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第二章 魔物討伐

 14(レオナード視点途中からリオ視点)

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「一体何だったんだ…?」

 痛む腹部を押さえながら、黒龍が去っていった方向を見て呟く。
 回復魔法が得意ではないのが仇となったか。使うことは出来るが、完治するまで時間がかかってしまう。
 残りの魔力も少なくなってきている。これ以上魔力消費の激しい魔法を使えば、魔力回路を傷つけるだろう。

 最善策は、近くにいる支援魔法使いか冒険者パーティーを探すことより、門へ向かうことだ。

 黒龍の登場により、ほとんどの冒険者はここから離れている。
 不幸中の幸いは、威圧により周囲から魔物がいなくなっていることだろう。油断は出来ないが、しばらくの間は安全だと考えてもいい。

 足だけに限定させた[身体強化]を使い、森の中を駆けた。場所を指定することで少しでも消費魔力を少なくするためだ。
 足を動かす度に走る痛みに顰めながら、草木で入り組んだ森を進んだ。

 門に近づいてきたことを知らせるように木々が途切れ途切れになってきた。
 視界の片隅で黒い何か・・・・を捉える。振り返る間もなく、ズッという音と共に体が地面に突っ伏した。

「ぐっ……だ、れだ……!」

 背中から激痛が走り、辺りが赤く紅く染まる。そのが刺されたことを物語っていた。

「あなたが生きていたら都合が悪い」

 中性的な声が響くと同時に意識を失った。



 ***



(リオ視点)

「んぅ…」

 あれ? ボク何してたんだっけ…?
 ああ、回復魔法を使ってそれで――

「リオちゃん! 起きたの!!」

「ぇあ…マリー、ちゃん」

 声が掠れていて、上手くしゃべれない。

「水よ! 飲んで」

 マリーちゃんから渡されたコップの水を飲む。余程渇いていたのか、スルスルと喉を通った。

「マリーちゃん、水ありがとう」

「どういたしまして! レオにリオちゃんのこと頼まれてるんだからどうってことないわよ!」

 ふふふっと微笑みながらマリーちゃんが答えた。


 今の状況を聞くと、ボクが倒れてから丸1日が経っているらしい。
 その間に五指の一体である黒龍が来て、何もせずに帰った。黒龍の登場によって、数を減らしていた魔物が逃亡し、冒険者も避難。
 怪我人の治療にあたっているようだ。

「リオちゃん、あなたは無理して魔力回路を痛めてしまったのだから大人しく休んでいなさい」

「っでも…」

「ダメよ」

 残りの魔力を確認すると、あまり回復していなかった。
 これじゃあまた倒れちゃう…

 突然外が騒がしくなり、勢い良くドアが開けられた。

「ギルドマスター! 大変です!! レオナード様が――」

 駆け込んできた冒険者の声が何処か遠くから聞こえているように感じた。






▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫

リオちゃん…いつも思うけどリア友にりおって名前の子がいるせいで違和感が…

そろそろ2章も終わる感じです。3章は魔力回路が治るまで王都へゆっくり旅の予定で、レオとリオの関係に変化が…おっと! ネタバレになっちゃいますね(; ・`ω・´)

次回はリオ視点に戻ります。
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