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第17節 ~原点回帰するつもりはなかった~
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あぁ、フラグ回収早かったなぁ。
俺は石造りの天井を見上げながら1人つぶやく。
見覚えのある石造りの床に石造りの壁と天井。
そして、鉄格子の向こうに立つ見覚えのある騎士風の男。
「戻ってくるなって言ったよな?」
「あんたがフラグ立てるから戻ってきちゃったんですよ!」
騎士風の男が「また意味の分からんことを」と首を振る。
結局あの後、門兵に捕まった俺はこの街の牢屋へと入れられた。
何の嫌がらせか、一番初めに目覚めた牢屋と同じ部屋だった。
「それにしても、やけにボロボロだな。2日でそこまでボロボロになれるものなんだな」
「まぁ、色々ありまして。それにしても、この街の門兵はひどいですね!」
「何か一悶着あったらしいな」
「ちょっと話を盛ったら、休憩していた門兵も出てきて皆で俺をフルボッコですよ。こちとらただでさえボロボロなのに!」
「何て言ったんだ?」
「「お前はフィリア様の何なのだ」って聞かれたから、「夫(予定)だ」って答えただけですよ」
「なんでそんな質問が門兵から出るのか気になるが・・・まぁ、フルボッコにされた理由はよくわかった」
「聞いてもいいですか?」
「自分で考えるんだな。この街にいればいずれ分かる」
気になる言い方だな・・・。
後で調べてみるか。
「お前、それよりその身なりは何とかできんのか?監査騎士殿がせっかく身元引き取りに来てくださるというのに」
「えっ!!?」
直後、示し合わせたかのように他の兵士が騎士風の男に耳打ちすると、騎士風の男は俺を連れだして階段を上がる。
「ちょっと待って!心の準備が!」
「もう遅い」
騎士風の男はそう短く答えると、俺の体を扉の中へと放り込む。
「もう戻ってくんじゃねぇぞ?」
「だと思った!」
俺は倒れた状態のまま閉まっていく扉を眺めた。
もう二度と戻ってきてたまるか、と思いながら。
扉が閉まりきると、俺は立ち上がりながら振り返る。
そこには騎士風の男が言っていた通り、フィリアが待っていた。
「お久しぶりです、ユウトさん」
「お久しぶりです、フィリアさん」
「色々大変だったみたいですね」
「えぇ、まぁ・・・ご迷惑おかけします」
2日ぶりの再会に喜びを隠せない俺だったが、何だか少し違和感を感じる。
フィリアの様子が、どこか元気が無いように思えた。
「フィリアさん、何かお疲れみたいですけど、大丈夫ですか?」
「え?あぁ、ご心配かけてしまいましたか。遂昨晩、ククスの丘で大爆発が起きまして。それで偵察に行っていたんです」
ごめんなさい、それ俺のせいです。
とは言えないので、適当に相づちをうっておく。
「め、迷惑な話もあったもんですね!」
大丈夫だよな、何か手掛かりになりそうな物落としたりしてないよね。
そもそも物を持ってなかったから大丈夫だとは思うけど・・・。
しかし、予想外にもフィリアは俺の言葉に首を振った。
「迷惑はいいんです。ただ、誰か巻き込まれてしまったんではないかと不安でして・・・」
今なら門兵が様付けで名前を呼んでいた訳が分かる気がする。
慈愛の天使がご降臨なさってますわ。
いや、もはや女神と呼んでもいいかもしれない。
不安そうに表情を曇らせるフィリアに、俺は優しく声をかける。
「大丈夫ですよ、きっと誰も巻き込まれていませんよ」
なんせ巻き込まれた本人がここにいますからね!
「ユウトさんはお優しいんですね。ありがとうございます」
俺の励ましにフィリアは伏せていた顔を上げてほほ笑む。
ひとまず少しは気持ちが晴れたようで良かった。
しかし、なぜかフィリアは再び顔を伏せてしまった。
少し恥ずかしそうに少しこちらに目線を送ったと思ったらすぐに伏せてしまう。
「ユウトさん、あの・・・言いづらいんですが、その見た目はちょっと・・・」
まぁ、そりゃそうですよね。
なんせ今の俺の服装、必要最低限しか体を隠せていませんからね。
という訳で、この後フィリアのご厚意で服を買っていただきました。
今度お礼にお茶でも誘おう。
俺は石造りの天井を見上げながら1人つぶやく。
見覚えのある石造りの床に石造りの壁と天井。
そして、鉄格子の向こうに立つ見覚えのある騎士風の男。
「戻ってくるなって言ったよな?」
「あんたがフラグ立てるから戻ってきちゃったんですよ!」
騎士風の男が「また意味の分からんことを」と首を振る。
結局あの後、門兵に捕まった俺はこの街の牢屋へと入れられた。
何の嫌がらせか、一番初めに目覚めた牢屋と同じ部屋だった。
「それにしても、やけにボロボロだな。2日でそこまでボロボロになれるものなんだな」
「まぁ、色々ありまして。それにしても、この街の門兵はひどいですね!」
「何か一悶着あったらしいな」
「ちょっと話を盛ったら、休憩していた門兵も出てきて皆で俺をフルボッコですよ。こちとらただでさえボロボロなのに!」
「何て言ったんだ?」
「「お前はフィリア様の何なのだ」って聞かれたから、「夫(予定)だ」って答えただけですよ」
「なんでそんな質問が門兵から出るのか気になるが・・・まぁ、フルボッコにされた理由はよくわかった」
「聞いてもいいですか?」
「自分で考えるんだな。この街にいればいずれ分かる」
気になる言い方だな・・・。
後で調べてみるか。
「お前、それよりその身なりは何とかできんのか?監査騎士殿がせっかく身元引き取りに来てくださるというのに」
「えっ!!?」
直後、示し合わせたかのように他の兵士が騎士風の男に耳打ちすると、騎士風の男は俺を連れだして階段を上がる。
「ちょっと待って!心の準備が!」
「もう遅い」
騎士風の男はそう短く答えると、俺の体を扉の中へと放り込む。
「もう戻ってくんじゃねぇぞ?」
「だと思った!」
俺は倒れた状態のまま閉まっていく扉を眺めた。
もう二度と戻ってきてたまるか、と思いながら。
扉が閉まりきると、俺は立ち上がりながら振り返る。
そこには騎士風の男が言っていた通り、フィリアが待っていた。
「お久しぶりです、ユウトさん」
「お久しぶりです、フィリアさん」
「色々大変だったみたいですね」
「えぇ、まぁ・・・ご迷惑おかけします」
2日ぶりの再会に喜びを隠せない俺だったが、何だか少し違和感を感じる。
フィリアの様子が、どこか元気が無いように思えた。
「フィリアさん、何かお疲れみたいですけど、大丈夫ですか?」
「え?あぁ、ご心配かけてしまいましたか。遂昨晩、ククスの丘で大爆発が起きまして。それで偵察に行っていたんです」
ごめんなさい、それ俺のせいです。
とは言えないので、適当に相づちをうっておく。
「め、迷惑な話もあったもんですね!」
大丈夫だよな、何か手掛かりになりそうな物落としたりしてないよね。
そもそも物を持ってなかったから大丈夫だとは思うけど・・・。
しかし、予想外にもフィリアは俺の言葉に首を振った。
「迷惑はいいんです。ただ、誰か巻き込まれてしまったんではないかと不安でして・・・」
今なら門兵が様付けで名前を呼んでいた訳が分かる気がする。
慈愛の天使がご降臨なさってますわ。
いや、もはや女神と呼んでもいいかもしれない。
不安そうに表情を曇らせるフィリアに、俺は優しく声をかける。
「大丈夫ですよ、きっと誰も巻き込まれていませんよ」
なんせ巻き込まれた本人がここにいますからね!
「ユウトさんはお優しいんですね。ありがとうございます」
俺の励ましにフィリアは伏せていた顔を上げてほほ笑む。
ひとまず少しは気持ちが晴れたようで良かった。
しかし、なぜかフィリアは再び顔を伏せてしまった。
少し恥ずかしそうに少しこちらに目線を送ったと思ったらすぐに伏せてしまう。
「ユウトさん、あの・・・言いづらいんですが、その見た目はちょっと・・・」
まぁ、そりゃそうですよね。
なんせ今の俺の服装、必要最低限しか体を隠せていませんからね。
という訳で、この後フィリアのご厚意で服を買っていただきました。
今度お礼にお茶でも誘おう。
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