集団転移にまきこまれた中二病患者は伝説級のネクロマンサーだった話

中二病患者

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中二病 初仕事は…

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ハーレム王に俺はなる!! 等と意気込んではいたものの、結局何も出来ずに早数日の時が流れる。
我ながらに、自由の身になったとはいえ、染み付いたものが変わる訳でもない。
意識的に”自由だぁぁ”と思っていても、なんとも言えぬ罪悪感により行動が抑制されてしまうのだ。

「なぁ、グリムさんよぉ。 もしかして俺…このまま地味な生活を送って死んでいくんだろうか?」
『………』
「え? なんだって? 何も行動を起こさないんじゃハーレムもクソもない? そりゃそうだ!!」

流石はグリムさん。
ド正論を俺にぶつけて来るじゃないか!
そりゃそうだよな!? こんなところで籠ってちゃもったいない! なんせここは異世界だ! 
それも俺みたいな奴でも十分活躍する事が出来る!!
ならば!!

「よし!! ギルドへいこう!!」
『……』








――――――――――――――――――


「受付嬢よ! あれから数日経ったが、何か依頼はあるか?」
「あ、はい!! 丁度雑用系の依頼でキャンセルが出まして!! そちらの方であれば今からでも手続き出来ますが!! これです!!」

そう言って彼女が目の前に広げた書類には”損傷した研究所の修復”と書かれていた。
損傷した訓練場の整備? これはなんの依頼だろうか? 土木作業か? それとも…何か素材の入手とか…

「損傷した研究所の修復? 具体的な内容は紙に書いていないようだが?」
「あ、はい…それがこちら、ちょっと以前に依頼を受けられた方が…ちょ~っと問題が多い方でして。 その…」

成程。 このリアクションから察するにこれは相当根が深そうな依頼ではありそうだ。
まぁ、俺には関係ないけどな! なんたって報酬は5万ゴールド言う、俺からすれば喉から手が出る程美味しい仕事だ。 今このチャンスを逃せば最後。 またしても俺は地味生活送りをしなければならない。

「いいだろう。 受けよう」
「え!? う、受けられますか!?」

いや、あんたが勧めておいて今更そのリアクション!?

「えっと、その!! あの!! こういう事は言いたくないですけど! 報酬はいいですけど! いいですけど! 色々問題ですよ!! 色々と!!」
「色々?」
「はい!! 色々です!!」

等と言われてもなぁ~、後ろの方からは他の冒険者達の視線を感じる訳で、まさに俺に”受けろ受けろ!!”と念を送って来ているような感じがする。
訳ありだったとしても、ここで受けない訳にはいかない!
何故なら…俺には…俺にはハーレム!という夢があるからである!!

『カタカタカタ』
『…………』

なんだよ!? また言ってるよってか!? いいだろう!?
叶わない夢を心の中で願う事位!!

「え、えっと…では。 本当に手続きしますよ!? いいんですね!? 途中のキャンセルはできませんよ!? 向こうへ行くまでは!!」
「ん? あぁ、構わん」

俺が依頼を受けた事を確認した後ろの冒険者達は何故か俺にだけ解るように親指を立てていた。
ふっ…お前ら…。 とりあえず俺は真剣な表情を作ると皆へ向け”敬礼”をしておいた。
なんだよ、まるで最後のお別れを告げている様な表情じゃないか。 もしかしてこれは、まじで貧乏くじを引いた奴じゃないだろうな?

先程とは一変、なんともいえぬ感情に苛まれた俺は若干の焦りを感じたのだった。


何故か無言でギルドに居た冒険者達に見送られる形で送り出された俺は、貰った書類を元に目的の場所を目指した。
地図が示す場所は、この街の丁度中心部に位置する所だ。
ただ、あんな場所に施設的な建物はなかった気がするけどな?
まぁいいか、行ってみればわかる事だ。


「さて、地図によれば…この辺りなんだけど…」
『カタカタカタ』

ん? なんだって? 魔力を感じる?
どの辺に!?

『……………』

「ほぉ~…結界ってやつか」
『カタカタ』

スケルトンさん曰く、それ程強力な結界ではないが一応気を付けておいてくれと忠告を頂いた。

『………』
「解った」

どうやら、俺は転移の魔法陣を踏んでいたらしい。
次の瞬間、俺の目の前には――――

「ふふふ…はははははは!!! こうも易々騙される人間がまだ存在していたとはなぁ!? 愚か、まさに愚かである!! 聞いて驚け!! 我が名は!! ハイヒューマンの”バイオレット・カーバルディ”! カーバルディ一族の末裔であり…最強の魔法使いだ! さて、今回は――」

目の前には片目を抑えながら、何やら偉そうに振る舞う…恐らく、恐らくだが――
黒いゴスロリ風の服装に、白い眼帯を身に着け…おまけに魔法使いらしい黒の三角頭巾をかぶった。
なんというか、まぁ…そこそこスタイルのいい女性が居た。
なんでも彼女の名は”バカ”と言うらしいじゃないか。 そうだろう! そうだろうとも、なんとも可哀そうで哀れな人間なんだろうか。 

「ほぅ? ハイヒューマンのバカと言うのか、ハイヒューマンという存在を知らんが。 貴様のその殺気、我を攻撃しようと言う魂胆か。 いいだろう、相手になってやる」

俺は攻撃態勢だった彼女に、力を見せる様に闇の炎を纏った腕を構えた。
この炎は一見ただの黒い炎にしか見えないが、当たれば最後…死にはしないがすさまじい激痛が身体中を襲う。
それに何故か向こうはやる気満々みたいだし、痛いのは嫌なので! きっちり反撃させてもらうとしよう。

「か、か、か…」

と思ったが、俺の力を見た彼女の気配は瞬時に切り替わった。
先程までの殺気、なんてものは消え失せ俺の腕をジッと見つめている。

「は? …か? なんだ?」
「かっこぃぃぃぃぃ!!! 馬鹿な!! そんな馬鹿な!! 闇魔法を扱う魔法師だと!? ありえぬ! ありえんぬ!!! 闇魔法は極めて習得が難しい魔法だ! それも闇の複合魔法だとぉぉぉ!! あ、あれは…父上でも成しえなかった”最強の魔法”そのもの! か、か、か、かっこぃぃぃぃぃぃぃ!! ありえん! ありえんぬ! はぁ…はぁ…ありえんありえん! それにあの黒のローブと黒い髪…黒い眼帯。 あぁ// 孕む!! きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ! わ、わ、私と子作りしませんかぁぁぁぁぁ!」

バカはものすごいスピードで鼻息を荒くして俺の方へとやってきた。
そんな彼女を見て、俺は…俺は…うれしいという感情等は全くなく―――ただただ向かってくる彼女の顔面に本気の右ストレートをお見舞いしている自分が居た。

「ぐべらぁぁぁぁぁ!!」
『カタカタ…』
『………』

なに? それはやりすぎだろうって? 
ばかいえ!! こっちはれっきとした正当防衛だ!! それに、あいつが起きたら非常に危険だ!
ここはひとまず、この場所を離れる事にしよう。

「テレポート!! とりあえず…ギルドの裏だ!! この依頼はキャンセル!! なかったことにしよう!!」

そう言い聞かせるように大きな声で発言した俺は、その場から姿を消したのだった。
しかし、これが後に…彼の運命を大きく動かす事となろうとは。
彼自身知る由もない。




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