仮面を外して

頑張れ、私

そんな私の思いも空しく、梅宮さんは

「うだうだ言ってねーでほれ、さっさと行ってこい。お前なら出来る」

と、シッシと追い払うような仕草つきで言った。

「…分かりました」

それしか言えず、すごすごとフロアに出て行く私。


改めてフロアを見渡すと、閉店まぎわの為かお客さんは彼らしかいない。
他のテーブルの上は既に片付けてあるので、私がフロアに出る目的はあの3人に他ならない。

だから余計に目立ってしまったんだろう。
テーブルに辿り着くまであと数メートルというところで気付かれた。