16 / 46
#016:遺憾だな!(あるいは、イツァ/ワンダホール/イ世界)
しおりを挟む
「ぶわははははははッ!! っだよネコ介ぇ、おめえいけるクチじゃんよお、俺のくだんねえ話も聞いてくれるわで、こいつぁもう何つうの? ハッピハッピぃー言うわけじゃあねえのよぉぉぉ……」
異世界の酒は、ほどよい酩酊感を、迅速に俺に与えて来たわけであって。
「……ううん、カラみ酒じゃないのはいいんだけど、何て言うか、アイデンティティーが酔いによって崩壊するタイプだったのですね……まあいいんですけど」
場末も場末、だが、俺の酒飲みたる嗅覚がここだ! と示したこれまた路地裏のこじんまりとした汚え呑み屋は、やはりどんぴた酒も肴も上々の当たりであったわけで。
得体は知れねえが、芳醇な香りを醸してくる濁った酒で乾杯してから、三杯ほどで俺はもう呂律も回らないような状態になってしまっていた。一方、差し向かいで木のテーブルに直に座っている猫は、静かに器に注がれた酒をちろりちろり舐めながら、俺のしょうもない話にいちいち相槌を打ってくれたり、猫顔で笑ってもくれたりしている。何かいいなこんな雰囲気……独りで飲むのが習い性になってたが、本来、酒っつうのはこうして誰かと差しつ差されつ、やるもんなんだろうな……
周りの酔客どものがなる声も、もう何かうわんうわんと頭の中で反響してくるようになって来ていた。何のかは分からねえし分からねえ方がいいのかも知れねえ薄切りの謎肉を、供された木の「箸」で先ほどから口に運んでいるが、味付けも醤油っぽくて口に馴染んでいくしで、俺は設えられた木の椅子にもたれかかりながら、何だか元いた世界に帰ってきたみたいな気分になっていた。
そう言や、子供の頃視た「大長編」でも、日中は異世界を冒険して、日が暮れたらそれぞれの家に帰る、みたいなくだりがあったよな……緊迫感が無えとかガキ大将は怒ってたが、そういう日常に直結したかのような冒険に、憧れを抱いていたってのはあった。
だが、冒険を日常に落とし込まれてしまうとだな……それはまたのっぴきならないような気しかしないのだが……
かくりかくりと、己の意思とは無関係にあっちこっちに傾く首と同じように、定まらなくなってきた自分の思考をもてあそび持て余しながら、段々と俺はガキの頃から連綿と続いてきた自分の人生なんぞを振り返らされてもしまうのだが。
どこをどう辿っても、どことなくぷすぷすと不完全燃焼な人生だった。生きがいという名の酸素を求めて、息苦しさにずっと喘いでいただけの人生だったのかも知れねえ……(ケレンミー♪)
そんな俺が、この「異世界」では、楽に呼吸が出来ているような気がする。吸うたびに意識がクリアになるかのような、そんな逆に不安感を煽るくらいの爽快な空気感を、俺はこの世界に感じているわけで。
「ここの煮つけは絶品ですニャン……!! 銀閣さんの分もいただいてもいいですかニャン……!?」
その要因のひとつは、俺の目の前で俺の目の前の小鉢を狙っている、小さな猫の姿をしたこいつなんだと思う。言動/行動はいちいち突拍子も無いが、やるべき時にやるっつー、俺には無い資質を備えてて、それは尊敬というか憧憬っつーか。
神様はこの世界には何柱もいるらしく、自分はその最底辺だとかなんだぬかしてたが、別に底辺だからっつって、悲観しちまうだけのことは無えよな、と、俺は自分のことは棚に上げつつそう思っている。
一点突破の大逆転。それは、どこにでも転がってるものなのかも知れねえ。車道に飛び出した俺が、次の瞬間、得体の知れねえ「異世界」に「転移」するような世界だ。何が起きても変じゃねえ。
だが、とんでもねえ高みを狙えるのは、底辺という名の地にしっかりと足をつけて踏ん張ってる、俺らだけしかいねえとしたら……?(ケレンミー♪)
一発、やってみるしかねえ。最底辺の猫と、ド底辺の俺で、「ケレン味」という摩訶不思議触媒を用いて、どえらい相乗効果を巻き起こしてやるぜ……(ケレンミー♪)
どうも酔いが回って、思考も同じところをぐるぐる回ってる気がしてならねえが。ま、こんな状態だが、これからのことは、ひとつ論じねばなるめえ。これからどうすりゃいい? と猫に問うてみる。
「……我々に課せられた最終目標は、先だってから言ってますが『サ:クカワァボ:クズミィ神』を倒す事。生死は問いません」
毛で覆われた猫顔であるため、酔いが顔に出ることはなさそうなネコルであったが、その猫目は大分赤く充血していて、体もふらふらと落ち着きがない。だが「生死問わない」って……俺としては問いたくもあるのだが。
そいつはどこにいんだよ? と気を取り直してまた問うてみる。なんでもその「神」を成敗しないと、必然俺の身体がまっぷたつに裂けて死ぬみたいなことを言われていることもあり、何とかそれだけは御免こうむりたいがため、正確な情報を得ようと酩酊状態ながら俺は的確かつ必死だ。
「彼奴の根城は分かっています……この今、私たちのいる『ハドソナ=ファザナドウ大陸』は遥か西端ッ!! 『旋風の渓谷のカレンディア』に、奴はいるッ!!」
うぅぅぅん……盛り盛りだー、盛り盛り過ぎて、どこからどうやってツッコんでいいかもままならねー。
「まあそんな得体の知れない地名を言われてもイメージつかねえもんで……その、あまり繰り返したくない名称の名勝への、ここからの距離は?(メートル法で)」
素っ頓狂な固有名詞の数々に酔いの大部分を吸い取られてしまったかのような俺は、慌ててぐい呑みのような陶器の盃をあおって酩酊感の持続に努める。あんまり正気では聞いていられない気がしたからであり。
「道なりにおよそ『1,100km』ッ!! これは『東京―博多間』と図らずもほぼ一致するのでありますだニャン♪」
あくまで日本を標準とせんとすやり方かよ……「図らずも」言うてるがお前の匙加減だろそこはェ……
「……分かった。承服しかねることは色々あるが、もう全部飲むことにするぜ。なので重要なことだけを聞く。『時間があまりねえ』とか言ってたが、『期限』はどのくらいだ?」
聞きたくなかったが、ここは生死に関わる重要ポイントと考え問う。さらっと結論だけ述べてくれと心の中で祈りながら。が、
「……『残り13日』!! と今の私の『全能プロデューシック=アンテナ』は申しておりますが、銀閣さんの活躍如何によってはそれが『26日』に延びることも……さらには『大長編』がプラスされることもくふふ……あるかも知れませんにゃ、ふふふふふ……」
やっぱ触れなきゃよかった。取りあえず最悪を想定して「13日」。「1100km」を移動せにゃならんが、「一日84km」。まあ何とか最悪の最悪「徒歩」でも走破可能な距離と言えるか? だがまあ、
飛脚のような旅になるな……と、俺はまたしても自分の中に燻る異世界コレジャナイ感を、自分でも酒臭く感じるようになってきた呼気と共に吐き出していく。
異世界の酒は、ほどよい酩酊感を、迅速に俺に与えて来たわけであって。
「……ううん、カラみ酒じゃないのはいいんだけど、何て言うか、アイデンティティーが酔いによって崩壊するタイプだったのですね……まあいいんですけど」
場末も場末、だが、俺の酒飲みたる嗅覚がここだ! と示したこれまた路地裏のこじんまりとした汚え呑み屋は、やはりどんぴた酒も肴も上々の当たりであったわけで。
得体は知れねえが、芳醇な香りを醸してくる濁った酒で乾杯してから、三杯ほどで俺はもう呂律も回らないような状態になってしまっていた。一方、差し向かいで木のテーブルに直に座っている猫は、静かに器に注がれた酒をちろりちろり舐めながら、俺のしょうもない話にいちいち相槌を打ってくれたり、猫顔で笑ってもくれたりしている。何かいいなこんな雰囲気……独りで飲むのが習い性になってたが、本来、酒っつうのはこうして誰かと差しつ差されつ、やるもんなんだろうな……
周りの酔客どものがなる声も、もう何かうわんうわんと頭の中で反響してくるようになって来ていた。何のかは分からねえし分からねえ方がいいのかも知れねえ薄切りの謎肉を、供された木の「箸」で先ほどから口に運んでいるが、味付けも醤油っぽくて口に馴染んでいくしで、俺は設えられた木の椅子にもたれかかりながら、何だか元いた世界に帰ってきたみたいな気分になっていた。
そう言や、子供の頃視た「大長編」でも、日中は異世界を冒険して、日が暮れたらそれぞれの家に帰る、みたいなくだりがあったよな……緊迫感が無えとかガキ大将は怒ってたが、そういう日常に直結したかのような冒険に、憧れを抱いていたってのはあった。
だが、冒険を日常に落とし込まれてしまうとだな……それはまたのっぴきならないような気しかしないのだが……
かくりかくりと、己の意思とは無関係にあっちこっちに傾く首と同じように、定まらなくなってきた自分の思考をもてあそび持て余しながら、段々と俺はガキの頃から連綿と続いてきた自分の人生なんぞを振り返らされてもしまうのだが。
どこをどう辿っても、どことなくぷすぷすと不完全燃焼な人生だった。生きがいという名の酸素を求めて、息苦しさにずっと喘いでいただけの人生だったのかも知れねえ……(ケレンミー♪)
そんな俺が、この「異世界」では、楽に呼吸が出来ているような気がする。吸うたびに意識がクリアになるかのような、そんな逆に不安感を煽るくらいの爽快な空気感を、俺はこの世界に感じているわけで。
「ここの煮つけは絶品ですニャン……!! 銀閣さんの分もいただいてもいいですかニャン……!?」
その要因のひとつは、俺の目の前で俺の目の前の小鉢を狙っている、小さな猫の姿をしたこいつなんだと思う。言動/行動はいちいち突拍子も無いが、やるべき時にやるっつー、俺には無い資質を備えてて、それは尊敬というか憧憬っつーか。
神様はこの世界には何柱もいるらしく、自分はその最底辺だとかなんだぬかしてたが、別に底辺だからっつって、悲観しちまうだけのことは無えよな、と、俺は自分のことは棚に上げつつそう思っている。
一点突破の大逆転。それは、どこにでも転がってるものなのかも知れねえ。車道に飛び出した俺が、次の瞬間、得体の知れねえ「異世界」に「転移」するような世界だ。何が起きても変じゃねえ。
だが、とんでもねえ高みを狙えるのは、底辺という名の地にしっかりと足をつけて踏ん張ってる、俺らだけしかいねえとしたら……?(ケレンミー♪)
一発、やってみるしかねえ。最底辺の猫と、ド底辺の俺で、「ケレン味」という摩訶不思議触媒を用いて、どえらい相乗効果を巻き起こしてやるぜ……(ケレンミー♪)
どうも酔いが回って、思考も同じところをぐるぐる回ってる気がしてならねえが。ま、こんな状態だが、これからのことは、ひとつ論じねばなるめえ。これからどうすりゃいい? と猫に問うてみる。
「……我々に課せられた最終目標は、先だってから言ってますが『サ:クカワァボ:クズミィ神』を倒す事。生死は問いません」
毛で覆われた猫顔であるため、酔いが顔に出ることはなさそうなネコルであったが、その猫目は大分赤く充血していて、体もふらふらと落ち着きがない。だが「生死問わない」って……俺としては問いたくもあるのだが。
そいつはどこにいんだよ? と気を取り直してまた問うてみる。なんでもその「神」を成敗しないと、必然俺の身体がまっぷたつに裂けて死ぬみたいなことを言われていることもあり、何とかそれだけは御免こうむりたいがため、正確な情報を得ようと酩酊状態ながら俺は的確かつ必死だ。
「彼奴の根城は分かっています……この今、私たちのいる『ハドソナ=ファザナドウ大陸』は遥か西端ッ!! 『旋風の渓谷のカレンディア』に、奴はいるッ!!」
うぅぅぅん……盛り盛りだー、盛り盛り過ぎて、どこからどうやってツッコんでいいかもままならねー。
「まあそんな得体の知れない地名を言われてもイメージつかねえもんで……その、あまり繰り返したくない名称の名勝への、ここからの距離は?(メートル法で)」
素っ頓狂な固有名詞の数々に酔いの大部分を吸い取られてしまったかのような俺は、慌ててぐい呑みのような陶器の盃をあおって酩酊感の持続に努める。あんまり正気では聞いていられない気がしたからであり。
「道なりにおよそ『1,100km』ッ!! これは『東京―博多間』と図らずもほぼ一致するのでありますだニャン♪」
あくまで日本を標準とせんとすやり方かよ……「図らずも」言うてるがお前の匙加減だろそこはェ……
「……分かった。承服しかねることは色々あるが、もう全部飲むことにするぜ。なので重要なことだけを聞く。『時間があまりねえ』とか言ってたが、『期限』はどのくらいだ?」
聞きたくなかったが、ここは生死に関わる重要ポイントと考え問う。さらっと結論だけ述べてくれと心の中で祈りながら。が、
「……『残り13日』!! と今の私の『全能プロデューシック=アンテナ』は申しておりますが、銀閣さんの活躍如何によってはそれが『26日』に延びることも……さらには『大長編』がプラスされることもくふふ……あるかも知れませんにゃ、ふふふふふ……」
やっぱ触れなきゃよかった。取りあえず最悪を想定して「13日」。「1100km」を移動せにゃならんが、「一日84km」。まあ何とか最悪の最悪「徒歩」でも走破可能な距離と言えるか? だがまあ、
飛脚のような旅になるな……と、俺はまたしても自分の中に燻る異世界コレジャナイ感を、自分でも酒臭く感じるようになってきた呼気と共に吐き出していく。
0
あなたにおすすめの小説
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
無属性魔法使いの下剋上~現代日本の知識を持つ魔導書と契約したら、俺だけが使える「科学魔法」で学園の英雄に成り上がりました~
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は今日から、俺の主(マスター)だ」――魔力を持たない“無能”と蔑まれる落ちこぼれ貴族、ユキナリ。彼が手にした一冊の古びた魔導書。そこに宿っていたのは、異世界日本の知識を持つ生意気な魂、カイだった!
「俺の知識とお前の魔力があれば、最強だって夢じゃない」
主従契約から始まる、二人の秘密の特訓。科学的知識で魔法の常識を覆し、落ちこぼれが天才たちに成り上がる! 無自覚に甘い主従関係と、胸がすくような下剋上劇が今、幕を開ける!
異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。
日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。
両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日――
「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」
女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。
目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。
作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。
けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。
――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。
誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。
そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。
ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。
癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる