破天荒聖女ノルン・フォルシオンが征く!!

マギレ公

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20.本当にノルン?

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 ノルンはこの神殿に伝説の神剣が祀られている事を、俺に誇らしげに教えてくれた。
 一応剣士の身なので、神剣に興味を持つとノルンが警備の都合で、休日の昼間のみ一般公開している事を教えてくれた。

 「ありがとう。また今度の休みに見学に来るよ」
 「はい。またいつでもいらしてくださいね」

 ノルンと別れて、また彼女に会いにくる口実が出来た俺は、足取りも軽く宿へと帰るのだった。

 早く次の休日にならないだろうか。
 そんな事ばかり考えながら仕事をしつつ、ノルンに会いに行きたくてたまらない俺の耳に先日、若い女の子が誘拐されたと言う話が飛び込んできた。

 その話を聞いて、俺はノルンは大丈夫だろうかと心配になった。
 あんなにかわいい子なら、誘拐犯が狙っていてもおかしくない。
 既にこの国の騎士団が動いているらしいが、ノルンに何かあってからでは遅い。

 俺はその日の仕事を終えると、愛用の剣を手に誘拐犯が潜んでいそうな場所を一人探り始めた。
 騎士団が捕まえてくれるならそれはそれで良い。
 だがもし俺が先に見つけたなら、ノルンに手を出す前に斬る。

 怪しそうな場所をいくつか探していると、見知らぬ一人の女の子がポロポロと涙を流しながら俺に助けを求めてきた。
 聞けば複数の男達に誘拐され、縄で縛られ監禁されていた所にもう一人、女の子がさらわれてきて、その子が逃してくれたのだと言う。

 俺は彼女に騎士団に連絡するように言ってから、彼女が逃げてきた場所を聞き出すと、誘拐犯が潜む廃墟になっている古い教会へと向かった。

 気配を殺して中に侵入すると、ナイフを手にした三人組の男達が誰かと向き合っていた。
 男達の視線の先を見てみると、そこにいたのはなんとノルンだった……。

 「か弱い女の子ばかり狙う卑怯者の誘拐犯!!このぼくが成敗してあげる!!」

 木の箱の上に乗ったノルンがドヤ顔で、男達にビシッと人差し指を突きつけそう言い放つ。

 「とうっ!!」

 そしてノルンは木の箱からさっそうと飛び降り、そのまま床に積もった埃で足を滑らせて、尻もちをついた。

 「きゃあっ!?……いったーい!!」

 「な、何がしたいんだこのガキは……」

 あんぐりと口を開けて、ノルンを見ていた男達の一人がそう呟くと、ノルンは涙目になりながら、お尻に付いた埃をぱんぱんと叩いてから叫んだ。

 「こんな罠をしかけるなんて!!この卑怯者!!恥を知ってよこの経験値風情が!!」

 ……目の前にいるのは、本当に、あのノルンなのか?
 俺は目の前の彼女を呆然と見ていた。

 「なにを言ってんだ、こいつは?つーか誰が経験値じゃゴラァ!!」
 「大人を舐め腐りやがってこのメスガキが!!」
 「大人の怖さを思いしらせてやるぜえ!!そのかわいい顔を恐怖で歪ませてやんよお!!ヒャッハアー!!」

 男達はナイフを舌で舐めながら、じりじりとノルンに迫る。
 流石に大の男三人にノルンの華奢な腕で勝てる訳がない。
 俺は腰の剣に手をかけ、男達を斬り捨てようとしたその時だった。

 「必殺!!防御陣プロテクションぱんち!!」

 ノルンが天に掲げた小さな拳の前に、光り輝く巨大な拳が出現した。
 ノルンが小さな拳を前方に突き出すと、巨大な拳が男達を殴り飛ばした。
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