“ゲスな男”は異世界の王道を歩む

三流フラグ設計士 mako17

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第18節 ~再会と確証と王手~

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服を買いに行った後、少しの軍資金を貰って俺はフィリアと別れた。
そして直ぐ様宿屋で部屋を借りると、体を洗い流す。

贅沢を言えば風呂に入りたかったが、宿屋の店主に聞いたところ風呂は貴族や金持ちしか入らないらしい。
無いのなら仕方ないと、樽に汲んだお湯で体を洗う。

さて、身支度も済ませ一時的な拠点も確保した。
これでまともに活動が開始できるわけだ。

やるべき事は山積みなので、1つ1つ解決していくしかない。
まず最優先案としては資金と冒険者タグだろう。

資金は現在無一文である。
フィリアが少しばかり恵んでくれたが、宿代1泊分で消え去った。
とは言え、当てがない訳ではない。
少しばかり銅貨を貸していたので、利子を付けて返してもらいにいくつもりだ。

続いて冒険者タグだが、これも実は当てがある。
門兵の話を聞いておおよその場所は分かっている。
あとは返してもらえるかどうかなのだが、再交付料とか取られないと信じよう。

ひとまず、場所が分かってるのは冒険者タグの方だけなので、冒険者ギルドに向かう事にする。
俺は宿屋の店主に少し出て来る旨を伝えると、大通りへと足を踏み出した。

―――――― 1時間後

思ったより宿屋と冒険者ギルドが離れていたようで、たどり着くのに時間がかかってしまった。
時刻は夕方。
少し日が落ちてきて、酒場がにぎわい始める時間帯。

俺は冒険者ギルドの扉を開くと中へと入っていく。
冒険者ギルドの中もクエスト帰りの冒険者達で賑わっていた。
以前の様にみんなの視線が集まることもない。

ゆっくりと周囲を見渡しながら2人の人物を探す。
まず1人目のスイナは直ぐに見つかった。
この人ごみの中でも彼女は目立つ。

俺はスイナに声をかける前にもう1人の人物を探す。

見つけた。
少し探すのに手間取ったが、休憩スペースの奥、椅子に座って他の冒険者と話をする男がいる。

忘れもしない、俺の胸を剣で貫いた男だ。

正直いるかどうか疑わしかったが、あの手際からして常習犯だろうと目星を付けていた。
常習犯と言う事は、これまで一度も犯行がばれず同じことを繰り返しているという事だ。
ならば、拠点をそう簡単に変えるとは思えなかった。

その予測はどうやら当たりだったらしい。

男の居場所を確認した俺は改めてスイナを確認すると近づいていく。
スイナは俺の事を死んでいると思っているらしいので、何て話しかけようか少し迷った。

「お久しぶりです、スイナさん」

俺の声にスイナが反応し振り返る。
そして目を大きく見開いて、口元に手を当てた。
持っていた資料が床に散らばる。

「え?え?ユ、ユウトさん、ですか?」

「はい」と答えるとスイナさんが驚いたように口を開く。

「え?でも、冒険者タグが返って来て、死んだって・・・」
「生き残っちゃいました」

俺の言葉にスイナが絶句する。

「い、生き残っちゃいましたって・・・し、死にかけたんですか?」
「はい、後ろから奇襲されまして」
「奇襲・・・ユウトさん、荷物運びのクエストでしたよね?何で森なんかに・・・」
「森?」

スイナの言葉に少し気になるワードが出てきた。

「え?タグを提出に来た冒険者の方が森でユウトさんがやられたって・・・」

なるほど、俺を殺そうとした冒険者がそう言う理由でタグを提出した訳か。
経験値が少し入り、持ち物も全て奪い、更にはタグ提出の報酬も貰う。
中々割のいい仕事の様だな、初心者狩りと言うやつは。

「その提出した冒険者って言うのは、あの奥にいる冒険者ですか?」

俺が後ろの休憩スペースを指さしながら聞くと、スイナがそちらの方を向く。
そして、1人の男を見つけて頷いた。

「えっと、はいそうですね。彼がユウトさんのタグを持ち帰ってくださった冒険者です」

よし、これで裏付けも取れた。
今すぐにでも復讐に行ってやりたいが、今すぐに行く訳にはいかない。
一旦あの男の事は忘れて冒険者ギルドでやるべきことを済ませよう。

「すみません、どうでもいいことを聞きましたね。あの、その冒険者タグを返してもらうことは出来るんですか?」
「もちろんです。本人が生きてらっしゃったんですから」

そう言うと、スイナはポケットから1枚のタグを取り出した。

「良かったです。処理に出してなくて。フィリアに話そうと思ったので、持っていたんですよ」

本当は私が持ってちゃダメなんですけどね、と付け加えながらスイナがタグを渡してくれる。
その受け取ったタグを俺は再び首にかけた。
そして、服の内側にしまい込む。

「そうだ、ステータスの確認ってできますか?」

俺の質問にスイナが首を傾げる。

「できますが、2日間でそこまで変わるとは思えませんよ?」
「それでもいいんです。お願いします」
「・・・わかりました。奥の部屋にどうぞ」

ステータス部屋に入ると、スイナの指示に従って紙に自分の血を垂らす。
一度やっているので、慣れたものだ。
紙に血が広がっていき、文字を形成する。
そして、俺はその紙を拾い上げた。

これで全ての“推測”が“確証”に変わった。

―――――――――――――――――――――

名前  : タチバナ ユウト
性別  : 男
職業  : 移動型冒険者
レベル : 108
HP   : 21600/21600
MP   : 10800/10800
ATK  : 3000
DFN  : 4800
MAT  : 2000
MDF  : 4800
INT  : 8800
AGI  : 9999
魔法  : なし
スキル : 『女神の加護』『隠密』『韋駄天』『異次元のバックパック』
      『ステータス』『走覇者』
称号  : 【時渡りの旅人】【底辺】【行き先の定まらぬ旅人】【爆炎の生還者】
      【急成長】【音を越えし者】【異次元の管理者】【限界突破】
      【自己管理】【移動要塞】
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