高嶺の花と紅蓮の子

気持ちの良い朝

翌日。

昨日の天気が嘘のように晴れ上がっていた。

「ハンナ！晴れたわ！朝一番の洗濯物と一緒にリュード様の制服も洗濯しなきゃ！」

「お嬢様、落ち着いてください！それに洗濯は我々が致しますから、私たちにお任せください。」

「いやでも私がお借りしたものだし…。」

「今日はシュベルク様の代わりに領地を見て回るご予定ではないのですか？」

「それはそうだけど…。」

「お嬢様。宮殿でのお仕事も重なって最近お忙しいではありませんか。このようなことは我々使用人にお任せください。」

「お嬢様！馬の用意が出来ましたよ！」

「今行くわ！」

「じゃあ皆んな、お願いしていい？」

「ええ、もちろんです。」

「あ、ハンナ。これリュード様に出しといてくれないかしら？制服を借りてきてしまったお詫びの手紙よ。取り急ぎこれだけでも送ったほうがいいかと思って。」

「ええ、かしこまりました。」

「お嬢さまあああ？」

「はーーーーい！じゃあよろしくね、ハンナ。」

「いってらっしゃいませ。お嬢様。」

「いってきます！」

満面の笑みで屋敷を出ていくエレーナ。高嶺の花と噂されるにふさわしい美しさだ。


騎士団は騎士団で事件が起きていた。