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庇うようにしてリーザロッテを連れ出し、教室の外に出ていたエルバルトの元に行く
「リーザロッテ嬢、怪我はないか?」
「はい、大丈夫ですわ。ご迷惑をおかけして申し訳ございません」
頭を下げようとするリーザロッテをとめて五人は首を振る
教室の中からはルルアが泣きながら何かを言っている声と、リチャード達がリーザロッテを罵倒する声が聞こえる
周りで見ていた者達も口々に何かを言っているが、リーザロッテを気遣う声は全くと言っていいほど聞こえてこない
それからも、リーザロッテを睨みつけるリチャード達とヒソヒソと何か噂するような声、嫌な空気が流れていた
翌朝事態は一変していた
教室輪の中心で体をくねくねさせながらキャッキャと嬉しそうに笑っているルルア
誇らしげな顔でルルアを取り囲むリチャード達、ワイワイしながら拍手をしているクラスの生徒達、廊下からは他クラスの生徒達も覗き込んでいる
「やっぱりな!ルルアは聖女様のようだと思っていたんだよ!」
「神ですらルルアの魅力には叶わなかったのでしょうね!」
騎士団長令息のマーノと侯爵令息のサイラスの興奮した声が聞こえてきた
「聖女?今、聖女と仰いました?」
セレスティアがボソリと呟いた
「言いましたね、聖女と。どういう意味でしょう?」
五人は顔を見合わせてヒソヒソと話し合っていた
「エルさまぁ、聞いてくださいぃ」
エルバルトに駆け寄ってきたルルアが体をくねくねさせながら甘ったるく甘えた声で
「ルルア、昨日神様から聖女だって言われたんですぅ」
「……っぅん!どういう意味かな?」
思わずおかしな声が出そうになったエルバルトが咳払いをすると、流石の王子スマイルを装備して問い掛けた
「寝ていたら、夢にぃ神様が出てきたんですぅ」
「ルルアに、聖女であると、神のお告げがあったんだ」
リチャードが大きな声で
「教会の大司教の所に行って、ルルアを正式な聖女と認定させよう。すぐにでも御触れが出る事だろう」
エルバルトは思わず半目になりそうになりながら
「そうか、それはおめでとう」
そう言うと席に着きながら、魔力を探っていた
その日は時間ギリギリになって教室に入ってきたリーザロッテをお昼に誘って裏庭のいつもの場所に六人はいた
「聖女だと。また大きく出たなぁ」
「聖魔力のようなものは一切感じなかったがな」
「それは、私達もです。聖魔力どころか、アレ以外は何も感じ取りませんでしたね」
リドウィンとアイリスも顔を見合わせながら頷く
セレスティアは、ずっと黙って聞いているリーザロッテに話し掛ける
「シストラ王国には、現在聖女様はいらっしゃいませんわね?」
「ええ、おりませんわ。シストラ王国は太陽神を信仰しておりますが、建国の頃に聖女様が現れたという伝説が記述として残っているだけでございます。我が国には魔法や魔術を使える者もおりませんし。ライディン王国には聖女様がいらっしゃるとお聞きしていますけれど」
「ええ、ライディン王国には聖女様がいらっしゃいますわ。とてつもない聖魔力をお持ちの方ですわ」
「我が国において、聖女様はとても大きな存在なのです。国中に加護を与えてくれますが、何か大きな災害や災厄を予知すればすぐにその土地に出向いて強い加護を祈り、国内中を飛び回っています。女神の化身といわれているような方です」
「私達は魔力を持っていますが、聖魔力というのは特別で、聖魔力に変わる魔力は他に存在しません。セレスティアは光の魔力という珍しい魔力の持ち主ですけれど、その光の魔力とも違うのですわ」
リドウィンとアイリスが聖女と聖魔力についての説明をする
詳しい事は初めて聞いたのであろうリーザロッテは真剣に耳を傾けている
「何故突然、あのミンス男爵令嬢が聖女などと言い出したのかは分からないが、暫くは静観してみよう。リーザロッテは少し苦しい立場になるかもしれないが」
眉を顰めたエルバルトが気遣うと
「わたくしは大丈夫ですわ」
リーザロッテは美しい微笑みを見せた
「リーザロッテ嬢、怪我はないか?」
「はい、大丈夫ですわ。ご迷惑をおかけして申し訳ございません」
頭を下げようとするリーザロッテをとめて五人は首を振る
教室の中からはルルアが泣きながら何かを言っている声と、リチャード達がリーザロッテを罵倒する声が聞こえる
周りで見ていた者達も口々に何かを言っているが、リーザロッテを気遣う声は全くと言っていいほど聞こえてこない
それからも、リーザロッテを睨みつけるリチャード達とヒソヒソと何か噂するような声、嫌な空気が流れていた
翌朝事態は一変していた
教室輪の中心で体をくねくねさせながらキャッキャと嬉しそうに笑っているルルア
誇らしげな顔でルルアを取り囲むリチャード達、ワイワイしながら拍手をしているクラスの生徒達、廊下からは他クラスの生徒達も覗き込んでいる
「やっぱりな!ルルアは聖女様のようだと思っていたんだよ!」
「神ですらルルアの魅力には叶わなかったのでしょうね!」
騎士団長令息のマーノと侯爵令息のサイラスの興奮した声が聞こえてきた
「聖女?今、聖女と仰いました?」
セレスティアがボソリと呟いた
「言いましたね、聖女と。どういう意味でしょう?」
五人は顔を見合わせてヒソヒソと話し合っていた
「エルさまぁ、聞いてくださいぃ」
エルバルトに駆け寄ってきたルルアが体をくねくねさせながら甘ったるく甘えた声で
「ルルア、昨日神様から聖女だって言われたんですぅ」
「……っぅん!どういう意味かな?」
思わずおかしな声が出そうになったエルバルトが咳払いをすると、流石の王子スマイルを装備して問い掛けた
「寝ていたら、夢にぃ神様が出てきたんですぅ」
「ルルアに、聖女であると、神のお告げがあったんだ」
リチャードが大きな声で
「教会の大司教の所に行って、ルルアを正式な聖女と認定させよう。すぐにでも御触れが出る事だろう」
エルバルトは思わず半目になりそうになりながら
「そうか、それはおめでとう」
そう言うと席に着きながら、魔力を探っていた
その日は時間ギリギリになって教室に入ってきたリーザロッテをお昼に誘って裏庭のいつもの場所に六人はいた
「聖女だと。また大きく出たなぁ」
「聖魔力のようなものは一切感じなかったがな」
「それは、私達もです。聖魔力どころか、アレ以外は何も感じ取りませんでしたね」
リドウィンとアイリスも顔を見合わせながら頷く
セレスティアは、ずっと黙って聞いているリーザロッテに話し掛ける
「シストラ王国には、現在聖女様はいらっしゃいませんわね?」
「ええ、おりませんわ。シストラ王国は太陽神を信仰しておりますが、建国の頃に聖女様が現れたという伝説が記述として残っているだけでございます。我が国には魔法や魔術を使える者もおりませんし。ライディン王国には聖女様がいらっしゃるとお聞きしていますけれど」
「ええ、ライディン王国には聖女様がいらっしゃいますわ。とてつもない聖魔力をお持ちの方ですわ」
「我が国において、聖女様はとても大きな存在なのです。国中に加護を与えてくれますが、何か大きな災害や災厄を予知すればすぐにその土地に出向いて強い加護を祈り、国内中を飛び回っています。女神の化身といわれているような方です」
「私達は魔力を持っていますが、聖魔力というのは特別で、聖魔力に変わる魔力は他に存在しません。セレスティアは光の魔力という珍しい魔力の持ち主ですけれど、その光の魔力とも違うのですわ」
リドウィンとアイリスが聖女と聖魔力についての説明をする
詳しい事は初めて聞いたのであろうリーザロッテは真剣に耳を傾けている
「何故突然、あのミンス男爵令嬢が聖女などと言い出したのかは分からないが、暫くは静観してみよう。リーザロッテは少し苦しい立場になるかもしれないが」
眉を顰めたエルバルトが気遣うと
「わたくしは大丈夫ですわ」
リーザロッテは美しい微笑みを見せた
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