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ー???視点2ー
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翌朝、目が覚めたら大好きな顔がそこにあった。
良かった、全部夢で…寒いところに戻らなくて。
人間は夢を見て、現実と分からなくなる時もあるみたいだ。
人により近付くための龍族もまた、いつか夢を見る。
それは悪夢が否かはまだ分からない。
ジッと顔を見つめていたら、少しして人間の瞳が開いた。
頭を撫でられて、その温もりに自然と心も温かくなる。
でも、昨日より手が冷たい…大丈夫なのだろうか。
人間はとても脆い、暑さにも寒さにも弱い。
龍の体がもう少し大きければ、人間がしたように包み込んで温める事が出来るのに…
「俺に遠慮してその場を離れないなら気にする必要はないからな」
人間はそう言っているが、それは勘違いだ。
遠慮ではなく、いたいからここにいる…それだけだ。
人間もそういう感情を持っていると思っていたが、違うのか?
人間はまた何処かに向かって歩いていった。
今日は待っててと言われていないから、後ろから付いて行く。
人間に追いつくのは一苦労で、積もった雪が邪魔をしてなかなか先に進まない。
必死に見失わないように付いて行くと、人間は後ろを振り返った。
龍の方に近付いてきて、手を差し伸ばされた。
「おいで、一緒に探そう」
「きゅー」
優しい手に触れたかったが、さっきまで雪の中を進んでいたから体が冷たい。
足なら直接肌に触れていないから冷たくはないはずだ。
何処に向かうのかは分からないが、何処までも一緒に行くつもりだ。
人間を見ると、昨日食べた木の実を取っていた。
ふと、視線を下げると目線に木の実が見えた。
龍の体は小さいから昨日の木の実の量で十分だが、人間はきっとお腹が空いている。
尾を振り下ろして、小さな木にくっついている実を地面に叩き落とした。
まるで龍も役に立っているような気がして嬉しかった。
褒められると嬉しくて、もっともっと褒めてほしくて張り切った。
「今日はこのくらいにして、戻るか」
人間がそう言うから、まだまだやろうと思っていたやる気を引っ込めて焚き火の場所まで戻った。
やはり焚き火はこの寒さに耐えるのは難しかったようだ。
これはまた役に立てるチャンスになるのではないのか?
思いっきり火を吹いたら、燃やすために必要な木まで灰にしてしまう。
少しずつ、少しだけでいい…人間が温かくなるような優しい火。
火を吹くと、焚き火は復活してパチパチと音を立てて火が揺れていた。
人間が抱いてきて、また褒めてもらえると嬉しかった。
気が緩んで、少しだけ口から火の残りを吐き出した。
「もしかして?」
「きゅー」
人間の言葉に返事をするように鳴くと、頭を撫でてくれた。
人間が火を調整しているのを眺めていると、こちらに振り返った。
その顔はとても眩しくて、まるで龍にとっての神様のようだった。
本物の神様はいるが、そういう事ではなく…上手く言葉に出来ない。
魔物と木の実を分けながら、一緒に食事をした。
生きるために食べ物を口にした事は当然ある。
でも、こんなに心がぽかぽかになる事はなかった。
きっとこれが、人間が感じる事が出来る幸せというものなんだな。
良かった、全部夢で…寒いところに戻らなくて。
人間は夢を見て、現実と分からなくなる時もあるみたいだ。
人により近付くための龍族もまた、いつか夢を見る。
それは悪夢が否かはまだ分からない。
ジッと顔を見つめていたら、少しして人間の瞳が開いた。
頭を撫でられて、その温もりに自然と心も温かくなる。
でも、昨日より手が冷たい…大丈夫なのだろうか。
人間はとても脆い、暑さにも寒さにも弱い。
龍の体がもう少し大きければ、人間がしたように包み込んで温める事が出来るのに…
「俺に遠慮してその場を離れないなら気にする必要はないからな」
人間はそう言っているが、それは勘違いだ。
遠慮ではなく、いたいからここにいる…それだけだ。
人間もそういう感情を持っていると思っていたが、違うのか?
人間はまた何処かに向かって歩いていった。
今日は待っててと言われていないから、後ろから付いて行く。
人間に追いつくのは一苦労で、積もった雪が邪魔をしてなかなか先に進まない。
必死に見失わないように付いて行くと、人間は後ろを振り返った。
龍の方に近付いてきて、手を差し伸ばされた。
「おいで、一緒に探そう」
「きゅー」
優しい手に触れたかったが、さっきまで雪の中を進んでいたから体が冷たい。
足なら直接肌に触れていないから冷たくはないはずだ。
何処に向かうのかは分からないが、何処までも一緒に行くつもりだ。
人間を見ると、昨日食べた木の実を取っていた。
ふと、視線を下げると目線に木の実が見えた。
龍の体は小さいから昨日の木の実の量で十分だが、人間はきっとお腹が空いている。
尾を振り下ろして、小さな木にくっついている実を地面に叩き落とした。
まるで龍も役に立っているような気がして嬉しかった。
褒められると嬉しくて、もっともっと褒めてほしくて張り切った。
「今日はこのくらいにして、戻るか」
人間がそう言うから、まだまだやろうと思っていたやる気を引っ込めて焚き火の場所まで戻った。
やはり焚き火はこの寒さに耐えるのは難しかったようだ。
これはまた役に立てるチャンスになるのではないのか?
思いっきり火を吹いたら、燃やすために必要な木まで灰にしてしまう。
少しずつ、少しだけでいい…人間が温かくなるような優しい火。
火を吹くと、焚き火は復活してパチパチと音を立てて火が揺れていた。
人間が抱いてきて、また褒めてもらえると嬉しかった。
気が緩んで、少しだけ口から火の残りを吐き出した。
「もしかして?」
「きゅー」
人間の言葉に返事をするように鳴くと、頭を撫でてくれた。
人間が火を調整しているのを眺めていると、こちらに振り返った。
その顔はとても眩しくて、まるで龍にとっての神様のようだった。
本物の神様はいるが、そういう事ではなく…上手く言葉に出来ない。
魔物と木の実を分けながら、一緒に食事をした。
生きるために食べ物を口にした事は当然ある。
でも、こんなに心がぽかぽかになる事はなかった。
きっとこれが、人間が感じる事が出来る幸せというものなんだな。
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