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疑念の朝
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「隊長!!!大変です!」
バタバタと執務室に入ってくるエミリオ。その手には手紙が握られている。
「どうした。」
「ジェイド団長が隊長のことをお呼びです!これ!」
エミリオから差し出された手紙。
すかさず受け取って読むと、「至急宮殿まで来るように。」とのことだった。
昨日エレーナから言われたことが頭をよぎる。
「……。」
「隊長?」
その沈黙からエミリオが察する。
「隊長、ジェイド騎士団長と何かあったんですか。」
「いや、まだ何もない。」
「まだ?」
ジェイド騎士団長はリュードとエレーナが繋がっているなど思ってもないだろう。
だとしたらこの呼び出しの本当の狙いを知らないふりして、真意を探ってみてもいいかもしれない。
リュードは神妙な面持ちでエミリオに向き直った。
「エミリオ。」
「はい。何でしょう。」
「私に何かあったらこの防衛隊を頼めるか。」
「え?」
あまりにも真剣な眼で告げられた言葉に驚きを隠せないのだろう。
「ちょっと待ってください!事件はあったけど、ずっと平和じゃないですか!隊長に何かあるってなんですか。隊長には何も起きないですよね!ねえ隊長。もしかして紅蓮の子の噂で何かあったんですか?そんなデタラメで隊長のことを陥れようとしてる奴がいるなら僕がそいつを殴ります!それとも周辺国で怪しい動きでも?」
「エミリオ。落ち着け。」
「嫌ですよ!僕、隊長がいない騎士団なんて考えられません。」
「エミリオ。」
リュードがもう一度名前を呼ぶとエミリオは落ち着きを取り戻したようだ。
「すみません。取り乱しました。でも僕、本当に嫌ですよ。隊長がいなくなったら。」
「そんなことには絶対にならないようにする。」
「絶対ですよ?」
「ああ。」
「僕も絶対そんなことにならないようにしますから。」
「頼もしいな。」
「はい!隊長のことならお任せください!なんてたって僕の剣の師匠は隊長ですから!」
「そうだな。」
「そうですよ!だから僕はこの騎士団で2番目に剣の扱いが上手いはずです!」
フンっと自信ありげに胸を張るエミリオ。いつもの調子すぎて少し心が和んだ。
「ザンテ団長とルペルのことを忘れてないか?」
「あ。あーーー…。じゃあ僕4番目ですね。でも絶対役に立てます!」
「ありがとう。」
「隊長に万が一のことがなんて考えたくないし、隊長なら万が一のことなんてないと思いますけど。もし、もし本当に万が一、億が一のことがあったら…。防衛隊のことは僕が守ります。防衛隊のことも、この国のことも絶対。守り抜いてみせます。」
「ありがとう、エミリオ。では行ってくる。」
「はい!お気をつけて!」
エミリオが見送るその背中は防衛隊隊長にふさわしい頼もしいものだった。
バタバタと執務室に入ってくるエミリオ。その手には手紙が握られている。
「どうした。」
「ジェイド団長が隊長のことをお呼びです!これ!」
エミリオから差し出された手紙。
すかさず受け取って読むと、「至急宮殿まで来るように。」とのことだった。
昨日エレーナから言われたことが頭をよぎる。
「……。」
「隊長?」
その沈黙からエミリオが察する。
「隊長、ジェイド騎士団長と何かあったんですか。」
「いや、まだ何もない。」
「まだ?」
ジェイド騎士団長はリュードとエレーナが繋がっているなど思ってもないだろう。
だとしたらこの呼び出しの本当の狙いを知らないふりして、真意を探ってみてもいいかもしれない。
リュードは神妙な面持ちでエミリオに向き直った。
「エミリオ。」
「はい。何でしょう。」
「私に何かあったらこの防衛隊を頼めるか。」
「え?」
あまりにも真剣な眼で告げられた言葉に驚きを隠せないのだろう。
「ちょっと待ってください!事件はあったけど、ずっと平和じゃないですか!隊長に何かあるってなんですか。隊長には何も起きないですよね!ねえ隊長。もしかして紅蓮の子の噂で何かあったんですか?そんなデタラメで隊長のことを陥れようとしてる奴がいるなら僕がそいつを殴ります!それとも周辺国で怪しい動きでも?」
「エミリオ。落ち着け。」
「嫌ですよ!僕、隊長がいない騎士団なんて考えられません。」
「エミリオ。」
リュードがもう一度名前を呼ぶとエミリオは落ち着きを取り戻したようだ。
「すみません。取り乱しました。でも僕、本当に嫌ですよ。隊長がいなくなったら。」
「そんなことには絶対にならないようにする。」
「絶対ですよ?」
「ああ。」
「僕も絶対そんなことにならないようにしますから。」
「頼もしいな。」
「はい!隊長のことならお任せください!なんてたって僕の剣の師匠は隊長ですから!」
「そうだな。」
「そうですよ!だから僕はこの騎士団で2番目に剣の扱いが上手いはずです!」
フンっと自信ありげに胸を張るエミリオ。いつもの調子すぎて少し心が和んだ。
「ザンテ団長とルペルのことを忘れてないか?」
「あ。あーーー…。じゃあ僕4番目ですね。でも絶対役に立てます!」
「ありがとう。」
「隊長に万が一のことがなんて考えたくないし、隊長なら万が一のことなんてないと思いますけど。もし、もし本当に万が一、億が一のことがあったら…。防衛隊のことは僕が守ります。防衛隊のことも、この国のことも絶対。守り抜いてみせます。」
「ありがとう、エミリオ。では行ってくる。」
「はい!お気をつけて!」
エミリオが見送るその背中は防衛隊隊長にふさわしい頼もしいものだった。
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