ゴミ掃除は復讐と共に

めると

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第1章

覚悟と決意

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「...」

誰かの声が聞こえる。

「......」

誰かの笑い声が聞こえる。

「...ァス。...ユリファス。起きなさい」

「お母さま...?あれ、僕は何を...」

目をこすり辺りを見渡す。いつもいる自分の部屋。何も変わりはない。

「寝ぼけているのですか?可愛いユリちゃんですわね」

そう言うとルーシアはいつも通りの笑顔でユリファスの頭を撫でる。

「...変な夢をみてしまった様です」

「それは怖かったですね、こっちに来なさいっ」

ユリファスはルーシアに抱きつく。
ギュッと音を立てて。

「怖かったです。本当に怖かった」

「安心して下さい、私はユリちゃんの味方ですから」

そう言うとルーシアはユリファスを強く抱きしめる。強く、強く。

「お母さま...苦しぃ..」

「もっと苦しみなさい」

「え...?」

「もっともっと苦しんで、そして死ね無能」


必死に抵抗するユリファスだが、何も出来ない。どんどん締め上がっていくルーシアの腕は ミシミシ、と音を立てている。
そして死にゆくユリファスの意識は理解すると共に決意した。

「テメェら、皆殺しだ。待ってろよ」

そう呟くとユリファスの頭はブラブラと力を失い揺れる。






目が覚めたのは暗い檻の中だった。何かが腐った様な匂いが充満している。
あの門番が睡眠薬入りの水を渡し、俺を売ったのは事実だ。

「...訂正するよ。この世界にいる奴ら全員ゴミだ」

見張りがいない事を確認したユリファスは右手を上にあげ灯り魔法を発動させる。
そして気づく。

「...こいつら奴隷か?20人はいるな」

ユリファスの周りには気を失っているか死んでいる20人ほどの奴隷がいた。
子供から年寄り、男女関係なく倒れている。

「お前らもゴミなんだろ?掃除してあげるね」

左手から闇魔法を発動させる。

「動かない20個のゴミならこっちの方が楽かな?」

闇の形は人間の手の様な形と、獣の口の様な形に変化する。そして奴隷達を手で摘み、口に投げ込むのだった。女、男、若い女、老いた男。投げ込まれた奴隷は口に入るとグチッと鈍い音を立てて飲み込まれている。
神父らを消した黒い塊、ブラックホールが口の中にあるのだ。

「よし、次」
ユリファスの作り出した手は檻をこじ開ける。その後 手と口はフッと消えた。



外に出ると二人の見張りと思われる男が立っていたため電撃魔法でサクッと殺し、ブラックホールに飲み込ませる。
もう掃除は手慣れてしまった。


「門番さん、お前は苦しませて殺すよ。待っててね♪」

不気味な笑顔を浮かべるユリファスは街の門へとスキップで向かうのだった。
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