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第一章 追放からの出会い
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しおりを挟む森で出会い、突如旅仲間になったレオナードさん。追放されて半年、少し賑やかになった。
翌朝、宿を出て次の街に向かう準備をする。次の街までそこそこ距離があるから、食糧とかの準備が必要なんだ。
簡単に食べれる物を選んでると、「そんなもん食ってないのと変わんないだろ?」という不機嫌そうな声が背後から聞こえてきた。
レオナードさんはボクが持っていた物を元の場所に戻すと、さっさと店から出てしまった。
「えっとボク、何も買ってないんですけど…?」
「オレが結構買ったから大丈夫だ」
少し不機嫌さを滲ませながら言われると、黙ってしまう。なんで怒っちゃったんだろう?
ただでさえ、細いし顔色が悪いのにこれ以上酷くするつもりか! と自分の心配をされているとは一切気が付かないリオだった。
***
森から出た所には無かったが、街は頑丈な壁に囲まれている。もちろん魔物の侵入を防ぐためだ。
リオは知らないが、精霊神殿に行くまでの森は精霊の力で凶暴な魔物がいない。
だから、リオが出入りしていても魔物を見かけなかったのだ。※補足説明
王都を例外に壁には、門が一つだけある。これはどこでも同じだが、外に出る時は基本的に身分証が必要で、冒険者ギルドのプレートや商売ギルドのカードなどが使える、らしい。
らしい…というのは、門に向かっている時ボクが知らないことを知って、丁寧に説明してくれたのだ。「ありがとうございます」とお礼をいうと、眉を少し下げながら「いいよ」と言われた。
門に着く。
すると、門兵の人が「身分証を出してください」と言った瞬間、門の隣にあった小屋のドアが『バアァァン』という効果音が聞こえてきそうなくらい勢い良く開いた。隣から「げっ」と嫌悪感丸出しの声が聞こえる。
ドアからは、強面の男性が出てきてレオナードさんを見ると見えないぐらいの素速さで近づいてきた。
「Sランク冒険者のレオナード様! おい、この方は身分証の提示は必要ないぞ! すみません、こいつは新人でして…お手数を御掛けしました。普段ならこんなことはあるはずないですのに……」
「いや、気にしていないし、いつも言っているがもう少し静かに出てこれないのか…」
「そんなこと無礼なことできません! ってあれ? お連れの方がいらっしゃる?」
「(チッ、静かに出てくるの話は無視かよ。)」
なんかレオナードさんが小声で言ってる。レオナードさんSランク冒険者だったんだ。ギルドの人が少ないって言ってたっけ? それにしても元気な人だな…。
「お連れ様がいるとは思わず、失礼いたしました。私はこの門の管理を任されているアルノートと申します。以後お見知りおきを」
「リオっていいます」
手を胸の前に置き、丁寧なあいさつをしてくれた。それはいいとして…なんでさっきから笑顔でボクを見ているんだろう?
「おいアルノート、連れを威圧するのやめろ」
「これはこれは失礼いたしました。ですがその方は--」
いあつ…威圧? 今威圧してたの? ずっと笑ってたよ?
「オレの連れに文句があるのか? もう一度いうぞ。オレの連れを威圧するな」
「…っ。試すような真似をしてすみませんでした」
「え、あ。大丈夫です」
レオナードさんから、黒っぽい物が出ていたような…? まぁ、考えてたらなんだか解決したみたい…。
ボクが返事をすると、レオナードさんがボクの頭を軽くぽんぽんと撫でた。
優しく撫でられる。殴られない? 撫でてくれた?
フード越しなのにその手は何故か、温かく感じた。撫でられた所に手をのせる。…優しい。
また耳に『ピキッ』という音が響いたような気がした。
透明な板はボク目の前にある。
▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪
補足説明失礼しました。本文中に入れてしまってすみません…( ´-ω-)
因みにレオナードに身分証の提示を促した門兵は、元の配置に戻っています。
レオナード達は道から外れた、小屋の横で話しています。道のど真ん中でこんな会話されたら、邪魔ですよね。
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