政略結婚のはずが、完璧公爵の溺愛が子リス系令嬢を解き放ちました

宮野夏樹

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第1章 溺愛が解き放つまで

07.好意と悪意と

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 ヴァレリオ公爵家の庭園での出会い以来、騎士団長レオン・ディアスは公爵夫人リシェルに対し、ひそかに深い敬意を抱いていた。小動物のような愛らしい外見に反して、彼女の内面には、熟練の騎士に通じる鋭さと行動力が潜んでいたからだ。ペンダントを探す際に見せた、あの迷いのない視線と手つき。

 それは、彼が長年仕えてきたジュリアン・ヴァレリオ公爵の持つ完璧さと、ある意味で共鳴するものであり、レオンはすぐにその類似性に気づいていた。ジュリアンの完璧さは、研ぎ澄まされた理性と計算に裏打ちされたものだが、リシェルのそれは、天性の洞察力と、いかなる状況でも臆さない胆力に根差している。二人は異なる輝きを持ちながらも、本質的な強さにおいて共通していた。

 加えて、彼女の素の一端──例えば、庭師のトーマに対して何気なく発した的確な助言や、侍女エミリアへの思いやり溢れる声かけなど──に触れるたび、レオンは確信を深めていった。

 彼女は、決して表面的な優しさだけを持つ女性ではない。周囲の人々の細やかな変化にも気づき、彼らの心を慮ることができる、深い人間性を持つ女性だった。「ジュリアン様が、奥様に夢中になるのも無理はないな」と。

 レオンは、ジュリアンがリシェルを見る時の、あの微かに和らぐ表情を何度も見ていた。それは、感情を滅多に表に出さない公爵にとって、最大限の愛情表現に他ならなかった。

(だけど、当のご本人たちは、お互いを想い合っているくせに、全然距離が縮まらねぇ……このままだと、政略結婚という枠の中で、二人はずっとすれ違ったままだ。これは、俺の出番だな)

 レオンは腕を組み、密かに、しかし熱い決意を胸に抱いた。彼はジュリアンの親友として、彼の幸せを誰よりも願っていた。そして、リシェルという女性が、ジュリアンの隣に立つにふさわしい、いや、彼を真に満たせる存在だと直感していた。

 昼食の席で、レオンはジュリアンとリシェルを向かいの席から観察していた。リシェルはいつものように優雅に、そして慎ましく食事を進めている。その姿は、絵画のように美しかった。一方、ジュリアンは、無意識のうちにリシェルを横目で見ていた。

 そして、ぼんやりとスープスプーンを手に取ると、砂糖入れから白い粉をスープに投入しようとしたのだ。レオンは、その瞬間、思わず声を上げそうになった。

「公爵様、それは砂糖ですぞ!」

 レオンの言葉に、ジュリアンははっと我に返り、危うく砂糖漬けのスープを飲むところだった。リシェルは、その光景に小さく笑みをこぼした。ジュリアンの内心の動揺が、レオンには手に取るように分かった。

(これじゃあ、公爵様は奥様のことで頭がいっぱいで、まともな判断もできねぇ……)

 この一件で、レオンの決意は固まった。二人の関係を、もっと進展させなければならない。彼の「キューピッド作戦」は、ここから本格的に幕を開けることとなる。



 最初の作戦は、二人が自然に二人きりで話す機会をつくることだった。しかも、ただの社交的な会話ではなく、お互いの知的な側面や真摯な姿勢に触れられるような、建設的な場を設けること。レオンは数日をかけて、そのための完璧な口実を探した。

 ある午後、レオンは数枚の領地報告書を手に、ジュリアンの執務室を訪れた。彼は、最もらしく見えるように、眉間に少し皺を寄せていた。

「公爵、これらの報告書は、特に考慮すべき点がございます。しかし、私の知識だけでは、的確な判断を下すには不十分かと存じます。奥様のご意見を伺ってはいかがでしょう。特に、この農業改革案については、南部エルノワーズ家のご出身である奥様の見識が必要不可欠かと。エルノワーズ家は、南部の豊かな農業地帯を長年支えてこられた名家。奥様の、その知識と経験が、必ずや公爵様の助けになるかと」

 レオンは、あえて「公爵様のため」という大義名分を掲げた。ジュリアンは報告書を受け取ったが、その視線の奥には僅かな動揺が見えた。彼の頬に、微かな赤みが差しているのを、レオンは見逃さなかった。

(リシェルと二人きり……? しかも、執務の場で? まさか、この男、私の内心を……いや、考えすぎか。彼の言葉には、たしかに道理がある。彼女の知識は、私にとっても有益だろう)

 ジュリアンは、レオンの提案に一理あると考えた。何より、リシェルと二人きりで過ごす機会を、彼自身が渇望していたからだ。だが、その素直な気持ちを表に出すことは決してなかった。



 一方、レオンは、ジュリアンの執務室を出ると、すぐにリシェルの元へ向かった。彼はリシェルにも巧みに布石を打っていた。

「奥様、公爵様が農業改革について奥様のご意見を伺いたいと仰っておりました。エルノワーズ家は南部の豊かな農業地帯を支えておられたとか。奥様のご経験がきっと、公爵様の助けになるかと。公爵様も、奥様のお力が必要だと、大変期待しておられましたよ」

 レオンは、わざと「公爵様が期待している」という言葉を強調した。リシェルの表情がぱっと明るくなる。(ジュリアン様が、私の意見を……? 私の、知識と経験を必要としてくださるなんて!)と内心で胸を高鳴らせつつも、「これは公爵夫人としての務め」と自分に言い聞かせた。

 彼女は、自分の本来の能力を、公爵夫人として発揮できる機会を得たことに、喜びを感じていた。

「そうですか……私が、お役に立てるなら、ぜひ。すぐに書斎へ向かいましょう」

 リシェルは、すぐに顔を完璧な淑女の表情に戻し、落ち着いた声で答えた。しかし、その瞳の奥には、抑えきれない高揚感が宿っていた。エミリアは、リシェルの嬉しそうな様子に、小さく微笑んだ。




 こうして、二人は書斎で農業改革案について話し合うこととなった。書斎は静寂に包まれ、窓から差し込む午後の光が、積まれた書物や地球儀を照らしている。

 リシェルは緊張しながらも、エルノワーズ領で培った自身の経験と知識に基づいた提案を述べた。土壌の改良、品種の選定、灌漑システムの効率化、そして農民の生活改善策……彼女の口から次々と繰り出される具体的な方策は、ジュリアンを驚かせた。

「ヴァレリオ領の土壌は、エルノワーズ領とは異なり、粘土質が多いと伺いました。であれば、麦の品種改良だけでなく、土壌に有機物を混ぜ込むことで、より保水性を高めることができます。また、水路の整備と同時に、貯水池の増設も必要かと存じます。干ばつに見舞われた際の備えは、何よりも重要ですから」

 リシェルの言葉は、理路整然とし、一切の無駄がなかった。彼女は、地図を広げ、ヴァレリオ領の地形や気候の特徴を正確に把握していることを示し、具体的な村の名前を挙げながら説明した。

 ジュリアンは、彼女の明晰な分析と実務的な視点に驚嘆していた。彼は、彼女が単なる「美しい淑女」ではないことを、改めて思い知らされた。

(なんという聡明さだ……この理路整然とした意見。しかもそれを謙虚に述べる姿勢……私の予想をはるかに超えている。彼女は、見掛けの美しさだけでなく内面も高貴で美しい……)

 ジュリアンは、彼女の言葉の一つ一つを真剣に耳を傾け、何度も頷きながらメモを取った。彼の瞳は、彼女の知性に深く惹きつけられているようだった。彼にとって、リシェルはもう単なる政略結婚の相手ではなかった。彼女は、彼の知的なパートナーであり、心を揺さぶる存在だった。

 一方でリシェルも、ジュリアンが真剣に耳を傾け、何度も頷きながらメモを取る姿に心を打たれていた。彼女は「おしとやか演技」ではなく、自分の本当の姿で彼と向き合えたことに安堵と喜びを感じていた。

 彼の真剣な眼差しは、彼女の意見を尊重し、真剣に受け止めている証拠だった。それは、シャルロッテに「女が知識に夢中になっても歓迎されない」と言われた彼女にとって、何よりも嬉しい瞬間だった。

「リシェル、君の意見は、どれも非常に有益だ。すぐにでも、この案を元に再検討しよう。ありがとう」

 ジュリアンの感謝の言葉に、リシェルの胸は温かくなった。彼女は、彼との間に、確かに繋がりが生まれたことを感じた。

 その様子を、レオンは廊下の陰からこっそり覗き見て、拳を握りしめた。彼の顔には、満面の笑みが浮かんでいた。

(よし、手応えありだな……このまま順調にいけば、公爵様も奥様も、お互いの本当の魅力に気づくだろう。まずは、二人の間に確かな信頼関係が芽生えた。第一段階は成功だ……!)

 レオンは、自分の計画が順調に進んでいることに満足し、次の段階へと進む準備を始めた。彼の頭の中では、すでに新たな「キューピッド作戦」のアイデアが、次々と湧き上がっていた。






 だが、そんなレオンの努力を水泡に帰そうとする存在がいた。リシェルの親友を自称する、腹黒きライバル──シャルロッテである。彼女は、リシェルが公爵夫人の座に収まったこと自体が気に入らなかった。自分こそが、公爵夫人になるにふさわしいと信じて疑わなかったのだ。

 侍女からの報告で、リシェルとジュリアンが書斎で二人きりで過ごしたと聞いたとき、シャルロッテの顔は、抑えきれない怒りに染まった。彼女の完璧な笑顔は、瞬く間に凍りついた。

「あのリシェルが、ジュリアン様の執務に口を出してるですって……? そんなこと、あってはならないわ!」

 シャルロッテは、カップを握りしめ、爪が食い込むほどだった。彼女にとって、リシェルがジュリアンのそばにいること、そして知的な面で彼に評価されることは、何よりも我慢ならないことだった。

 彼女は、リシェルを常に自分の下に置きたがっていた。リシェルが完璧な淑女を演じることに成功していること自体が、彼女には許せなかったのだ。

 そこで彼女は、リシェルの『本性』──すなわち、男前な一面を社交の場で引き出し、ジュリアンに幻滅させようと企てる。

「あの女の化けの皮を剥いでやるわ……」

 シャルロッテの瞳には、冷酷な光が宿っていた。
ある日、シャルロッテは優雅な笑顔を浮かべ、公爵邸を訪れた。彼女の笑顔は、いつも以上に甘く、しかし、その裏には明確な悪意が隠されていた。

「リシェル、近々、王都で慈善晩餐会が開かれるの。ジュリアン様もご参加になるわ。あなたもぜひ、ご一緒にいかがかしら? 王都の社交界にデビューする絶好の機会よ」

 リシェルは一瞬戸惑った。公爵夫人として、いずれ社交界にデビューすることは理解していたが、まだ心の準備ができていなかった。しかし、誘いには丁寧に微笑んで応じた。

「ありがとう、シャルロッテ。ジュリアン様にご相談して、ぜひ参加させていただくわ」

 だが、シャルロッテの瞳には、冷たい光が宿っていた。彼女の計画は、すでに始まっていたのだ。

「ええ、でもね……リシェル。晩餐会では、奥様として控えめに、優雅に振る舞うことが何より大切よ。特に、ジュリアン様のような公爵の隣ではね。あまり目立ちすぎると……ご迷惑になるかもしれないわ。ジュリアン様は、派手な女性を好まれないでしょう?」

 その言葉には、リシェルの自信を削ぎ、自分を押し殺すよう仕向ける意図があった。リシェルは微かな違和感を覚えながらも、「親友の忠告」と受け取ってしまう。シャルロッテの言葉は、いつも的を射ていた。彼女は、リシェルの心に潜む「幻滅されたくない」という恐れを巧みに刺激していた。





 晩餐会当日。シャルロッテはリシェルに、自ら選んだ最高級のドレスを着せ、髪型からアクセサリー、言葉遣いに至るまで、あれこれと口出しをした。まるで、リシェルを『完璧な淑女』に仕立て上げるかのように、彼女の個性を徹底的に排除しようとした。

「その髪は、もう少しゆるく巻いた方が優雅に見えるわ。アクセサリーは、派手すぎないものを。そして、話し方は、もっとゆっくりと、たおやかにね」

 シャルロッテの指示は細部にまで及び、リシェルは息が詰まるような思いだった。彼女は、シャルロッテの意図を感じ取っていたが、ジュリアンに迷惑をかけたくないという思いが、彼女を支配していた。

(この晩餐会で、ジュリアン様に恥をかかせるわけにはいかないわ。私を妻として選んでくださったジュリアン様のためにも、完璧な公爵夫人を演じきらなければ……)

 リシェルは、自分を抑え、まるで繭の中に閉じ込められたかのように、控えめな所作を心がけた。彼女の笑顔は完璧だったが、その瞳の奥には、どこか寂しさが宿っていた。だが、ジュリアンはその変化にすぐ気づいた。

(……これは、私の知るリシェルではない。彼女が、以前よりも自分を抑え込んでいる……どうしてそんなに自分を抑え込む? まるで、何かに怯えているかのように……)

 彼の胸に、焦燥と疑念がよぎる。書斎で見た、あの聡明で生き生きとしたリシェルの姿は、どこにもなかった。彼は、彼女がなぜそこまで自分を偽るのか理解できず、歯がゆい思いだった。だが、それを口に出せないまま、晩餐会は始まった。

 レオンのキューピッド作戦が実を結びかけた矢先、シャルロッテの策略がリシェルの素を封じ込める──果たして、リシェルとジュリアンの距離は、この社交の夜を超えて縮まるのか。

 そして、レオンとシャルロッテの見えない戦いは、新たな局面を迎えようとしていた。王都の社交界を舞台に、仮面を纏った公爵夫人、彼女の真の姿を求める公爵、そして二人の幸せを願う騎士団長、そして悪意を抱く幼馴染の思惑が複雑に絡み合い、物語は加速していく。

 夜の帳が下りる中、晩餐会の華やかな喧騒の中で、それぞれの思惑が交錯し始める。
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