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第九章恨みを超えて
理想と現実の狭間で
しおりを挟むこうしてレギルス達との会談は概ね成功した。
レギルス達は会談の結果を全員に伝えすぐに合流することを約束してもらった。こちらこちらも彼等を受け入れる体制を整えるように事を進める事にし、会談場所をたつ。
「とりあえず、義輝公に話をしたいですねここまでの結果が出るとは私は思ってもいませんでしたので」
それに関しては俺も真柄でさえ思ってもいたなかった。もしこれが成功したならば約十万の兵力がこちらに加わり、一気に京都まで攻めいることができる。
俺達が京都を攻めることで筒井家や雑賀衆への援護にもなる。一気に戦況を覆すことのできるのだ。
「よし、なら早速義輝公に会談の結果を伝えるとしよう」
俺達はすぐに義輝公に報告をする為に魔術で連絡を取るのであったがすぐに出てくれた義輝公から告げられた言葉に絶句してしまう。
「そうか?、そこまで敵が来ているのか?なら俺達も戻って守りに回った方が良さそうなのか?」
「いや、君達まで戻るとさらに戦線が後退する事になってしまう、それに彼等が味方になってくれるのならばこちらとしてもありがたい。一時的休戦という形でそちらで受け入れても構わらないが……」
義輝は概ね、彼等が味方になってくれる事について寛容的であったが少し言葉を詰まらせながら彼はこう続けた。
「流石に君達があったレギルスなる人物はかなりの人徳者であるようだが周りの奴ら全員がそうであるかはわからない。彼等も会談結果を伝えてから合流するとは言っていたのだろうがもし仮に彼等の間で仲間割れが起きた場合の事を考えて行動してもらうぞ。そこは「信玄」に任せるとする」
「あぁ、わかっている」
義輝は俺が後で長政に言おうとした危惧をその場で伝えてくれた。何も組織自体一枚岩ではない事はわかっている、だがあの青年の熱意なら信じられそうだと俺も密かに期待はしていたのだが改めて現実的に考えればそのリスクも考えなければならないだろう。
「もし、仮に下山する者が少なくてもこの方針は変えるつもりは無いが、その場合この戦争自体勝つのがかなり厳しくなるのは重々わかってもらいかな?」
「ここまで追い込まれたんだ。後は俺達がやる事は決死の京都まで目指すしか無いだろうな勝つには」
「あぁ、もはやそのぐらいしか道は残っていないだろう。この攻撃的な蟲共は主人がいなくなればその能力を発揮できないだろうと最近になってわかった。つまり大元を叩くことが肝要だその事を忘れずにな」
そこで義輝との通信は途絶えてしまう。
「「信玄」さん、我々は……」
いつに無く不安な顔でこちらを見てくる、長政に対して俺は肩を叩きつつ。
「心配するな……かれらを信じよう」
励ましの言葉を掛けた直後現実は待ってはくれなかった。
レギルス達の本拠地がある砦が真っ赤に燃えているからだ。
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