無冠の皇帝

有喜多亜里

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【01】連合から来た男

10 初出撃しました

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 ドレイクの読みは見事に当たった。
 副官と部下が決まったところで、出撃命令のメールが届いた。

「有人艦がいなくても、〝全艦殲滅〟できるくせに……」

 執務机に頬杖をついてドレイクは愚痴った。
 机上にコーヒーを置いたイルホンは思わず苦笑する。

「確かに、うちは無人艦がメインで、有人艦はそのサポートをしてるようなものですからね。有人艦の乗組員たちにはそこが不満らしいです」
「それはまあ、わからんでもない。そういや俺、まだ同僚に会ったことねえんだなあ。やだなあ。またレーザー砲撃たれたらどうしよう?」
「大丈夫ですよ。殿下がその場でその同僚を処分してくれます」
「うわあ、リアルすぎて笑えなーい。ところで、俺の同僚って何人いるの?」
「〝大佐〟は現在六人いらっしゃいます。そのすぐ上は、もう殿下です」
「え、将官はいないの?」
「はい。うちは『連合』や『帝国』の宇宙軍と比べると、かなり特殊だと思います。殿下は〝レクス公爵〟という爵位はお持ちですが、階級はありません。しいて言うなら〝大将〟でしょうか。だから、うちでは殿下の次に〝大佐〟が高位ということになるんです」
「うーん。俺の上官が殿下一人というのは非常にわかりやすいが、その同僚が微妙だな。出撃前に顔合わせくらいするよね?」
「さあ、どうでしょうか。殿下は面倒くさがり……あ、合理主義なので、〝大佐〟に集合日時と合流座標、配置図等もメール送信してしまうんです。ほら、こんなふうに」

 イルホンがドレイクの端末を操作してそのメールを見せると、ドレイクはあっけにとられたような顔をした。

「これはもう合理主義の枠を超えてると思うけど……ようは〝現地集合〟なわけね。すでにルーチンワーク化してるな」

 そう言いながらメールを眺めていたが、ふいに何かに気づいたように笑みをこぼす。

「でもまあ、一応気を遣ってはいただけてるようだ。うまくいけば見学だけで終われるかもしれないぞ。……無人護衛艦群の中に入ってるから、護衛艦扱いだ」
「逆算すると、そろそろ出撃準備に入ったほうがいいのでは?」
「そうだな。うーん……今回は三人、留守番させるか」
「え?」
「あれ、イルホンくんに言ってなかったっけ? 俺、あのときの新型、そのまま使うことになったのよ。いずれにしろ、シート五つしかないから、順繰りに乗せていこうとは思ってたんだけど、今回は実戦経験者は残していくことにするよ」
「そうですね。……聞いていないと言えば、大佐は今、どこに住んでらっしゃるんですか?」

 ふと気になって訊ねると、ドレイクはイルホンが想像もしていなかった答えを返してきた。

「俺? イルホンくんが毎日食事を届けにきてくれたあの部屋だよ」
「ええ? まだあんなところにいたんですか?」

 これには驚くというより呆れた。

「もう自動ドアから出入りできるようになったからね。別に出ていけとも言われてないし、何よりあそこ、今でも飯時に在室してれば、食事を届けにきてくれるのよ。あれは助かるねえ。特に朝」
「でも、あそこは……」
「ああ、殿下に採用されてからは、監視カメラは全部目隠しした。盗聴マイクはそのままにしてある。別に聞かれてまずいことしゃべってないし」

 ドレイクは平然と言ったが、イルホンはある種の罪悪感を覚えずにはいられなかった。

「……わかっていたんですね。やっぱり」
「敵陣営から亡命してきた軍人に対して当然の対処でしょ。むしろ待遇よすぎて驚いたくらいだ。でも、悪いから給料もらったら出ていくよ。ここ、寮とかあるの?」
「寮どころか、〝大佐〟なら一軒家ですよ」
「えー、掃除めんどくさいから、今の部屋くらいでちょうどいいんだけどなあ。イルホンくんは寮住まい?」
「あ、はい」
「じゃあ、俺もそこでいいや。入れて」
「無理ですよ。あとで俺が部屋探ししますから、今は出撃準備を」
「ほんとにイルホンくんは頼りになるねえ。じゃあ、七人全員、大至急隊のドックに集合させて。そこで簡単に顔合わせと説明済ませていくから」
「はい、了解しました」

 * * *

「いやあ、次々送りこんでくるよねえ、『連合』は。古巣ながら呆れるよ」

 ドレイクは艦長席で苦笑いを浮かべていた。が、イルホンをはじめとする他の乗組員――イルホンの右隣から順に、ティプトリー、マシム、シェルドン、ギブスン――は緊張の色を隠せなかった。
 本来、軍艦内での副官は上官の傍らに立って控えているのが常態だが、ドレイクはいちばん左端のシートにイルホンを座らせた。ドレイクいわく『仕事もないのに、ずっと立ってたら疲れるでしょ』。
 今回、ドレイクは予告どおり、実戦経験のない四人をこの軍艦に乗せ、実戦経験のある三人――スミス、フォルカス、キメイス――は基地に残してきた。アーウィンとは違い、ドレイクは部下に即戦力は求めていないだろうと考え、若さをいちばん重視してリストアップしたのだが、イルホンの読みは合っていたらしい。

「諸君。諸君はこっち側にいられるだけ幸せだぞう。今、あっち側にいる人間はなあ、死刑執行を待ってる気分だ。……大丈夫。俺は何があっても部下だけは生きて帰す。それが俺のポリシーだ」

 気負いのないドレイクの言葉に、五人全員が安堵の溜め息をつく。彼ら共通の特徴は、たとえドレイクが元「連合」の軍人であっても、多かれ少なかれ、尊敬の念を抱いているということだった。
 今回も「連合」の艦艇は約三〇〇〇隻。いくら〝ゲート〟の制約があるからとはいえ、これでは「帝国」に流れ作業的に〝全艦殲滅〟されてしまうだろう。現にドレイク以外の六人の大佐たちは、いつもどおり約一〇〇隻の艦艇を率いて、いつもどおりそれぞれの持ち場についていた。
 戦闘も、予定行動開始時刻ゼロ・アワーに始まった。
 まず、「帝国」の無人艦が「連合」を切り崩し、砲撃し、大幅に数を減らす。
 その後、有人艦が登場して、残りを駆逐していく。

「ああ、もったいねえ。無人艦がもったいねえ」

 スクリーンを見ながら、ドレイクがぶつぶつと文句を言う。

「人件費はかからねえだろうが、造船費はかかるだろうが」
「その造船費の中に、人件費も含まれていると思いますよ」

 さりげなくイルホンが指摘すると、ドレイクは雄叫びを上げた。

「無駄遣いするな! その分、給料に還元しろ!」
「高給取りのくせに……」
「俺はまだ一銭ももらってないよ。……あー、何で奴らはいまだに旗艦を落とせねえんだ? 殿下のためにわざと残してんのか?」
「そういうわけでもないと思いますが……向こうが撤退しそうになると、殿下が粒子砲で一掃するそうです」
「ああ……あのおっかなーいやつね。あれ、とてつもなくエネルギーを食うだろ?」
「〈フラガラック〉は殿下のプライベート・シップなので、詳しくはわかりませんが……少なくとも連射は無理なようです」

 ドレイクはぽかんとしてイルホンを見た。

「プライベート・シップ?」
「はい。二年前、殿下がこの艦隊の司令官に就任されたときに持ちこまれたんです。だから、あの船のブリッジクルーは出撃時のみ乗船させていただいていることになります」
「あれが私物……さすが『帝国』の元皇太子……スケールが違う」
「あの船もいろいろ特殊でして……あらゆる意味で〝プロトタイプ〟です」
「へえ……前から軍艦らしくないとは思ってたが、ほんとに軍艦じゃなかったんだな。ああ、それにしてもイライラする。おじさん、今回は見学の引率のつもりで来たのに。……シェルドンくん、敵旗艦に照準合わせて」
「は、はい?」

 突然、ドレイクに指示されて、暗褐色の髪をした青年――シェルドンは、あせって彼を振り返った。

「操作の仕方はさっき簡単に教えたでしょ。とにかく動かしてみなさい」
「りょ、了解しました……」

 シェルドンはおどおどしながらも、コントローラーを操作して、ドレイクに言われたとおりに照準を合わせていく。ドレイクは自分のモニタを見ながら、さらにシェルドンに指示を続けた。

「……もっと右、ちょっと行きすぎた、よし、そこで固定ロック。ちなみに『連合』の軍艦ふねは、だいたいこのへんにブリッジがある」

 ほっと溜め息をついたシェルドンを見て、ドレイクはにやっとした。

「安心するのは早いぞう。まだ射程圏内に入ってない。マシムくん、射程圏内に入るまで軍艦ふねを前進させて」
「え、俺ですか?」

 ちょうど艦長席の前方にいた、赤褐色の髪をした青年――マシムが、やはりシェルドンと同じように驚きの声を上げてドレイクを見る。

「大丈夫。操縦桿そうじゅうかん握ってれば、さっきシェルドンくんが合わせた照準に合うように軍艦ふねが勝手に動く。射程圏内に入ったらOKの表示が出るから、そこで軍艦ふねを止める。簡単でしょ?」
「了解……」

 マシムはシェルドンよりは落ち着いた様子で操縦桿を動かし、モニタのOK表示を確認して止めた。

「うーん。あらゆるものが邪魔」

 うんざりしたように呟いた後、ドレイクは手元のコンソールを操作しながら言った。

「イルホンくん、〈フラガラック〉に至急連絡してくれる? 『〝連合〟から来たおっさんが、自分の軍艦ふねと敵旗艦までの射線上から、今すぐ無人艦をどかしてくれってほざいています』と殿下に伝えてって」
「言えませんよ!」

 イルホンはまずそう一喝してから、インカムをつけてドレイクの指示に従ったが、通信を終えるとインカムをはずしてドレイクを睨みつけた。

「無人艦だけでなく、有人艦も移動させてくださるそうです。あと、ドレイク大佐でしたら直接殿下とお話しくださいと怒られました」
「何でさ?」
「さあ。大佐がらみの話を殿下にするのは面倒なんじゃないですか?」
「嫌われてんなあ、俺。……でも、ちゃんとどかしてくださった」

 にやりと笑ったドレイクの言葉を聞いて、スクリーンや各自のモニタで確認してみれば、確かに敵旗艦までの射線上から自軍の艦艇は一隻もいなくなっている。

「今日だけは、最後の引き金は俺が引くよ」

 そう言って、ドレイクが人差指でコンソールを軽く叩いた。と、巨大な蛇のようなレーザーが敵旗艦に向かって伸びていき、その間、敵艦艇を何隻か爆発させながらブリッジに噛みついた。

「これを最大出力で使うとこうなるのか。……ギブスンくん、エネルギー残量、三分の一切ったか?」

 いちばん右端のシートにいた黒髪の青年――ギブスンは、急に声をかけられてやはり驚いたようだったが、すぐにきびきびと返答する。

「はい、ぎりぎり基地まで帰れるかどうかです」
「やっぱりそうか。旗艦を一発で落とせるのはすごいが、消費エネルギーも半端ないな。いかにも殿下が好きそうな軍艦ふね

 ドレイク以外の乗組員は、炎上して沈んでいく敵旗艦をあっけにとられて眺めていた。この新型の砲撃艦がすごいのか。その砲撃艦を掌握している艦長がすごいのか。

「とまあ、君たち、本来はこのようなことを、航行しながら連携してやっていかなければならないわけよ」

 ドレイクはにやにやして両手を組むと、その上に無精髭の生えた顎を載せた。

「ティプトリーくん。戦況はどうなってる?」

 マシムの左隣に座っていた金髪の小柄な青年――ティプトリーが、一瞬肩を震わせてからモニタに目をやる。

「あ……敵艦艇、再編して撤退を始めています。残存戦力約八〇〇隻……」
「それでも、あの人は〝全艦殲滅〟するんだろうな……」

 淡々とドレイクが言ったとき、それを追認するかのように、あの光の糸が敵艦艇を串刺しにしていた。
 その光景もドレイクの顔も見るのはつらかった。イルホンはうつむいたが、そのとき入ってきた通信の発信元を知って青ざめた。

「た、大佐……!」
「ん? どうした、イルホンくん」
「で、殿下から、つ、通信が入ってます……!」

 その一言で、ドレイク以外の乗組員の顔が、やはりイルホンと同様青くなった。

「殿下? 何の用だろ。まあ、とにかくつないで」
「はい……」

 通信は映像つきだった。あの豪奢な美貌がスクリーンに像を結んだとたん、乗組員たちは起立して敬礼したが、ドレイクはそれを見てから、やれやれといった様子で立ち上がり、挨拶のような敬礼をした。

『実地試験でもしたかったのか?』

 軽く右手を挙げてから、「帝国」皇帝軍護衛艦隊司令官は冷ややかに言った。乗組員たちは震え上がったが、ドレイクはまったく怯まなかった。

「まあ、それもありますが、無人艦の浪費に耐えきれなくなって」

 ――ほんとに言っちゃったよ、この人。
 さすがにこのときばかりはイルホンも、〝何考えてるんだろう、このおっさん〟と思った。

『浪費?』

 案の定、司令官は柳眉をひそめた。

「浪費でしょう。戦闘が長引けば、その分、無人艦の数も減ります。ちゃっちゃっと旗艦落として、ちゃっちゃっと〝全艦殲滅〟して、ちゃっちゃっと帰投する! 殿下は少し、つきあいがよすぎます」

 ――今度は説教してる!
 イルホンは頭を抱えて絶叫したくなったが、それは他の乗組員たちも同じだったに違いない。
 司令官は明らかに不愉快そうな顔をしていた。が、怒っているというよりは、すねているような感じがした。もしかしたら彼自身、無人艦の無駄遣いについては自覚していたのかもしれない。その証拠に、彼は根負けしたようにこの言葉を口にした。

『……考えておく』
「ありがとうございます」

 過剰なまでに愛想よくドレイクは笑った。

「それから殿下。ご協力ありがとうございました。おかげで自軍を撃ち落とさずに済みました」
『あの出力で撃って帰れるのか?』

 思わずイルホンは司令官を見つめた。
 この上官もわかっていたのだ。

「安全運転で帰れば何とか持つでしょう。そういうのは得意です」
『無理なようなら早めに連絡しろ。燃料を補給させる』

 そう言い残して、司令官は通信を切った。同時に、ドレイクとイルホン以外の乗組員たちは、糸が切れた操り人形のようにシートに倒れこんだ。

「……大佐」
「何だい、イルホンくん」
「あなた、命が惜しくないんですか?」
「そんなことないさ。命が惜しいから亡命しようと思ったのに」
「だったら、何で殿下にあんな説教を……」
「説教? 俺はこの艦隊のことを考えて進言しただけだぞ?」
「そうですか。俺には説教に聞こえましたが」
「ああ俺、口下手だから」

 あっけらかんとドレイクは言ったが、イルホンも他の乗組員も絶対に嘘だと思った。

「まあまあ、処罰されるとしても俺だけだ。君たちには関係ない。それより基地に帰ることを考えよう。ギブスンくん、エネルギー残量から帰りの速度割り出して」

 ――〝殿下に説教した男〟。
 この日、エドガー・ドレイク大佐は、おおやけにはできない伝説をまた一つ増やした。

 * * *

 ドレイクとの通信が切れた瞬間、〈フラガラック〉ブリッジ内の空気はにわかに重みを増した。

(爆発する……!)

 ヴォルフとブリッジクルーは覚悟した。しかし、アーウィンは長い沈黙の後、ぼそりと呟いた。

「帰還する」

 誰もが聞き間違いをしたのかと思った。だが、アーウィンは続けて言った。

「キャル、全艦に帰還命令を出せ。それと、この船の速度を今より四十パーセント落とせ」
「承知しました」

 それから、一同がいくら待ちつづけても、アーウィンはそれ以上の発言をしなかった。

(どうして怒らないんだ?)

 アーウィンならあそこまで言われたら、しかも、言った相手が〝変態〟と呼んで嫌っている男なら、今頃怒り狂っているはずである。それがまるで別人のようにおとなしい。

「アーウィン……いいのか?」

 おそるおそるヴォルフが訊ねると、アーウィンは訝しげに問い返してきた。

「何がだ?」
「何がって……おまえ、ドレイクに怒ってはいないのか?」

 アーウィンはしばらく考えこんでから、深い溜め息を吐き出した。

「あの男の言っていることは正しい。正論には勝てん」

 ――負けを認めた!
 ヴォルフとブリッジクルーに衝撃が走った。確かに、アーウィンには自分が間違っていると思えば潔く認める一面もある。しかし、まさかあのドレイクに屈するとは。

「正論……だったか?」
「正論だ。私は『連合』の物量と執着を甘く見過ぎていた。〝全艦殲滅〟できても、我々は必ず一〇〇〇隻以上の無人艦を失っている。有人艦の盾としても使用しているからな。一度に三〇〇〇隻しか送りこめなくとも、間をおかなければ、少しずつではあるが無人艦の数を減らして我々の戦力を削いでいくことはできる。奴らは〝生贄〟の調達先には事欠かんらしい」
「そこまで考えて、あの男はあんな説教をしたのか?」
「〝変態〟で口の利き方もなっていないが、戦術に関してはあいつは〝まとも〟だ。おそらく私より先のことまで見通しているだろう。今この艦隊で無人艦の重要性をいちばんよくわかっているのはあの男だ」
「確かに、有能なのは認めるが……少し買いかぶってないか?」
「あの男が痺れをきらして、かつて味方だった旗艦を落とすまで、他の大佐どもはいったい何をしていた?」

 そのとき、初めてアーウィンが怒りをあらわにした。藪蛇だったとヴォルフは後悔したが、その一方で、こうして怒っているアーウィンのほうが彼らしく思えて安心できた。

「私は奴らを甘やかしすぎたようだ。奴らは無人艦とこの〈フラガラック〉とに依存しすぎる。今度、途中で無人艦を全部引き上げてやろうか」
「アーウィン、アーウィン」

 これにはさすがにヴォルフも苦笑いを漏らした。

「そもそも人間を死なせたくなくて、無人艦の大量導入を決めたんだろう。今いる〝大佐〟はその賛成派だ。無人艦頼みになるのも仕方ないと言えば仕方ない」
「だが、その部下たちは私が無人艦を多用しているのを不満に思っているのだろう? 本当に人間は勝手だな。実は時々、無人艦を犠牲にしてまで守る価値があるのだろうかと思うときがある」
「アーウィン……」

 彼なら本気でそう考えていそうで、ヴォルフやブリッジクルーは内心戦慄した。

「とにかく、今後はもっと効率よく〝全艦殲滅〟できる方法を考えよう。何があっても、この原則だけは変えるわけにはいかん」

 自らに言い聞かせるように宣言すると、アーウィンは両腕を組んで目を閉じた。
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