寂しいからそばにいて(仮)【『無冠の皇帝』スピンオフ】

有喜多亜里

文字の大きさ
22 / 349
砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

09【引っ越しついでに演習編06】元マクスウェル大佐隊的作戦会議

しおりを挟む
【前パラディン大佐隊・第十一班第一号待機室】

ロノウェ
「エリゴール……おまえ、本当に大佐と話し合ったのか……?」

エリゴール
「もちろん話し合った。その結果、とりあえず今回は軍艦ふねを宇宙空間に飛ばせればいいということでああなった。ちなみに、作戦立案は俺たちに丸投げだ。そこは元ウェーバー大佐隊と同じだな」

ロノウェ
「とりあえず飛ばせればいいって……そういや、元ウェーバー大佐隊の予備ドックは使えるようになってるのか?」

エリゴール
「ああ、そっちは大佐が人を手配して、明日の夜には使えるようにしといてくれるそうだ。ただし、待機室内の掃除は自分たちでしろだと。隊員以外の人間は極力入れたくないそうだ」

ザボエス
「それはまあ、セキュリティの面から考えて妥当だが……今回の演習内容は何なんだ? 『帝国』役と『連合』役に分かれて戦うってのはまだしも、中身は完全に俺らVS元ウェーバー大佐隊になっちまってるじゃねえか。しかも大佐は俺らサイド」

エリゴール
「そりゃ、俺らのほうが艦数が圧倒的に少ないのと、元ウェーバー大佐隊はまだ大佐の軍艦ふねと一度も一緒に飛んだことがないからだ。接触事故でも起こされたら困るだろ?」

ロノウェ
「それは確かに困るな。元ウェーバー大佐隊だったら、思いつめて自殺しちまいそうだ」

エリゴール
「最終的には、うちはアルスター大佐隊は完全に無視して、隊内で二組に分かれて『連合』の右翼を挟撃する予定になってるんだけどな。いきなりそれは無理そうだから、段階を踏んでやっていこうということになった」

レラージュ
「え? もうそこまで決めてあるんですか?」

エリゴール
「ある。でなきゃ、次の出撃までに間に合わねえ」

ロノウェ
「だったらそれ、元ウェーバー大佐隊にも教えてやったほうがいいんじゃねえのか?」

エリゴール
「……知らないほうが幸せってこともあるだろ」

ヴァッサゴ
「意味がわからない」

エリゴール
「まあ、そんなわけで。……とっとと作戦考えろ」

ロノウェ
「考えろって言われてもなあ……〝勝つ〟ってことはどういうことか、よく考えて作戦立案するように、だったか? 『帝国』にとっては〝全艦殲滅〟しかねえだろ。どう考えたって俺ら、勝てるわけがねえ」

エリゴール
「勝つ気でいたのか?」

ロノウェ
「そりゃ勝ちたいだろ。やられっぱなしで負けてくとこ、大佐に見られたくねえよ」

ザボエス
「そうは言ってもな。こっちの艦数は五分の一。しかも護衛艦。これで勝てたら俺らは伝説だ。そもそも、俺らは『連合』役だぞ? 『連合』が『帝国』に勝っちまったらまずいだろうが」

ロノウェ
「『連合』だって、反撃はするだろ」

エリゴール
「……それもそうだな。じゃあ、今回は大佐の軍艦ふねにも攻撃参加してもらうか」

ロノウェ
「えっ?」

エリゴール
「それほど驚くようなことか? ただでさえ艦数少ないんだから、むしろ当然のことだろ」

ロノウェ
「言われてみりゃそのとおりだが……どれくらい使えるんだ、あの軍艦ふね?」

エリゴール
「さあ……大佐にも乗組員にもわからねえんじゃねえか? ずっと護衛おきものやってたしな」

ザボエス
「実力未知数か。いずれにしろ、大佐にも攻撃参加してもらうんなら、うちの隊員、誰か乗させてもらわねえと。……って、もう決まりきってるけどな」

ヴァッサゴ
「ああ。大佐はその一人しか乗艦を許さない……」

エリゴール
「は?」

ロノウェ
「エリゴール、言い出しっぺはおまえだ。おまえが大佐に作戦伝えて、攻撃参加してもらうように頼んで、ついでに演習んとき、軍艦ふねに乗せてもらえ」

エリゴール
「……何?」

ロノウェ
「よし、決まった。元ウェーバー大佐隊に勝って、伝説になってやる!」

ザボエス
「たぶん勝てないだろうとは思うが、万が一勝っちまったら、元ウェーバー大佐隊にとってはトラウマだな」

ヴァッサゴ
「一生残りそうなトラウマだ……」

 ***

【前パラディン大佐隊・執務室】

パラディン
「モルトヴァン……どうしよう?」

モルトヴァン
「何がですか?」

パラディン
「思いつきで言っただけなのに、エリゴール中佐が私の軍艦ふねに乗ってくれる!」

モルトヴァン
「あー、はいはい。よかったですね」

パラディン
「態度悪いな。解任してエリゴール中佐を副官にするぞ?」

モルトヴァン
「今はそんなことを考えていらっしゃるんですね。私はいっこうにかまいませんが、エリゴール中佐は絶対に受諾しないでしょう」

パラディン
「くっ……私もそう思っているから言い返せない……!」
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

うちの前に落ちてたかわいい男の子を拾ってみました。 【完結】

まつも☆きらら
BL
ある日、弟の海斗とマンションの前にダンボールに入れられ放置されていた傷だらけの美少年『瑞希』を拾った優斗。『1ヵ月だけ置いて』と言われ一緒に暮らし始めるが、どこか危うい雰囲気を漂わせた瑞希に翻弄される海斗と優斗。自分のことは何も聞かないでと言われるが、瑞希のことが気になって仕方ない2人は休みの日に瑞希の後を尾けることに。そこで見たのは、中年の男から金を受け取る瑞希の姿だった・・・・。

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

【8話完結】帰ってきた勇者様が褒美に私を所望している件について。

キノア9g
BL
異世界召喚されたのは、 ブラック企業で心身ボロボロになった陰キャ勇者。 国王が用意した褒美は、金、地位、そして姫との結婚―― だが、彼が望んだのは「何の能力もない第三王子」だった。 顔だけ王子と蔑まれ、周囲から期待されなかったリュシアン。 過労で倒れた勇者に、ただ優しく手を伸ばしただけの彼は、 気づかぬうちに勇者の心を奪っていた。 「それでも俺は、あなたがいいんです」 だけど――勇者は彼を「姫」だと誤解していた。 切なさとすれ違い、 それでも惹かれ合う二人の、 優しくて不器用な恋の物語。 全8話。

女子にモテる極上のイケメンな幼馴染(男)は、ずっと俺に片思いしてたらしいです。

山法師
BL
 南野奏夜(みなみの そうや)、総合大学の一年生。彼には同じ大学に通う同い年の幼馴染がいる。橘圭介(たちばな けいすけ)というイケメンの権化のような幼馴染は、イケメンの権化ゆえに女子にモテ、いつも彼女がいる……が、なぜか彼女と長続きしない男だった。  彼女ができて、付き合って、数ヶ月しないで彼女と別れて泣く圭介を、奏夜が慰める。そして、モテる幼馴染である圭介なので、彼にはまた彼女ができる。  そんな日々の中で、今日もまた「別れた」と連絡を寄越してきた圭介に会いに行くと、こう言われた。 「そーちゃん、キスさせて」  その日を境に、奏夜と圭介の関係は変化していく。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。 ----------------------------------------- 0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新

処理中です...