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番外編
婚約報告のはずが? ハル視点
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「で?何?ついにイオと婚約するからって“わざわざ“俺に報告に来てくださったんですか次期国王様?」
随分機嫌が悪いな…いつもはこんな事を言ったりしないのに何かあったのか?
「どうしたんだダニー。ハルがイオと婚約しないことをずっと気にしていたじゃないか?」
「新婚で幸せいっぱいのエド兄は黙っていて。」
本当にどうしたというんだ?
「エド、ハル。」
小声で呼ばれた俺達が振り返ると親父が扉の影から手招きしていた。
近くに行くと親父の書斎まで案内された。
「ダニーの奴、何かあったの?」
エドは気になった事をそのままにはしておけず直ぐに親父に聞いた。
俺は様子を伺う事にした。
「ハハッ。ダニーは今、虫の居どころが悪いだけだよ。」
「何かあったから機嫌が悪いんだろう?その何かについて聞いているんだよ。」
いや、本当に様子を伺うつもりだったんだが…親父がこういう言い方をする時は中々本題に入らないから俺も口を出してしまう。
「ん?今ダニーは公爵家当主になるため学んでいるところなんだが…」
「上手くいってないのか?」
「いや。思ったよりも順調だ。だが、ダニーに歴史学を教えてくれている女性にね…」
「何かされた?」
「まさか。歴史学を教えてくれている人がね、ダニーにとても厳しくてね。」
バンっ!!!!
音のした方を向くとムッとした顔のダニーが立っていた。
「あの女、ことあるごとに俺を馬鹿にしてくるんだよ。何様だよ!俺は何も分からないから学んでいるのに!!!」
いや…本来なら既に身に付いているはずの内容を学び直しているのだから、そんなに偉そうに言われてもな…我が弟ながら情けない気持ちになる。
「確かに。分からないものは分からないのだから馬鹿にされる謂れはないよな!」
だが、(昔あった出来事のせいでトラウマがあるために)勉強ができないエドはダニーに激しく同意した。
「分かってくれる?エド兄。そうなんだよ。なのにそう言ったら公爵家当主になるために…って言ってくるんだ。分かっているけど誰にだって出来ないことも、苦手なこともあるだろう?」
確かに誰にでも出来ないことや、苦手なことはあるがその女性はダニーを公爵家当主にするための知識を教えるという仕事をこなしているわけだからな…そんな事を思っていると、
「なんだダニーその人はいい人じゃないか!」
とさっきまで同意していたエドが急にその女性を褒め始めた。
「確かに馬鹿にするのはよくないが、ダニーが公爵家当主になるために敢えて厳しく言ってくれているのだろう?」
さすがエドはそういう所はよく分かっている。
ダニーはというと、それでも認められないと首を振っていた。
「大体、ハルのめでたい話なのに自分の機嫌が悪いからって…次期国王なのにわざわざ家にまできてくれた兄に、よくあんな言葉を言えたもんだ。ダニーの方がどうかと思うぞ?」
「うっ…わ、悪かったって思っているよ。ハル兄…それからエド兄もごめん。でも、本当に腹立つんだよ。とりあえず俺の話を聞いて!このイライラを吐き出させて!!」
まぁ実際ダニーは今までの行いとは比べのにならない位頑張っているらしいから、愚痴も相当溜まっているのだろう。
夕刻には俺もエドも戻らなければならないが、弟の愚痴をゆっくり聞いてやる位の時間は幸いある。
俺とエドはダニーの肩を掴み談話室にズルズルと引きずっていった。
随分機嫌が悪いな…いつもはこんな事を言ったりしないのに何かあったのか?
「どうしたんだダニー。ハルがイオと婚約しないことをずっと気にしていたじゃないか?」
「新婚で幸せいっぱいのエド兄は黙っていて。」
本当にどうしたというんだ?
「エド、ハル。」
小声で呼ばれた俺達が振り返ると親父が扉の影から手招きしていた。
近くに行くと親父の書斎まで案内された。
「ダニーの奴、何かあったの?」
エドは気になった事をそのままにはしておけず直ぐに親父に聞いた。
俺は様子を伺う事にした。
「ハハッ。ダニーは今、虫の居どころが悪いだけだよ。」
「何かあったから機嫌が悪いんだろう?その何かについて聞いているんだよ。」
いや、本当に様子を伺うつもりだったんだが…親父がこういう言い方をする時は中々本題に入らないから俺も口を出してしまう。
「ん?今ダニーは公爵家当主になるため学んでいるところなんだが…」
「上手くいってないのか?」
「いや。思ったよりも順調だ。だが、ダニーに歴史学を教えてくれている女性にね…」
「何かされた?」
「まさか。歴史学を教えてくれている人がね、ダニーにとても厳しくてね。」
バンっ!!!!
音のした方を向くとムッとした顔のダニーが立っていた。
「あの女、ことあるごとに俺を馬鹿にしてくるんだよ。何様だよ!俺は何も分からないから学んでいるのに!!!」
いや…本来なら既に身に付いているはずの内容を学び直しているのだから、そんなに偉そうに言われてもな…我が弟ながら情けない気持ちになる。
「確かに。分からないものは分からないのだから馬鹿にされる謂れはないよな!」
だが、(昔あった出来事のせいでトラウマがあるために)勉強ができないエドはダニーに激しく同意した。
「分かってくれる?エド兄。そうなんだよ。なのにそう言ったら公爵家当主になるために…って言ってくるんだ。分かっているけど誰にだって出来ないことも、苦手なこともあるだろう?」
確かに誰にでも出来ないことや、苦手なことはあるがその女性はダニーを公爵家当主にするための知識を教えるという仕事をこなしているわけだからな…そんな事を思っていると、
「なんだダニーその人はいい人じゃないか!」
とさっきまで同意していたエドが急にその女性を褒め始めた。
「確かに馬鹿にするのはよくないが、ダニーが公爵家当主になるために敢えて厳しく言ってくれているのだろう?」
さすがエドはそういう所はよく分かっている。
ダニーはというと、それでも認められないと首を振っていた。
「大体、ハルのめでたい話なのに自分の機嫌が悪いからって…次期国王なのにわざわざ家にまできてくれた兄に、よくあんな言葉を言えたもんだ。ダニーの方がどうかと思うぞ?」
「うっ…わ、悪かったって思っているよ。ハル兄…それからエド兄もごめん。でも、本当に腹立つんだよ。とりあえず俺の話を聞いて!このイライラを吐き出させて!!」
まぁ実際ダニーは今までの行いとは比べのにならない位頑張っているらしいから、愚痴も相当溜まっているのだろう。
夕刻には俺もエドも戻らなければならないが、弟の愚痴をゆっくり聞いてやる位の時間は幸いある。
俺とエドはダニーの肩を掴み談話室にズルズルと引きずっていった。
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