血染めの龍騎士と悪役名無し三男の少女漫画的転生物語

鮎焼き

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兵舎の自室

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「ごめーん!僕が無茶させたからだよね!本当にごめん!」

「いえ、カノンさんのせいでは」

「このままじゃルイス様に……あぁ、怖い!!」

いろいろ考えていたら疲れて眠り、大号泣で隣で叫んでいるカノンさんに起こされた。

こうなったのはカノンさんのせいではない、俺の不注意でこうなったようなものだ。
俺を抱きしめて泣いていて、様子を見にきた先生によって引き剥がされた。

どうやら俺とルイスを見つけたのはカノンさんで、俺の帰りが遅くて探しにきたみたいだ。
カノンさんは小柄だから、他の騎士を呼んで運ばれた。
俺とルイスの周りが血溜まりで、死んだと思われていたみたいだ。

俺はカノンさんに恨みはない、むしろ早く見つけてくれて良かった。
夜は寒いから発見が遅いと風邪を引いていたかもしれない。

「運んでくれてありがとうございます」

「いや、お礼言われるような事は…」

カノンさんはもごもごとなにか言っていて、俺は先生に状態を教えていた。

その時、医務室の入り口で誰かの声が聞こえた。

「俺は大丈夫だ」とか「ですが、ルイス様」とか聞こえる。
もう1人も聞き覚えがあるが、1人はルイスだろう。

カーテンが開いて現れたのは、ライに腰を抱かれて止められているルイスだった。
ルイスも別室で治療を受けていたからシャツにズボンというラフな格好をしていた。

俺は再び思い出してしまい、顔が真っ赤になり固まった。
俺とは正反対で、カノンさんは顔を青ざめていた。

「カノン」

「ひぃ!ごめんなさいごめんなさい、調子に乗りました」

「その話は後でする、今は彼と2人にさせてくれ」

「あ、はい!分かりました!」

カノンさんはいい返事をして、先生とライを引っ張って部屋から出ていった。
最後までライがルイスを呼んでいたような気がするけど、大丈夫なのかな。

あんな事をさせても、また会ってくれるんだと嬉しかった。
それと同時に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

俺が会いに行かないといけないのに、来させてしまった。

ルイスと2人きりになり、医務室が静かになった。
大きく吸ってから吐き出して深呼吸をした。

ルイスも俺をジッと見つめていて、口を開いた。

「ごめんなさい!」

「すまなかった」

俺とルイスは同時に声が重なって聞こえた。
びっくりして目を丸くしてお互い見つめ合う。

俺が謝る理由はあるが、ルイスが謝る理由はない。
俺を魔物から助けてくれて、俺を治療したせいでルイスが可笑しくなった。

ルイスは辛そうな顔をしていて、疲れた顔をしていた。
俺のように眠れなかったのかな、俺とは違い罪悪感で…

ルイスの頬に無意識に手を伸ばしていて、両手で包み込んでいた。
俺の手に温かな手を重ねて、優しく握られる。

「ルイスは悪くない、俺が…その…あんな…」

「嫌がるイルトに無理強いしたのは俺だ、どんな処罰も受ける」

「ば、罰なんて考えないでよ!俺は何とも思ってないから!」

ルイスは気にしなくていいと言いたかったが、俺が上から目線みたいに言ってしまった。
すぐに訂正して「俺がしちゃった事だから、謝るのは俺だから」と言った。

ルイスは手を離して、小さく「そうか、でも俺も悪かったから」と言っていた。
俺からルイスが離れていき、言葉を間違ってしまったかとルイスともう一度話し合いたいと思って口を開いた。

しかし、ルイスに突進したライで会話は止まった。
俺から目線を外して、ライの首根っこを掴んで離していた。

先生とカノンもやってきて、話すタイミングを逃してしまった。
人が大勢いる中で謝り合ったら、ルイスが悪い事をしていると思われてしまう。

ルイスが「騎士には俺が説明しといたから心配しなくて大丈夫だから」と言って、ライを無視して医務室を出ていった。

震えながらカノンさんがまた謝っていて、大丈夫だと言いながら医務室の扉を見つめた。

嘘を付いてしまったのを気付かれて嫌われてしまったのかな。
でも、意識してるなんて言って避けられたら悲しい。

挨拶だけでいいんだ、漫画の展開の邪魔をしないから…また昔みたいにしてほしい。

「とりあえず検査するからカノンくんは離れてね」

「は、はーい」

「……きゅーちゃん」

「よし、もう大丈夫だけど病み上がりは気をつけてね」

「はい、お世話になりました」

医務室で治療を受けて2日経ち、やっと退院する事が出来た。

先生に頭を下げて医務室を出ると、カノンさんが前で立っていた。
カノンさんにも毎日様子を見にきてくれた。
その度にこの世の終わりのような顔をしないでくれ。

ルイスも来てくれたが、仕事が忙しいみたいで見舞いの品を置いて行ってしまった。
いつも俺が眠っている時に来るからすれ違っている。

ちゃんと話がしたいのにな、俺の言葉が不快に思ったのなら謝りたいし。

周りを見渡しても知らない騎士ばかりが歩いていて、ルイスの姿はない。

「退院おめでとう!退院祝いにスタミナの付くお肉をご馳走するよ!」

「え、でも今日の仕事は…」

「病み上がりの人に仕事を押し付けるなんて恐ろしい事しないよ!」

カノンは顔を引き攣らせて「怖い、怖い」と体を震わせていた。
そんなに怖いと思うほど、俺って危なっかしいのか?

青白い顔をコロコロ変えて、明るい表情になった。

俺の背中を押して、何処かに案内された。
されるがまま歩くと、廊下の奥で足を止めた。
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