハロルド様はやはり騙されているんだわ。』なんて言葉が聞こえてきます。
私はどう説明すればいいか分からず手の平をギュッと握って俯いてしまいました。
ですが私のその手をハル様は優しく握り『大丈夫だよ。俺が今度こそ守るから。』と言って下さったのです。
「レイモンド・アッセル侯爵令息。」
「な、なんですか?」
レイモンド様はハル様から声を掛けられるとは思っていなかったようでビクビクされています。
「俺は君がシャーロット嬢と婚約したいためにネイオウミ嬢との婚約を解消したと聞いているが?」
「そ、それは何かの間違いでは?」
「そうなのですか?ニコラス侯爵。」
そう聞かれたお父様は虚な目ではありましたが、ゆっくりと顔をあげハル様を見ます。
「いえ。レイモンド・アッセルはシャーロットと婚約したいからとネイ…オウミとの婚約解消を申し出てきました。」
お父様は私の名前を呼ぶ時チラリと私を見ました。
本当に一瞬でしたが…それに、本当のことを言ってくれました。
「だそうだが?その場合、シャーロット嬢が嘘をついているとは思えないのだが?」
「…っうぐ。」
「レイモンド・アッセル令息、すまないが僕はネイオウミ嬢とは両家の意向により婚約を解消しているんだ。君の言っている話と事実は違う。」
まさかのシオドア様の援護を頂けてしまいました。
レイモンド様は苦い顔をされました。
本当の事だからこそ何も言えなくなってしまったのでしょう。
「もう良いですわ!私はこの子を1人で育てますわ!私は1人では生きていけませんもの、仕方ありませんわ…修道院でもどこにでも行ってさしあげますわ。」
シャーロットはレイモンド様のその様子に諦めたのか、単に強がりなのか分かりませんがそう言いきったのです。
その顔は裏切られて辛いような寂しいような気持ちを必死に隠した顔でした。
こんな時に何も言えない私はレナイト家にいた頃と何も変わっていないと思い悲しくなりました。
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