夢見の楽園

十五

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庭園

巡る

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 彼がもう一度指を鳴らすと、暗黒の世界はゆっくりと色を変え、さまざまな情景を私に見せた。
 どこか遠くの町の街並みが現れ、そこに住む人々の笑顔が見えた。
 そう思うと、雄大な高原に私達は立っていた。
 風にたてがみを靡かせ疾る馬が私の傍らを駆けて行った。
 次は深い海の底、様々な魚や生物が泳いでいる。
 見たことのない海底生物に私は驚いた。
 急に光が差し込み、深海から大空へと景色は移り変わった。
 鳥が群れを成して飛んでいる。
 私も空を飛んでいる気分になった。
 大空をどんどん上昇し、星々が煌めく宇宙になった。
 彼が指を動かすと、星が線で繋がれて星座になった。
 こうして世界は写真のように鮮明に写り、そして変わっていった。
 この光景はきっと私の知らない誰かの夢なのだろう。
 私は今多くの人の夢を巡っているのだ。
 人の夢はなんと美しく、そして幻想的なのだろう。
 私は深く息をついた。
 すると、彼は私に言った。
 
「もうすぐだよ。君の気配と同じ気配を感じる」
 
 彼は私の手を離した。
 私は手を伸ばして彼の腕をつかもうとした。
 だが彼は遠ざかっていく。
 
「案内はここまでだ。これ以上行くと現実世界に出てしまうからね。私は現実世界に行くことは出来ないんだ。ここでお別れだ。ありがとう、見えない友人」
 
 そういうと彼は私に手を振った。
 私もそれにこたえようと懸命に手を振った。
 どんどん彼の姿が遠ざかっていく。
 私の意識も徐々に遠くなっていく。
 そして…
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